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Russian roulette 4

 


Russian roulette
      Vol.4
 




 

 
 着信ランプの光る携帯電話は、テーブルに放り出されていた。

 昨日の出来事を自分の中で消化できず、ろくに眠れなかった春歌を悩ませる着信だった。
 急いで仕上げなければならないデモ曲の出来は散々だった。仕方なく、ストックから数曲用意した。


 夜、音也からの電話にどうしても出る事が出来なかった。
 何を口走るか自信が無かった。逢いたいと言われたら、どう断っていいのか思いつかなかった。

 胸や首辺りに幾つもある赤い跡を、どうやって隠すか。春歌の頭には今それしかない。
 なのにさっきまた音也から電話があって、とうとう春歌は電話をリビングのテーブルに置いたままにして、寝室に逃げ込んだ。

 そんな事が何の解決にもならないのは判っていても、まず逃げたかった。
 どうしていいか判らなかった。頭の中で、昨日の嶺二の言葉が反響する。

 「僕とは、おとやんを気にせずに逢えばいいよ。」

 それは裏返せば、音也とも嶺二など気にせずに逢えばいいという意味だろう。
 しかしだとすれば、彼はなんと卑怯なのだろう。こうして、音也には逢えないように、クッキリと残る自分との逢瀬を春歌の体に刻んでいるのだ。

 

 打ち合わせは夕方からで、それまでにはまだ時間があった。
 あの番組のメイン司会者を務める嶺二と、また顔を合わせなければならない。それも不安で仕方がなかった。
 
 泣きそうな神経を抑え込んで考えを巡らせ、今日の打ち合わせで嶺二の隣に座らないようにと。胸の跡が消えるまで音也に逢わないようにしようと思った。
 打ち合わせはそれなりの数の人間が居る。隣にさえ座らなければ何かをされないだろうし、話しかけられる事も無いだろうと想像した。終了後も、兎に角出口まで急ごうと考えた。誰かと、学園時代に共に学んだトキヤも出演者として打ち合わせには参加するだろうから、彼にでも頼んで寮まで送ってもらおうと考えた。

 時間は迫り、のろのろとベッドから起き上がった春歌は、仕方なく服を着替えて仕事に向かった。
 シャツがいいという林檎のアドバイスに逆らわず、どうしても第一ボタンから覗く首元を隠すのにはスカーフを巻いた。

 それが逆に大人っぽく見える気がして、些細な救いに多少気が楽になる。
 そんな春歌を待っていたのは、予想だにしなかった大胆不敵な嶺二の振る舞いだった。

 


 


 
 
 ゆるゆると動かされていたものを一気に最奥まで押し込められ、春歌は一際大きな声をあげた。
 悲鳴に近い声は意思と裏腹にどこか甘くて、それを自覚して余計に悲しさで脚が震える。

 「なんだかんだ言って、すんなり呑み込んじゃったじゃない。えらい、えらい。いい子だなー。」

 からかうような声で言う嶺二が、春歌の耳朶から首筋をとろりと舐める。
 
 


 寮の入り口で嶺二に捕まった春歌は、強引に車に押し込まれここまで連れて来られた。打ち合わせ先のビルの駐車場は地下で暗くて、人もあまり頻繁には通って無い。彼は更にその中でも奥の端に車を止めた。

 ずっと運転席と反対側の窓の外を見ていた春歌の髪を、彼が撫でた。

 「昨日のコト、怒ってるの~?」

 春歌を攫うように車に連れ込んでココへ来るまでにも、彼は同じ事を聞いてきた。その時も今も、春歌は返事をしなかった。だがそれ以上深く追求もせず、何よりも嶺二の調子はいつも通りだった。

 溜息で笑うようにした嶺二が、残された跡を隠す首元のスカーフを取り上げる。

 「返して下さい!」
 
 抵抗しても無駄に終わり、泣きそうな声で春歌は嶺二に掴みかかった。

 「あれ。やっぱりコレ、隠す為に巻いてたんだ。うわーおにーさん悲しいなあ。折角僕の愛の証なのにそんな、悪い事してるみたいに隠しちゃって。」

 何を言い出すのかと、春歌は身を固くした。
 悪い事みたいではなく、悪い事だ。自分は音也の彼女なのに、別の男にこんな目に遭わされたのだ。しかもそれを晒せる道理が無いのに、まるで触られた事を隠すコチラを悪者扱いだ。

 ムっとして、強い調子で言い返す。

 「隠すに、決まってるじゃないですか! 早く返して下さい。寿先輩だって、こんな、同じ事務所の私がこんなの、隠しもせずに打ち合わせに出てるなんて、困ると思います。返して下さい!」

 「ありゃ、後輩ちゃん怒るコトが出来るんだ。」

 ところが嶺二は少し目を丸くして驚いて見せるだけだ。見せているだけで、実際は口ほど驚いているのではないだろう。面白そうに笑う口許はそのままだ。

 「こんな風にされたら誰だって怒ります。早く返して下さい。もうすぐ時間です!」

 「そうだね。もうあんまり時間無いんだよ。仕事で遅刻はマズい。じゃーすぐに選んで。このまま車を降りるか、それともスカーフを返してあげる代わりに、これ。」

 嶺二がダッシュボードから取り出した物を見て、春歌は目を見張った。
 それを見た彼が軽く吹き出す。

 「流石。おとやんとヤリまくってるらしい君は、コレが何か判るんだねえ。話が早くて助かるよ。コレを君の中に入れたまま打ち合わせを受けるなら、スカーフは返してあげる。さ、時間が無いよ、すぐ決めて。」

 冗談を。と、喉まで出掛かった言葉を春歌は飲み込んだ。
 
 明らかな愚問は口にするのが憚られた。言った自分が情けなくなるだけだと、彼の目が嗤っている。

 兎にも角にも、何もかもが判らない。ある日突然、彼はこうなったように思う。いや、ある日突然と言うほど、嶺二と頻繁に逢っていた訳ではない。カルテットナイトの曲を手掛ける為に頻繁に逢っていたのはもうひと月以上前で、その仕事が終わってからは、ろくに逢った事はない。

 なのに何故、自分は昨日突然襲われて、挙句今日、目の前に所謂大人の玩具を差し出されるような目に遭っている? 判らない。大体、彼がどうして?

 優しい先輩。
 
 その偶像がガラガラと崩れる音が反響するのを自分の中で聞きながら混乱する春歌をニッコリと引き寄せ、嶺二がスカートの中に手を入れた。前触れ無くショーツの上から敏感な部分を強く撫でられ、春歌がハっと我に返る。

 「時間切れ。すぐに決めなかったから、僕がいい方に決定。」

 「やめ、て・・・いやぁ・・・っ!」

 「最初はちょっと痛いかもね。でも慣らしてる時間無いから、そのうち良くなるのを期待してて。」

 つぷりと、先端が押し込まれたと同時に、ぬるりとそれが中へ滑り込んできた。

 「あ、あ、ああ・・・!」

 「あは。君、コレ見た瞬間に期待しちゃったんじゃない? 問題無く入ってくよ。やらしー。」

 「ち、が・・んっ!」

 何度か中でゆるゆるとソレを動かしながら、嶺二はその間に春歌の唇を舐め、舌を吸い上げる。その気持ち良さに自然と力が抜けて膝を割るように拡げてしまった事にキスの途中で気付いた春歌は、慌てて脚を閉じた。

 (イヤだ私・・感じてるって思われたらイヤ・・・!)

 そんな彼女に気付いてるのか、一気にそれを奥まで突っ込み、喘ぐ春歌を見て嶺二は満足そうにしている。

 「なんだかんだ言って、すんなり呑み込んじゃったじゃない。えらい、えらい。いい子だな~。」

 

 少しの間春歌を弄ぶと、彼はスカーフを首に巻き直してくれた。

 「約束通り、ちゃんとこれを中に入れたからね。スカーフは返してあげる。さあ、お仕事だよ後輩ちゃん。くれぐれもそれ、落さないようにね。・・・まあ落としたら落としたで、それはまた面白いのかもしんないけどさ。」

 軽い調子で意地悪く笑った嶺二は、車を降りてドアを閉めると仕事の顔になった。
 
 そのまま助手席側に回り、ドアを開けて春歌の手を取ったその瞬間だけ、さっきと同じ冷えた微笑みを浮かべる。その変化が春歌には恐ろしく感じられ、為す術なく彼の手を借り車から降りた。

 そのまま嶺二の隣に並んで歩くように促された春歌は、中に埋め込まれた張型が歩く度に内壁をごりっと凶暴になぞる悪寒に耐えながら、打ち合わせ会場へ向かった。



 

 

 「では以上で・・・。」

 嶺二の隣で俯いていた春歌は、取り纏め役の男性の言葉にほうっと息を吐いた。
 やっと解放される。早くこの会場から出て、自分の中に強烈な存在感を植え付けているこれを取り出したかった。

 ざわざわと人が移動する中、ドアを出たところで、嶺二が当たり前のように 「送って行くよ」 と声を掛けた。すぐ傍から、打ち合わせに同席していたトキヤも、「お疲れ様」 と声を掛けてきた。

 「あ、一ノ瀬さん、お疲れ様です。あの、わ、私、お手洗いに用がありますので、失礼します。」
 
 早口でぺこりとトキヤに頭を下げ、さっさと歩き出した春歌の足を止めさせたのは、後ろから 「え~待ってるからいいよ~。」と呑気に答える嶺二では無かった。

 帰る人の動きに逆らうように、出入り口の傍で、音也が待っていたからだ。
 
 「どうして・・・。」

 茫然と立ち尽くす春歌を前に、困ったような顔をした彼が口を開いた。

 「ごめん、終わったんだよね、打ち合わせ。」

 「おとやくん・・・。」

 目の前に音也が立っている。自分の仕事が終わるのを待ってくれていた。
 普段だったら嬉しいその彼の行動は、今の春歌の身を竦ませた。

 「あのさ、俺、電話したんだけど・・・気付かなかったかな。曲、ギリギリまで仕上げてたの?」

 明らかに笑顔の引き攣る音也に、春歌の胸がずきりと痛む。
 
 「打ち合わせ、もう終わったんだよね。俺も、さっき撮影終わったんだ。だから、一緒に帰ろうかと・・・。」

 「おとやーん、今日は何の仕事してたのー? はい、お疲れさまのコーヒー。」

 いつの間にか真隣に来ていた嶺二が、音也に缶コーヒーを差し出す。
 打ち合わせで出席者に配られたモノで、春歌も口をつけずにバッグに仕舞って持ってきていた。

 「あ、ありがと・・・。」

 不意の事に、音也もすんなりとそれを受け取る。

 「久しぶりですね。あなたは今日、新しいドラマの撮影が開始したんではありませんでしたか? どうだったんです?」

 「あ、トキヤ・・・ああ、うん、まあ結構いい感じだよ。」
 
 
 春歌に気を取られながらも、トキヤの問いかけに応じる音也を見ながら春歌は焦っていた。

 どうしよう、一緒には帰れない。何か理由を。そう頭の中でぐるぐると考えを巡らせ始めた次の瞬間、思いも寄らない事に身を凍らせた。

 
 「後輩ちゃん、今日は可愛いスカーフしてるねー。こうゆう巻き方、ちょっと大人っぽくていい感じ。」

 嶺二の指が、すぐ隣から春歌の首元のスカーフを摘んだのだ。
 その指はしなやかで、自分を今こんな風に苦しめている指には見えない。
 
 冷や汗が垂れた気がした。
 嫌でも、自分の股間にみっちりと埋まる異物を強く意識してしまう。動いてないのに中で違う場所が擦れた気がするのは、きっと自分が内股を刷り合わせてしまったからだと思う。そしてそれがまた恥ずかしくて、今すぐこの場から逃げ出したくなる。

 「音也くん、ごめんなさい。今日は、これから、あの、寿先輩と細かい相談をしないと、いけなくて・・・。」

 パニックになった春歌には、うまい言い訳など思いつく筈も無かった。

 苦し紛れの嘘で音也の顔が見れない。
 本当は嶺二と共に打ち合わせを延長するつもりなど毛頭無い。それでもスカーフを意味有り気に触る彼の指が、そう言わないとどんな動きをするのかが怖い。

 床と音也の胸部の中間くらいに目線を遣りながら、必死で声を絞り出した春歌に返答をした音也の声は、明らかな落胆を含んだ声だった。

 「え、嶺ちゃんと・・・?」

 目を合わせないようにしている為、音也の表情は見えない。だが、彼の声が疑念だとか不安だとか、その類の色を見せて、春歌はずきずきと身を切る罪悪感に押し潰されそうになっていた。

 「ごめんなさい、あの、大丈夫です。事務所で、日向先生が、まだお仕事してる筈ですから、そこで・・・。」

 未だ嶺二の指は首のスカーフから離れない。
 楽しそうにスカーフを触る嶺二は、春歌が音也に何を言うのか期待しているようだった。

 「あのさ。」

 音也が言う。

 「ちょっとこっち、来て。」

 「え、あ!」

 嶺二を押し退けるように春歌の腕を掴んだ音也が、そのまま春歌を引き摺って歩き出そうとする。

 「ちょーっとおとやんタンマ! 後輩ちゃんはまだ仕事があるんだけどー? ボ・ク・と、一緒の打ち合わせ~!」

 春歌を連れて行こうとした音也を止めた嶺二の声はとても楽しそうだった。
 春歌は絶対に音也に知られたくない下着の奥を気にして動けない。気を抜いたらずるりと抜け落ちそうで、恐ろしくて早くこの場から逃げたかった。

 まさか音也は、能天気にスカーフを指で弄ぶ嶺二が自分をこんな目に遭わせているなどと思いもしないだろう。知られたくないのに、助けて貰えない事実があまりに哀しかった。

 「お願い、仕事なんです。音也くんごめんなさい、もう、行きます。」

 その春歌の言葉に、音也が信じられないといった顔をした。
 今にも知られたくないものが抜け落ちそうで気が気でない春歌を、じっと見詰めてくる。

 「俺がこないだ言った事、聞いて無かったの。」

 「違います、だから、事務所だから二人きりじゃないんです。」

 他の人間も居るこの場所で、あまり大きな声では話せない。
 怒鳴りはしないだけで、音也の声は明らかに怒りと苛立ちで棘々しかった。声とは逆に目には不安が浮かんで居て、その視線が辛かった。

 「なんで・・・俺、そういうのが・・・」

 感情の揺れを見せた音也がそう言った時、直感的に、今すぐこの場を離れなければ結末は最悪だと春歌は予感した。
 
 音也は一つの事が頭を占めたら何をするか判らない。ここで今、嶺二の腕を無理矢理引き剥がして自分を連れ帰る可能性は少なく無い。それこそ力づくで帰ろうとしてそれに着いて行くとなったら、嶺二の指はその瞬間にこのスカーフを引っ張って解くだろう。

 今の自分の体の赤い跡も、情けなく埋め込まれたモノも、何があっても音也にバレたくない。今すぐここから逃げないと、万が一音也の目の前でこのスカーフを取られたら終わりだと思った。それに、自分を連れ帰る為に音也に乱暴に体を引っ張られたりしたら、埋め込まれたモノが動きで抜けるかもしれない。そんな辱めは耐えられない。

 「ごめんなさい。2人きりじゃないから、信じて下さい。寿先輩もお忙しいのにお時間取ってくれてるので、もう行きます。ごめんなさい。・・・寿先輩、早く行きましょう、すぐに。早く終わらせないと。」

 顔を背けてそう告げた春歌は、音也にくるりと背を向けた。
 そして、目を眇めて確かに口許で笑った嶺二を急かして、足早に駐車場へと歩き出した。
 

 




               To Be Continued・・・








       次回第5話は、12月6日頃に掲載予定です
      






 

 

 
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にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

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感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
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鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
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只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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