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Fire Works 5

 
 

 夜の遊園地は、なるほど音也の言った通りきらびやかな電飾に彩られ、クリスマスさながら不夜城の輝きに満ちていた。

 この遊園地は人気の観光スポットだった。
 大きな遊園地を中心に、広大な面積を誇るアウトレットパークがあり、ファミリー向け、カップル向けにそれぞれ幾つかのホテルも並んでいる一大レジャー施設だ。週末は当然だが、平日でもそれなりの集客を誇る定番のデートコースだ。

 タクシーで遊園地に着くと、音也は春歌をまずレストランに連れて行った。
 園内でも人気の高い、予約優先制の小洒落たレストランで、平日だと言うのに入口には既に待ち時間が表示されていた。音也が、春歌を入口に待たせて受付で何か2,3話すと、そのまま個室風に区切られたテーブルへ案内された。
 
 春歌はどうしてすんなり入れるのかと多少怪訝に思ったが、完全な密室でない席に安堵し、運ばれてきた水を一口飲んだ。

 落ち着いた雰囲気ではあるが、会話や食器の音で溢れる店内が、急にはっきり輪郭を描き出す。

 正面の席からじっと春歌の顔をみた音也が、少し笑って自分の頬をつつき春歌に小声で告げた。

 「涙の跡、ついちゃってる。顔洗っておいで。料理はもうコースで頼んであるから。」

 久々の人混みの中、どうしても鏡で顔を確認したくなった春歌は、そそくさとパウダールームに移動した。
 
 戻って来るとワインが用意されていた。
 躊躇ったが、既にグラスに注がれていた為、申し訳程度に口をつけた。

 (甘い・・・。)

 思いの外口にあい、春歌はもう一口飲む。

 「このワイン、甘いねえ。美味しい。もっと飲みなよ~。」

 音也に促されたからという訳ではないが、美味しいと思うと、自然にグラスの中味が減って行った。

 「ワインってさ、赤と、白とえっと・・・。」

 グラスを揺らし、中の透明に近い琥珀色を揺らしながら音也が歌うように話す。

 家を出る直前から、学園時代と寸分違わぬ音也だった。
 持ち前の明るさで楽しい話題を次々と取りだし、陽気に話す。それを目の当たりにしていると、あんな酷い事をされたにも関わらず、昔と同じだと錯覚してしまう自分が居た。
 
 それが自分の気持ちの影すら少し取り払ったのか、丸2日食事を取っていなかったのを思い出し、運ばれてきたコンソメスープの透き通った色に喉が鳴る。

 「料理どんどん来るから、どんどん食べなね。」

 そう言いながら音也もあっという間にスープを平らげ、籠に盛られたパンに手を伸ばす。
 春歌も、食べ出したが最後、口当たりのいいワインをおかわりしながら、出てくる皿を次々きれいにしていく。

 「パーティ、って感じするね。こんなトコで、豪華で美味しいモノ食べてさ。」

 大きな海老のソテーを、ガーリックとローストオニオンの効いたソースで頬張りながら、音也が言う。

 パーティというよりは、記念日という方がしっくりくるレストランだと思いながら、春歌はすっかり食事に夢中になっていたので適当に頷いた。
 
 素直に美味しいと思う。食事ができるうちは大丈夫。どこかで誰かが言っていた台詞を思い出す。

 自分は大丈夫らしい。なんだか滑稽だと苦笑しそうになった春歌も、ペロリと海老を食べ終えた。

 
 
 「さっきはゴメンね。俺、今日はホントに、ココへ来るつもりで君の部屋に行ったんだよ。」

 春歌が肉料理を食べ終わると、同じ料理をとっくに食べ終え、おかわりしたパンに手をつけている音也がぽつりと言った。

 「・・・・音也くん。」

 「だけど、君の顔見たら、ガマン出来ずにキスしちゃったんだ・・・。それで、キスしたら、どうしてもそれじゃ収まらなくなっちゃって・・・。」

 許して貰えるのを前提に謝る子供のように、少しはにかんだ笑顔を向けながら音也が言い訳する。

 音也は、これでもう自分を解放してくれるのかもしれない。春歌はそう思った。
 
 明日には蘭丸が帰ってくる。
 タクシーの中で音也が、明日の蘭丸の帰りはどんなに早くても夜になると事務所の人間に聞いたと教えてくれた時、それでも蘭丸が帰って来ることで、少なくとも音也からは解放されると思ったのだが、それを待たずして自分は自由になれるかもしれないと思った。

 共に食事をし、自分の想像は正しいかもしれないと、春歌は淡い期待を持つ。
 
 長い事好きだった相手に抱いていた幻想が、ある日突然音を立てて崩れたのだ。ショックで一時的に自分を失っていただけなのだ。だから、後悔してくれて、申し訳ないと思ってくれて、お詫びのつもりでここへ連れて来てくれたのだ。
  
 それなら、レストランを予約してあったのも納得できる。謝罪のつもりで予約はしてあったのだから、彼の言うように、ドアを開けた途端自分の顔を見てまた一瞬悪い心に負けただけだったのだ。

 デザートが運ばれてきた。
 可愛らしく凝った飴細工が施されたアイスクリームに、思わず春歌の顔が綻ぶ。その時点で、ワインの酔いが回っているかもしれないと自覚する頭も、あった。

 音也の謝罪には安心できる何かがあった。話の筋が通っていたし、少なくとも今、ここでこうして他人の中で食事をしている。それは紛れもない常識。日常だ。

 何より、明日は蘭丸が帰ってくる。春歌にとって、これほど心強いことはなかった。

 様々ないくつかの理由が、春歌の期待に現実味を帯びさせる。
 食事をしたせいか体も温まっており、ぼんやりとした心地良さと、女心をくすぐるデザインのアイスクリームに、春歌は何日ぶりかの穏やかな精神状態を取り戻していた。

 「七海、やっと笑ってくれた。」

 音也が、ほっとしたようにデザートスプーンを手に取った。
 
 「ねえねえ、これ、飴なんだね。ん、美味しい! 七海も早く食べなよぅ。」
 
 「うん。」

 ようやく心にそれなりの落ち着きを取り戻した春歌は、音也と少し言葉を交わしながらアイスクリームを食べた。
 お腹一杯だね! とニコニコする音也から、大会場でのライブ出演が新しく決まりそうだという話を少し聞いて、春歌はもう一度パウダールームへと席を立った。

 (結構、酔ったのかな・・・。体があっつい・・・ああ、やっぱり顔が赤い・・・)

 パウダールームの鏡に映る自分を眺め、春歌は、明日帰ってくる蘭丸を想い浮かべた。

 何故か不意に、蘭丸の舌や、自分を甘く責める彼の固い情欲の感触を思い出し、春歌は無意識に内股を擦り合わせた。
 意図せずかっとなった体に戸惑うと同時、音也との陰惨な記憶も蘇る。

 (大丈夫・・・悪い夢だったと思って、全部忘れよう。蘭丸先輩が帰ってくればもう大丈夫。音也くんだって、ああやって謝ってくれたんだもの。もう酷い事なんてしないはず。ううん、蘭丸先輩がいるんだし。)

 そう。学園時代の音也は、優しくて明るい、純真さで出来ているような人物だった。
 
 (私が悪かったんだ。音也くんの気持ちに気付かないフリをしていたから。今度からは距離を置いてつきあおう。嫌な記憶は一生懸命忘れよう)

 忘れられるわけがない、とチラリと心に過る暗い思いを封じ込め、春歌は席へ戻った。

 席へ戻ると、すっかり皿が片付けられており
 
 「ああ、来たね。さ、行こう。」

 さっと席を立つ音也について出口に向かう。席を離れながら音也が何かをポケットに入れたのに気付いたが、そんな些細な事はどうでも良い事だと春歌は思った。

 店を出ると、音也は春歌の手を繋ぎ、所々に配されたオブジェを見ながら歩いた。
 周りに人は大勢いたが、雰囲気を出す為に電飾の数を極端に減らしてある道を選んで音也が進む為か、2人の世界に没頭中のカップルばかりで、誰も音也と春歌を気にしていなかった。学園時代の話になると、春歌は更に穏やかな気持ちになれた。

 「あの時のマサ、すっごい面白かったよね。」

 「うん、面白かったね。」

 なんとかそれなりの会話を音也と交わせる事が嬉しくて、春歌は音也に繋がれた手を離さずにいた。酔いのせいで少し足元が覚束ないのもあった。
 学園時代の話をしている音也は、まさにその時の彼そのもので、それが余計に春歌を安心させた。

 だから春歌は気付いた時には、大きな回転ドアの前に居て、疑問に思う間にそのドアをくぐり、豪華なシャンデリアの下がるエントランスを歩いていた。やっと、つい一瞬前まで身を置いていた日常がずれたと気付く。

 (ここ、ホテルだ・・・!)

 春歌が足を止める。
 
 何度かテレビで見た覚えがあった。ここは、園内隅にある人気のホテルのはずだ。印象的なロビーに記憶がある。それなりの宿泊費にも関わらず、園内にある便利さと豪華な設備がカップルに人気で、なかなか予約が取れないと聞いている。

 「どうしたの?」

 音也が、足を止めた春歌を振り返る。
 
 「音也くん、ココ・・・。」

 「いいから、早くおいでよ。」

 丁度やってきたエレベーターに背中を押されて乗り込まされた春歌は、機械的に閉まる扉を黙って見るしかなかった。小さな肩を、音也が抱き寄せる。
 
 「不安そうな顔しちゃって、可愛い・・・。」

 背中に腕を回し、自分の胸に閉じ込めるようにした春歌に、音也は愛おしそうに頬ずりをする。その間にも、エレベーターはどんどん上へ上がって行く。到着を知らせる電子音が鳴り響き、再びエレベーターのドアが開いた。音也の手が、さっきよりもきつく春歌の手を握り、廊下へ導く。

 混乱した春歌は、音也がポケットから取りだしたカードをひらひらさせながら

 「最上階はスイートが2室しかないんだって。部屋から見る夜景は、とっても綺麗らしいよ、楽しみだね。」

 と、楽しそうに言うのを、遠くの景色を見るような気持ちで眺めていた。

 音也の手がカードキーを差し込み、重そうな扉を開ける。部屋の灯りが廊下に洩れる。
 広々とした間口を音也に引っ張られながら進み、どこの豪邸のリビングかと思う部屋を横目に見る春歌を振り返りもせず、音也が進んだ先の扉を開けた。

 
 広い。
 広い部屋に、クイーンサイズだと思われる大きなベッドが置かれていた。

 
 「?」

 ベッドの端に、真斗が腰掛けていた。
 春歌は自分の目を疑った。
 なぜ、どうして、真斗がここにいるのか。皆目見当もつかない難題に、春歌は思考がこんがらがった。真斗の方も、何やら信じられないというような顔をしている。

 「一十木・・・。」

 「お待たせ~。」

 おどけた調子で音也が真斗に手を上げて見せる。

 「ほら、七海を連れて来たよ。信じてくれた? レストランありがとね~、すんごい美味しかったよ! 流石大財閥の御曹司、VIP待遇がスゴイんだもん! ねえ、七海も美味しかったよね、ね? マサにちゃんとお礼言ってよ。 」

 「ハル、お前・・・いや一十木、その・・・。」

 「わかってるって。もうっ、待ちなよ。さ、七海おいで。」

 「ちょっ、ちょっと待って!」

 手を伸ばした音也から退き、春歌はあまりに状況の掴めない不安で、怒鳴る様に捲し立てた。

 「何なの? 一体これはどういう・・・真斗くん、どうしてこんなトコロに? それに私、ホテルになんか泊まらない、帰るの、ねえ音也くん、帰して! どういうことなの!?」

 一気にまくしたてる春歌を軽く見降ろし、音也はぼふっと勢い良くリネンを弾ませベッドに座った。そして反対側に座っている真斗をちらと見る。

 「マサも、ずっと七海の事が好きだったんだよね。ね、マサ?」

 「一十木・・・! ハ、ハル、その、これは・・・!」

 おどおどと。後ろめたい事でもあるような態度で、真斗は歯切れの悪い対応をするばかりだ。

 「もー。ここまで来て何グズついてんのさマサ! 」

 少し荒げた声を真斗に投げ付けた後、音也は春歌に向き直って笑った。

 「あのね七海。う~んと簡単に言うと、俺ね、マサが七海のコト好きなの知ってたんだよ。だからね、マサが君を抱きたいだろうと思って、お膳立てしてあげるって言ったんだ。そしたらマサが乗って来たワケ。ま、当然だよね。マサずっと君の事好きだったんだもん。俺の気持ちにも気づいてなかった君だから、マサの気持ちも知らなかったろうけどね。」

 「一十木、俺はっ。」

 焦った様子で真斗が音也の言葉を遮る。傍らの春歌が気になって仕方が無いが、一歩踏み出しかねている。そんな様子だ。戸惑っている、そんな状況が見て取れる。
 
 真斗と春歌を交互に見比べ、音也はだるそうに背伸びをしながら話続ける。

 「マサ、いいの? 欲しいものが手に入るチャンスだよ。これを逃したら、2度と七海はマサの手に入らない。」

 そこまで言って、言葉も出ないほど驚き切っている春歌に手を伸ばし抱き抱え、ベッドに乗せる。

 「あっ、ヤメっ・・・!」
 
 咄嗟に振り払おうとした春歌の体を押さえ込み、音也が制する。

 「七海。マサに、俺に言った時とおんなじように、裸になっておねだりしてあげて。」

 真斗が驚く。春歌は、呼吸が止まった。

 「言わなきゃどうなるか・・・あれ、ばらされたくなきゃ、さっさとしなよ。もういい加減に待ったは無しだ。」

 低い声に春歌の背筋が凍る。その凍ったすぐから、意味ありげな熱がぞわぞわと全身に張られていくような奇妙な感覚も同時に彼女を包んだ。

 まただ。

 これは、さっきパウダールームで感じた妙な感覚だ。掴み所のない熱が、さっきよりも確実に自分の中を這い廻り始める。
 
 強要と異変に泣きそうな顔をする春歌を見て、真斗は思わず立ちあがり、音也を睨みつけた。
 
 「一十木、まさか、ハルを脅迫しているのか・・・? そうか、それでこんなホテルでも、ハルを連れて来るのは簡単だと・・・!」

 真斗がぎゅっと拳を握る。

 「ハル・・・済まない。俺は、お前をずっと好きだったんだ。」

 ひゅう、と音也が口笛を吹く。

 「俺は、お前に気持ちを伝えるにも勇気が出せず、つい、一十木が、お前に告白する場を用意してくれるという誘いに・・・。ただ、お前に気持ちを知ってほしかっただけなんだ。こんな事とは知らず・・・。ここを選んだのは、人目につかないようにする為だ、それだけだ。それは、一十木がそう言った時、俺も納得したのだ。」

 「もー。どうでもイイじゃんそんな言い訳。」

 声に少し棘が出たが、相変わらずのんびりとした調子で、音也が茶々を入れる。

 「うるさい。俺は、自分の気持ちを告げたかっただけだ。ハルにそんな、そんな、事を言えなど・・・そんなバカげた真似をさせる気は全く無い! ハル、何を脅されてるか知らんが、こんな茶番に付き合う必要はない。帰ろう。」

 春歌を音也から引き剥がそうと、反対側の端へ歩いてきた真斗は、ベッドに座って春歌を抱えている音也を睨みつけた。

 「一体どういうことかと思ったが、お前だからと言うとおりに動いてみれば・・・! 何をネタに脅しているのか知らんが、何にせよ許される事ではないぞ! なんという卑劣なっ・・・ハル!!」

 真斗の目が見開かれる。
 音也の腕に抱きとめられたまま、春歌が自分から薄手のセーターを脱ぎ捨て、涙の浮いたような潤んだ目で自分を見上げたからだった。

 「ハル、よせっ! 俺はそんなつもりはないのだ! 一十木に何を脅されてるか知らんが、大丈夫だ、そんな奴の言う事を聞く必要はない!」

 目を背けながら真斗が叫ぶ。虚ろな仕草でブラを外し、スカートのホックを外した春歌を、音也が面白そうに眺めている。

 「やっとお利口になったじゃん七海。そうそう、それでイイんだよ。俺の機嫌を損ねない方が賢いよ。さ、マサ、強情張らずに、ほら見てあげなよ~。見たいんでしょ。七海、意外と胸おっきいんだよ!」

 真斗は固まったまま動かなかった。
 
 音也の言葉通り、確かに学園時代から春歌に恋焦がれていた。
 
 昨日仕事場で偶然会った音也に、自分の思いを叶えたくないかと突然持ちかけられた時は、心底驚いた。
 秘めたつもりの自分の思いがバレていたという気恥ずかしさ。それが正常な判断力を鈍らせたとはいえ、ほんの少し、期待をした。

 願いが叶うなら、賭けてみたかった。
 ずっと募る思いを温めていた相手。気持ちを伝えたくとも、恋愛禁止の校則・社則。そして、振られた時の傷を想像し踏み出せない自分。あの時、それら全てを無視したくなる衝動にかられたのは何故だったのだろう。
 
 不透明な部分が多すぎると思いながらも音也の指示をそのまま受けたのは、それだけ春歌を好きだったからだが、それだけだったのか。今は解らない。

 勿論、大前提として至極真っ当なやり方だと思っていた。
 訳がわからないと思いつつも、まさか音也が春歌を脅迫しているなど、夢にも思わなかったのだ。

 「一十木、俺はっ・・・俺は、こんな卑怯なやり方で、しかも彼女の体を手に入れたい訳じゃない! 俺が欲しいのは彼女の心だ! こんな、こんな外道な真似・・・!」

 「七海、今日教えたでしょ。あれ、マサにしてあげて。早く、今すぐするんだよ。」

 「!?」

 ゆらりと動いた春歌が、豊かな胸を晒して目の前に立ったその光景に、真斗は例えようのない衝撃を受けていた。
 初めて見る愛する女の乳房に目が釘付けになる。先程ホックが外されたスカートも既に春歌の体にはなく、白いショーツだけが彼女の体を覆うたった1枚になっていた。

 恋焦がれた女の裸体で頭に血が上る。ぐらぐらに揺れていても、理性と正義感が、彼の底を支えていた。
 だがそれは、真斗の前に膝をつき、そっと彼の股間に白い指を這わせた春歌によって、脆く崩れる音がした。

 「なっ・・・・!」

 気付いた時には、真斗は後ろから音也に腕を縫いとめられていた。

 「離せ!」

 「だーめ。今から七海がイイコトしてくれるから。ってなんだよ、もうびんびんじゃん。あはは、七海のおっぱい、そんなに刺激強かった? 」

 「うぁっ・・・!」

 真斗が音也に気を取られている間に、春歌は真斗の猛り切ったモノを取り出していた。狼狽する彼のその先端に、春歌がそっと舌を這わし、細い指で根元をきゅっと握り、上下に擦った。

 「あ、あ・・・よせっ、ハル・・う、あっ!」

 竿の途中までをすっぽりと口に含まれ、真斗は呻いた。あまりの気持ちよさに、体の力が抜ける。音也がそれに気付き、にやにやしながら真斗に囁きかける。

 「マサ、ガマンしない方がいいよ? ずっと七海が欲しかったんだろ? 夢が叶うよ。」

 「うるさいっ・・・俺は、こんなこと・・・!」

 「望んでないって? どの口がそういうコト言うわけ? いっくら俺に言われたからって、告白するだけでしたーってホテルの部屋取っといて? ・・・・ありえないでしょ。」

 音也の、詰問するような最後の一言に、真斗の心が揺れた。

 「ホテルリザーブしておいて何もする気は無かったーなんて、通ると思ってるの。マサ、素直になりなよ。イイ子でいるのも時と場合に寄るんじゃない? 七海の体すっげー気持ちいいから。俺が、保証しちゃうよ。」

 「一十木、まさか・・・。」

 「ふふん、俺もね、七海のこと大好きだったからさ、どうしても欲しかったんだ。だから、ヤっちゃった。あ、でもねでもね、七海ってばビショビショに濡らしてすっごい気持ちよさそうにアンアン言ってくれてさぁ。ね~七海?」

 「んんっ、うん、気持ち、良かった・・・。」

 「ハル・・・!」

 真斗がたじろぐ。
 春歌が真斗の性器を舐めながら、上目遣いで甘い吐息を洩らしたからだ。
 とろんと潤んだ目に見つめられ、自分の性器に絡む赤い唇と、ざらつく舌の淫靡な様に喰われ、真斗の正常な思考能力が急速に劣化する。

 
 春歌は、自分の体が少しおかしいと思ったのも束の間、今や真斗に口淫することに夢中になっていった。どこにも触れられていないのに、とろとろと蜜が溢れてくる。それが余計に体の中心を煽る。
 何故だか判らない。体がかっかと勝手に神経温度を上げ、目の前の真斗の逞しい隆起が欲しくて、愛しくて堪らない。

 無我夢中で真斗にむしゃぶりつく春歌を見て、音也が笑う。

 「あ、やっとクスリ効いてきたのかな。もう効かないかと思ったよ~。部屋に入った時点ですっかりクスリの廻った七海が、マサの上で腰を振る姿を堪能する予定だったのになあ。」

 「・・クスリ・・・? 一十木、ハルになんてことを・・あっ。よせ、ハル・・・ダメ、だ・・・う。」

 「まぁいっか。美味しそうにマサのしゃぶってる七海も、すっごいエロくてイイね。」

 不透明だった事由が少しずつ透明になり、音也を許せないと怒りすら覚えながら、真斗は春歌を振り切ることが出来なかった。
 
 そんな余裕はとうになかった。
 
 どうして自分はあの時音也に頷いてしまったのか。
 どうしてこんな事になっているのか。
 春歌は一体何を根拠に音也に脅され、こんな目に遭わされているのか。

 音也に両肩を抑えつけられたまま、腰が砕けるような強烈な快感に、全ての疑問が思考から抜け落ちて行く。あっという間に真斗は堕ち、春歌の口内に勢い良く射精してしまった。

 「ぅあ・・・はあっ・・・っ・・。はあ・・。」

 「え、もう出ちゃったの? 早すぎるよ~。七海、マサのザーメン美味しい? 口開けてみな・・・うわ~マサ、溜まってたんだねえ。」

 ぐいっと親指で春歌の口をこじ開けた音也は、それにすら快感の吐息を洩らした春歌に、薬の効果が出ていると確信した。
 
 「口に出してもらったら、ちゃんと全部飲むんだよ。・・・ふふっ、そうそう、可愛いねえ。イイ子だ。よしよし。」

 焦点の合わない目で口の中の粘液を嚥下する春歌の頭を撫でる音也は、本当に嬉しそうだった。

 呆然として、よろよろとベッドに座り込んだ真斗は、そんな光景を奇怪な絵巻物のように感じていた。

 後悔。懺悔。自己嫌悪。汚らしいものが次々と心を塗り潰していく。
 
 同時に、もっともっと気持ち良くなりたい。今なら惚れた女が手に入る。このまま春歌を犯し、春歌をもっと自分の好き勝手にしたい。断ち切りたいどす黒い欲望が、叫び出したい程に沸き起こる。

 「さ、朝までじっくり楽しもうよ、3人でさ。どんなことしよっか。ねえ、マサ?」

 楽しんでいるのか蔑んでいるのか判断のつかない音也の声が響く。

 「こら七海、ぼんやりしてちゃダメだろ。マサの、舐めてキレイにしてあげなきゃ。」

 音也に指示され、荒く甘さを孕んだ息遣いで自分に近づいてきた春歌を、真斗は拒めなかった。

 音也が嗤う。

 「パーティは、これからだよ。」






                   To Be Continued・・・・・・・










 

 

 
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No title

いやぁ・・・・ココまで読んで、音也に感じた私のイメージそのもの
そのものすぎて驚いたwww

音也の屈託のない笑顔の裏側ってこんな感じだろうな~って妙に納得ですww

で、真斗・・・
我慢もいいけどねwww
ここからどうなるかなぁ??
真斗も真摯なふりして結構サラッとエロいからなぁwww
みるくサンの手腕に期待しますwww

No title

もースゴイ!
音也の腹黒さに脱帽(´∀`)

真斗も入れてかあ~ゾクゾクするなあww

物凄く面白いです♪
みるくあずきさんありがとうございます!
求めてたのはコレよ!ww

ドキドキドキ・・・

メインブログにコメントデビューさせていただいた勢いで、思い切って別室にもお邪魔しました。

1話から一気読み・・・でもうドキドキです!

始まりはともかく、蘭丸先輩とのホノボノLOVE(と言っていいのか・・)を
楽しんでいたところに、まさかの音也!!

いえ、まさかと言いましたが、いざこんな風に描かれてみると、
この役どころは音也しかないと思えてきました。

どこまでも明るくて、屈託のない笑顔の奥には、
ひとつ間違えば暴走する狂気が隠されている・・・。
セオリーといえばセオリーですよね!!
全く予想もできてなかったですが・・・。

でも、それをこうして物語へと昇華させてしまうのは
やっぱりみるくあずきさんの天賦の才能!!!!
すごいですホント!!うらやましいです!!

あぁもう、こんな深夜に心臓バクバクしてる私、バカじゃないだろか?
明日も仕事なのに、やばいです・・。
続きが読みたくて読みたくて!!
次回を激しく期待してお待ちしています!!

ところで・・私今、うたプリデビュウで真斗さま攻略中なんですが・・・
ダメだもう、脳内にはあんなことしてる(されてる?)真斗くんの姿が
自動再生されてしまって・・・・
続きどうしよう・・・・(><)

ktkr!

マサ!wwwwww
食べられちゃった!wwwwww

みるく姐さんがどうやってマサを汚してくれるか楽しみですwwwwww

これから!これから魅惑の3Pですね!

ハルちゃんは二人のザーメンまみれになるわけですね!!wwwwww

きゃふー!wwwwww

マサ!!!

オトヤめwwww

オトヤのくせに何美味しい役回りをしてくれてるんだ!

真斗様がこれからどんなに崩壊してくれるか楽しみw
もう・・・スカートめくりで満足してた頃の俺じゃないぜ?

kamochanさん

音也、こんなに黒くてどうしようかと思っているのは私の方だったりしてww

そのものすぎるのですか!
具体化してるワケですね、私がww
でも、ああいう混じりけの無さそうなヤツほど、怖いですよね~。

ええ、私、最後まで迷ってたんですよ・・・聖川さま絡めるか、別のキャラか。
散々迷いましたが、真っ黒でもイイって皆様がおっしゃって下さったので、聖川様を・・・。

ああ、私、人としてオワタ。オモタwww

それでも期待に添えるようガンバリマス。

とけいのはりさん

こっちにコメ下さってありがとうございます。
> もースゴイ!
> 音也の腹黒さに脱帽(´∀`)

ええ、私も、こんなど真っ黒でいいんかいな・・・って怯えていますww


> 物凄く面白いです♪
> みるくあずきさんありがとうございます!
> 求めてたのはコレよ!ww

そっ、そうですかっ・・・! (涙)
そんなコト言って貰えると、感激の涙が・・・ぐすっ。
エロいことしか描いてないのに、面白いってたって、エロしか無いのにwww

とゆうか、求めてたのがこの黒さなんですか!
とけいのはりさん、ハートがタフでいらっしゃるんだからwww
それでこそ、ありがたいで御座います。

らびさん

コチラにも来て頂いて・・・有難うゴザイマスというか、
申し訳御座いませんというか・・・スイマセンww

音也のこの黒さ、意外と皆様が気に入って下さってるようでほっとしています。
皆音也に愛が無いのか、逆か、そこんとこ興味ありますww

ええと、才能は有りませんが、エロい事を考える能力はあります。←
ですので、次のサンピイでしょう、間違いないでしょう。の5話は、張り切って書きます。
ここまで、エロイというよか、黒いという感じが強かったと思ってるので・・・。

> 次回を激しく期待してお待ちしています!!

なんて嬉しいお言葉・・・がんばります。
多分、ちびっと仕事が込んで来たので、ちょっと間が開くと思いますけど。
コッチは日刊ではなくて気ままに綴ろうと思ってますので。


> ところで・・私今、うたプリデビュウで真斗さま攻略中なんですが・・・

おおう!
私、最近モストフォルテシモを聴くと、デビュウでの辛さを思い出して涙が・・・!
素敵な聖川さまを、どうぞ堪能して下さい!

もちこさん

> みるく姐さんがどうやってマサを汚してくれるか楽しみですwwwwww

いやもう、マジ私終わってるわwww
大好きだから汚せません とか、どの口で言ってたんだと言われても反論できないww
愛する聖川さまをこんな風にするなんて、私、人としてオワタwwww

>これから!これから魅惑の3Pですね!ハルちゃんは二人のザーメンまみれになるわけですね!!wwwwww

ドロドロにするつもりで御座います。
どん引かれてもイイやって位、ドロドロなエロで6話は行きたいと思います。

あ、バナー設置有難う御座いました!
てゆうか。

エロで尊敬!?
エロで!? もう、私どんななのかっていうwwwwww

雫さん

> オトヤめwwww

音也め。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww

まさにwwwwwwwwwwwwwwwww

この真黒ブリ。
いや書いてるの私だって言うwww どこまで私の頭の中黒いのっていうww

スカート捲ってほしいわ聖川さまww

次回、とうとうマジでどん引きかな皆・・・と思いながら、少しずつ推敲に励みます。

こんにちは♪

やっとRepeatの音也クリアしたので、
最初から一気に読ませていただきました(〃∇〃)
こ…これは…
アリ!!あり得ますよねw
確かにあのお日様のような彼だからこそ、こういう狂気というか…
この黒さは紙一重でありそうだと思えるのかも…

ゲームで蘭丸先輩にまだ出会えてないので、
なぜかお声が龍也さんのお声で再生されてしまった私の脳内////

聖川様が、やっぱり聖川様らしすぎて、何だかホッとしました←えwww
早くRepeatを進めて、安心して?こちらにお邪魔できるよう
がんばります(笑)

Re: こんにちは♪

オハヨウゴザイマス!

昨晩は楽しんで頂けましたでしょうか。
ホストの夢ちゃんも頑張ってくれてましたので、是非夢ちゃんに賛辞をお願い致します。

こちらはね・・・こちらは・・wwwww

もう、申し訳ない、ほんとwww この黒さ、どうなんだっていうwwwww

蘭丸、早くたっつんボイスで脳内再生して~!!
リュウヤ先生は最高にイイけど、やっぱ蘭丸はたっつんだから! りゅーや先生はイイ! 間違いない!
でも蘭丸はたっつんよ!!

PSPにも触れない多忙が続いている為、続きに多少お時間を頂いております。
盆までには完璧に推敲してあげるつもりですので楽しみに(? 楽しみか?) お待ちの間にリピイト進めて下さい!
プロフィール

みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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