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ピュアホワイトデイ

 


 ピュアホワイトデイ♡




 

 3月も半ばになると、暖かい日が増えて来る。
 今日は、そんな小春日和。
 
 私は、ソファとテーブルを窓際まで移動させ、日向ぼっこ宜しく本を読むことにした。曲を作るだけじゃなく、やっぱり作詞の勉強も最低限、語彙を増やす位の事はしないといけません。
 
 「ホントあったかいなぁ、今日・・・。」
 

 暫く読んだ本を置き、紅茶を一口飲んでフっと呟いた時、携帯が鳴った。
 着信音は、彼だけ他の人とは違う着信音に設定してある。私は慌てて電話を耳に当てた。
 

 「ああ、俺だ。何処に居る?」
 
 「聖川さま! お疲れ様です。あ、私は部屋に居ますよ。本を読んでました。」
 
 「そうか。今、レッスンの帰りでな。あの通りでずっと作っていた店、やはりケーキ屋でな。前を通ったら今日がプレオープンだそうでな。お前に電話が繋がれば、食べたいケーキを聞いて買って帰ろうと思ったのだ。」
 

 電話の向こうがざわついている。お客さんが結構いるみたい。
 
 「えっ、ケーキ屋さんだったんですね! えええどうしよう、何があるんですか? 何だか、生クリームとか食べたいですっ! あっでもチーズケーキとかカスタードクリームもああ、どうしようっ・・・・。」
 
 「落ち着け。生クリームならショートケーキと、ああ、フルーツが沢山のっているロールケーキもあるぞ。チーズケーキは・・・ココは、ベイクドタイプのようだな・・・。カスタードクリームならミルフィーユが定番だろう。お前が食べられるなら、3つ買っていくが?」
 

 「太っちゃいます!」
 
 「お前は太っても可愛いから大丈夫だ。」
 
 「・・・!」
  
 一瞬言葉に詰まる。
 
 (そんな事を言うのは反則です聖川さま! ドキドキして、ケーキを選ぶ回路がとんじゃいます!)
 
 「じゃあ、3つ買って行こう。俺と半分ずつ食べればいい。ああ、もう順番が来そうだ、じゃ後でな。」
 
 電話が切れて、まだドキドキした胸を押さえながら、私はお湯を沸かす為にキッチンへ立った。
 







  ******************************************************************************************
 
 

 「美味しいですね、コレ、全部美味しい!」
 
 聖川さまは電話で言った通り、3種類のケーキを買ってきてくれて、2人で半分ずつ食べて感想を言い合った。
 
 「聖川さま、今日はもう予定はないですか?」
 
 「ああ、今日はもう特に用事は無い。お前さえよければ、夕飯も一緒に食べないか。この前は、一十木たちが来たお陰で楽しくはあったが、やはり、お前と2人でゆっくりとしたいものだ。」
 

 有り難い事に、最近私は作曲のお仕事がコンスタンスに続いていた。
 
 聖川さまも、レッスンは当然、端役ながらお仕事も徐々に増えている為、中々2人きりで一緒にゆっくり過ごせない。部屋は隣同士でも、お互い時間が不規則な仕事である以上、メールだけが連絡手段の日が続く事も珍しくなかった。



 「はい、久しぶりですね、長い時間一緒に居られるのは・・・。嬉しいです。今日は、ご飯食べた後も、夜までずっと一緒に居て貰えるんですか?」
 
 
 ただ、率直に、何とはなしに思った事を口にしただけなのに、一瞬彼の瞳が揺れたように見えた。
 
 「・・・あ、え、と。あの、ひ、聖川さま忙しかったから疲れてますよね。ご飯食べたら、早く寝ないとイケナイですよね。ごめんなさい私、気が利かなくて。昨日とかもあまり寝れてないんじゃないですか、撮影、遅くまでしてたみたいだから。」
 
 夜までずっと一緒に居るという事が何に繋がるのかを今更気付いて、頬が熱くなるのが判って、私は慌てて矢継ぎ早に言葉を紡いだ。
 
 (どうしよう、あんなコト言ったら、何か変なコト期待してるみたいで恥ずかしいです! 私ってばどうしてこう、そんなつもりじゃなかったのに、聖川さまに、そんなコトばっかり考えてる子だって思われたらどうすればいいのでしょうか!)
 
 ちょっとしたパニックで頭がパンクしそうになっている私の肩に、聖川さまの手が回る。
 

 「お前がそう思ってくれているのなら、その、俺は、夜まででも・・・朝までだって、ずっと一緒に居たいのだが・・・。今のは、そういう意味に取っても構わんか・・・?」

 彼の顔が近付く。どうしていいか判らずに、頷くのが精一杯の私に、彼はそっとキスしてくれた。
 
 軽く触れた唇が一瞬離れて、それを何度も繰り返して、いつの間にか聖川さまの腕にきつく抱きしめられていた私は、終いには彼に吐息の出口を長く塞がれて、酸欠で頭がフワフワし始めていた。
 
 「あ・・・。」
 
 彼の指が耳をなぞった時、思わず声を洩らしてしまった。彼の触れた場所が火がついたように熱い。そのまま首筋を食まれて、背筋がゾクゾクと戦慄いた。
 
 「ここでは・・・というか、まだ、夕方だが・・・ベッドへ、行ってもイイか・・・?」
 
 激しい何かを必死に押さえ込んでるように見えるけど、遠慮がちに、優しく聞いてくれる聖川さまが愛しくて、応えたくて、私はぎゅっと彼の首にしがみつき、
 
 「ソファじゃなくて、ベッドが、イイ、です。」
 
 その言葉を絞りだすだけで必死だった。もう周りの景色が認識できない位頭が真っ白になっていた私は、自分の声が耳のすぐそばで鳴っているような錯覚さえ起こしかけている。
 

 どうやってベッドに辿り着いたのか覚えていない。
 
 ベッドの上に2人の体が乗った途端、聖川さまは押さえ込んでいた何かの箍が外れたようで。
 だけど私はそれが嬉しかった。彼を好きになって、彼と恋人同士になって、愛する人の思い通りにされる幸せという感触を知った。時々痛くて、恥ずかしさに顔から火が出そうになるけど、それでも、彼の望みに応えたい。その気持ちが全身を震わせる。
 
 寄せては返す波のように、時に大きい波に飲まれながらやがて果てた私達は、夜の帳が降りるのも見えないようにカーテンを閉めた部屋のベッドで、眠りにおちてしまった。
 

 


 ふと目が覚めた。
 
 ベッド脇の時計が光っている。暗くなると光るこの時計は夜中に目が覚めた時に重宝している。19時を表示している時計を目にして、ハっと決定的に目が開く。同時に、無意識に体を起こした。
 
 「・・・どうした。」
 
 「あ。」
 
 私が起き上ったのに気付いて、聖川さまが目を開けた。すっぽりと彼の胸に収まり、彼の腕に抱え込まれていた私は思ったほど体を起こせておらず、彼の目覚ましの役割しただけのようだ。
 
 「・・・・7時か。ウッカリ眠ってしまったな。最近忙しかったからか、お前の顔を見たら、安心してしまった・・・。」
 
 また目を瞑り、更に私を抱き込む。
 
 彼の心臓の音がする。それは、この穏やかな愛が永遠に続くような安堵感を醸し出してくれる音。
 暫くそうしていたのだけど、ふと聖川さまは起き上り、ベッドの下に脱ぎ捨ててあった自分の洋服を探り出したかと思うと、小さな箱を私の目の前に差し出した。
 
 「・・・・え?」
 
 「これは、お前に・・・・。今日は、ホワイトデーだろう。バレンタインに彼女からチョコレートを貰ったら、150倍返しのプレゼントを渡さないと、その彼女と結婚できないと神宮寺から聞いたのでな。」
 
 「ひゃ?」
 
 (ひゃ、150倍返しとは、一体ドコから沸いて出た数字なのですか神宮寺さんっ・・・・!)
 
 「お前は手作りのチョコレートをくれたからな。150倍返しと言われてもどうしたモノかと思っていたが、昨日のレッスンがアイツも一緒でな。いい所へ連れて行ってやるというものだから・・・。」
 
 枕元のスタンドの灯りしかない部屋でも判るほど赤くなりながら、受け取れという仕草で箱を私の目前に翳すので、私はお布団に入ったまま、うつ伏せになって箱を開ける事にした。
 
 「聖川さま、イイんですか、何だかとっても可愛い箱なんですけど・・・。開けるのが勿体ないっていうか・・・。とゆうか150倍って・・・コトは高い。んですか・・・?」
 
 「いや、俺もまだまだ駆け出しの身、自身の収入では、胸を張って高級品だと言えるものは購入できなくて、すまんな。だが、俺なりにお前の事を想って選んだ。お前が気に入ってくれるといいんだが・・・開けてみてくれ。」
 
 「嬉しい・・・何が入ってるんですか・・・開けるの、勿体無いけど、開けますね・・・!」
 
 嬉しいな、何が入ってるんでしょうかと、バカみたいに繰り返しながら、私は可愛く施されたリボンを外し、破らないように丁寧に包み紙を剥がした。
 
 そして、小さな箱の蓋を開けると――――。
 
 「わ・あ・・・! コレ、音譜・・・! カワイイ! 」
 
 中に入っていたのは、私の誕生石がすみっこに、小さいけど一粒埋め込まれた、音譜を模ったピンクゴールドのブローチだった。
 

 「可愛い! コレ、聖川さまが選んでくれたんですか? どうしよう、私、嬉しすぎてっ・・やだ、どうしたら・・・。」
 
 「こら・・・なぜ泣く・・・。」
 
 感極まって泣く私に少し慣れて来たのか、付き合い始めたすぐの頃のように、私が泣きだす度に慌てなくなった彼がふっと笑って頭を撫でた。
 
 「気に入ってくれたか・・・? 」
 
 「はいっ! すごく! こんなに可愛い物、とってもとっても嬉しいです。有難うございます・・・!」
 
 言いながら、ティッシュに手を伸ばし鼻をかむ私を目を細めて彼が見てる。
 
 「気に入ってくれたのなら、良かった。この店のアクセサリーが人気だとヤツが教えてくれてな。値段の割に質も良いと評判だとかで、まぁ、アイツも、女性に関するコトだけは優れている点があるからな。それに、俺は女性物のアクセサリーを買うなど初めてだったから、不本意ながらもヤツに同行を頼んだと言う訳だ。」
 
 「聖川さまが選んでくれるものなら、何でも気に入るに決まってます。でも、本当にこれ、可愛くて嬉しいです。」
 
 「そうか・・・そう言って貰えると・・・。最初は本当にどうしていいやら判らなくてな・・・。アクセサリーと言っても、イヤリングやらブレスレットやら、まず、どこに付ける物にするかを決めなくてはならんだろう。」
 
 「そうですね。どうしてブローチにしてくれたんですか? 私はブローチでとっても嬉しいですけど。」
 
 「そのブローチだけが、音譜の形だったのだ。」
 
 聖川さまが、仰向けになってそのまま私を抱き寄せて言った。思わずブローチの入った箱を手で庇う。
 
 「俺とお前を引き合わせてくれた音楽を、お前が形として身につけてくれると思ったら、迷わずそれを選んでいた。神宮寺は、ネックレスが定番で間違いないと言っていたのだが、それを見たら、それしかないと思ったのだ。」
 
 「聖川さま・・・。」
 
 胸が一杯になる。私の居ない所で、私の事を考えていてくれた。それだけで、自分の中が幸せで満たされる。嬉しさで、涙が出そうになる。
 
 「ケーキを焼くつもりだったが、このところ仕事とレッスンが続けざまでな・・・。すまんな、買ったもので済ませるような真似をして。だが、ケーキを焼く時間も惜しいほど、空いた時間はお前に早く会いたかったのだ・・・。」
 
 そう言いながら、優しく髪に、額にキスをしてくれる。
 
 「お前は、可愛いな・・・本当に可愛い。お前のお陰で、俺は幸せだ。」
 
 「私も、幸せです、聖川さま・・・。」
 
 暗がりでキスをする。
 彼の腕が心地よくて、彼の気持ちが嬉しくて、感激で涙が出そう。
 
 大事にしすぎてしまい込んだりしないよう、常に何かに付けておこうか。日々使う、お使い用の小さいバッグ、普段持ち歩くポーチ・・・ああ、逆に私が迷ってしまっています。
 
 「夕飯は、俺が作ってやろう。だがもう8時か・・・軽いものがいいだろうな。」
 
 そう言いながらも、私を抱きしめる腕を解こうとしない彼の鼓動が心地いい。
 そしてこの後、私達は結局朝までキッチンに立つ事なく、ホワイトデーは過ぎて行きました。










                   ~fin~







   もう何年も前に、アメンバー限定記事で公開したものの転載になります。
   1.2か所手を入れただけでほぼ原文です。忙しくて新しいホワイトデイSSが間に合わなかったー・・・。可愛い可愛いピュアピュアな聖川さまとのホワイトデイ、R18と言いながらこれならCERO/Cでも逝けそうな昨今がコワイwwww









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Author:みるくあずき2
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主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

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http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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