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最愛

 
 本家ブログのアニバーサリーSSです。
 只今連載中の リトルバイリトル は、今週末辺りに最新話に更新します。
 黒い嶺ちゃんです。ちょっと病んでるかも。R18ではなく、R15くらいになってます。皆様これからもよろしく遊んで下さいね。という、感謝の気持ちを込めて、読んで下さっている皆様へ。なのにこんなんでスイマセンwww






最 愛



 「どーすんの~? コレ~? どうするつもり~?」

 泣きそうな春歌を前に、僕はUSBをぽーんと天井へ高く放り投げた。
 ぱすん、と手に落ちてきた小さなスティック状の記憶装置。指で挟んでくるんと廻す。

 「後1週間しか無いのだよ、後輩ちゃん。1週間は何日ですか?」

 「・・・7日、です。」

 「はい良く出来ましたぁ~ってね、・・・ソコがよく出来たってしょうがないの。何にも進まないの。君が、曲きちんと上げてくれないと、僕たちまとめて共倒れなの!」

 「私、間違いなくちゃんと、データは入れたんです・・・。」

 「だから、それは何度も聴いたよ。でも、実際問題入ってなかったんだから仕方ないでしょ。早くおんなじモノ作って、ソッコーで提出してよ。じゃないと、僕もトッキーもおとやんも、いつまで経ってもレコーディング出来ないでしょ。」

 「はい・・・今からすぐやりますので。」
 
 「出来るの?」

 「はい。曲は覚えていますから・・・。アレンジも、自分でしたので、本当に細かい部分だけは元と少し違ってしまうかもしれませんが、人には解らない程度だと・・・。」

 「ダメ。完璧に再現でよろしく。これは仕事だよ。」

 「・・・わかり、ました。」

 
 仕事上の失敗である以上、無理矢理な注文にも返事をするしかなくて、春歌は泣きそうになっていた。
 
 3人で曲を出す事になり、春歌が作曲する事になった。ほぼ出来上がって、詞もついていた。細かいアレンジだけリテイクが出ていて、それが終わって最終的な3人での掛け合わせを練習したら、レコーディングするだけだった曲。

 それをどうしてか、彼女は紛失してまったのだ。USBに確実に取り込んだ筈なのに、だ。
 なぜなら春歌は、データが取り込まれているかどうか、処理後きちんと確認したから間違いないのだそうだ。

 なのに、僕に渡したそのUSBに、データは何一つとして入っていなかった。

 と、僕に指摘され、そんな筈無いと大慌てで自分のPCで試した春歌は、自分のパソコンからもデータが消えている事に呆然として、頭が真っ白になってしまっていた。

 「ねえ、泣きそうな顔してる。泣いちゃう?」

 横から顔を覗き込む。笑いを堪えてるのがバレないように。
 彼女が、まさか、という表情を一瞬見せた。
 それでも、見当違いを口にした場合が怖くて、尋ねられないみたい。

 「ねぇねぇ、僕が、一瞬でデータをどっかから取り出してあげてもいいよん? 僕、魔法使いだからさ。出来るかもよ~? 春歌ちゃん次第・で・ね。」

 「!」

 僕の意地の悪い言葉を聴いた時の春歌は、ひどく絶望的に見えた。
 
 「やっぱり嶺二先輩が・・・! ひどい!」

 「なにが?」

 「データ、先輩が消したんですよね? どうして、どうしてこんなコトばっかり・・・!」

 「どうして?」
 
 ぴんっとUSBを弾き飛ばす。

 「拾いなよ。」

 僕の声が変わったのに気付いた春歌の体が強張る。
 諦めに似た感覚だろう。無言ででしゃがみ込み、床に落ちたUSBを拾った。

 拾った途端、彼女の体をそのまま床に組み伏せる。

 「・・・いやっ!」

 「うるさいなぁ。黙りなよ。可愛い啼き声をあげるのは歓迎するけど、僕を否定する言葉は許さない。」
 
 そう言い放つと、彼女の体が軽く固まる。

 「そんな反抗的な態度でいいの? 困るんじゃない? 君だけが困るんじゃなくて、トッキーも困っちゃうと思うけどねえ。自分の失敗を放置して、全然関係無い仕事仲間に迷惑掛けちゃうつもり~?」

 「先輩・・・一ノ瀬さんが一緒の仕事だから、こんなコトしたんですか・・・?」

 「何言ってるの。別にトッキーは関係ないけど? どうしてそんなコト言うワケ。そんなコトよりこういう場合、君はどうするべきなんだろうねえ・・・。」

 今度はからかうように、春歌の耳元で囁く。
 身を固くして涙を浮かべ、唇をきゅっと真横に結んでいる春歌を更に床に押し付けて言った。

 「僕、今日は気が短いような気がするんだよねん。君がつまんないコト言ったりするから。ふふん、どうしよっかな~。ストリップでもしてくれる。それとも、コッチにしよっか。」

 か弱い女の子の抵抗なんて、男の僕にはなんて事ない。嫌がる声も聞こえないフリ。

 あっという間に春歌の下半身を裸に剥くと、僕はそのまま剥ぎ取ったスカートとショーツを持ってリビングを出た。
 すぐ新しい衣類を取って戻って来ると、春歌が、裸にされた下半身を隠す物を探して座り込んだままオロオロしてる。可愛い。僕が居なくて困ってる春歌、とっても可愛い。もっと困ればいい。

 「これ着て行きな。」

 ぱさっと、微笑を浮かべて、春歌の膝の上にそれを掛ける。
 恥ずかしそうに手早くその布を手繰り寄せながら、彼女は僕に背を向けて、改めて手にした衣類を広げた。

 「え・・・。」

 「下着は無しね。学園のレコーディングルームにおとやんが居るから。これ渡して来てよ。服、丁度色合いが上下合ってるね、良かった良かった。おかしくないよ~良かったね~。」

 「こんなの、履けません。」

 仕事の資料をばさっと床にばら撒き、ソファに沈み込んで座ってゴロゴロと姿勢を変えながら笑う僕に、小さな声で春歌が訴えた。

 「な~んで。大丈夫だよ~ん、座らなきゃ、中まで見えないよ。立ってればギリギリ大丈夫。そのスカートさぁ、こないだ出たバラエティで使ったんだけど、収録後に間違えて持って帰ってきちゃってさ。その時はシマッタ! って思ったけど、スタイリストさんが、サンプル品だから要らないって言うからさ、ちゃんと君の為にとっておいたんだよ。ぼくちん優しいなぁ。デザインは結構可愛いでしょ。」

 春歌が大粒の涙を零し、しゃくりあげる。
 クッションを抱いてごろりと仰向けになっていた僕は、肘で体を支えて、クッションを押し付けた口元から話しかける。笑い出したい声音がごまかせて、これ便利。

 「あ~あ。泣いちゃった。そんなに恥ずかしいんだ~ミニスカート履くのが。平気でおとやんに愛想振り撒いて、無防備に胸の開いた服でくっついて打ち合わせできるクセに。」

 「ちが・・。私、愛想なんて振り撒いてたつもりは。」
 
 涙で言葉が続かない。
 泣いてる彼女、とっても可愛い。ほんと、何やっても可愛いんだ。もっとイジメタイ。

 「トッキーと3人でやるこの仕事決まってから、一緒にご飯食べたりしてるよね。こないだなんて、わざわざトッキーを呼び出して部屋で2人きりだったんだってね。何するつもりだったのさ。トッキーが君を好きなのなんて、解り切ってるのに何やってんの?」

 「あれは、どうしても一ノ瀬さんの時間が合わなくて、仕方なくて・・・だって一ノ瀬さん忙しいから、何とか時間を作らなくちゃならなかったんです。それに、一ノ瀬さんが私を好きだなんて、それは、嶺二先輩の・・・思い違い、です。」

 「ふぅ~ん。今度は口答えと来たか、先輩に。」

 一瞬ムッとして、僕はソファから滑り降り、春歌の顎を掴んだ。

 「やっぱりシャイニーさんの方針は一部間違ってると思うなあ・・・。アイドルじゃなくても、作曲家だろうが作詞家だろうが、ちゃんと先輩がついて躾しないとイケナイよね。先輩に口答えするような悪い子、ど~すんのさって話。それに。」
 
 僕は冷たい目で彼女を見降ろしたまま、話し続ける。

 「恋愛禁止を判ってて僕と付き合い始めたっていうのに、彼氏以外の男に愛想振り撒いたり、2人きりになるように部屋に誘ったり、どこまで男好きなの、君は。こんな子じゃ、恋愛禁止どころじゃないっての。」

 「違います。私は、嶺二先輩しか好きじゃな・・。」

 「うるさいな。」

 「っ!」

 顎を掴む手に力を入れられて、春歌は顔を顰めた。

 「早くおとやんのトコロに行きなよ。気をつけないと、下に何も履いてないってバレるよ。精々気を張って、隙を作らないようにする練習をしないと。これは、君のため。」

 彼女の乾いた唇をぺろりと舐める。
 こうやって、誰か違う男に逢っている時も、僕の存在を強く思わざるを得ない状況ばかりに身を置かせてあげる。そうすれば君は、そのうち本当に、僕の事しか考えられなくなるだろう?

 彼女と付き合える事になった時は、本当に嬉しかった。
 後輩のひよっ子どもとはいえ、並居る強力なライバルを出し抜いて何とか手に入れたと思ったら、中々どうして、学園生活を一緒に過ごした絆はなるほど、かなり深いらしい。

 何かというと、春歌に連絡をしてくる。やたらと理由をつけては、彼女と一緒に居ようとする。
 僕と春歌が付き合ってる事は、この業界・事務所に居る以上、絶対の秘密。だからアイツらが、僕の彼女だって知らなくて手を出そうとしているのはしょうがない。でも、呑気に誘いに応じてる春歌には本当に腹が立つ。

 友達? 仲間?
 それ、彼氏である僕以上に大事なモノなの? 教えてよ。そうだと言うなら、僕がそれに納得できる説明を理路整然とやってのけてよ。

 何度かは黙ってたよ。仕方ないよね。この業界、人付き合いは大事な武器だ。
 だけど、限度があると思うんだ。
 おとやんもトッキーも、どんなバカが見ても彼女に好意を持っている。女として意識してる。隙あらば手篭にしようって手を拱いている。どうしてそんな貞操の危機が解らないのか、見てて苛々するよ、彼女は。

 何度抱いても、何回キスをしても、不安でたまらない。
 君はすぐに誰かに浚われそうで、そしてそんな僕の心許無い脆いハートに、全く気付いてもいやしない。

 最近気付いたら、意地悪ばかりしてた。だけど、やめられない。
 僕のせいで泣いて、僕のせいで体を震わせて、だけどそれでも僕に着いて来てくれる君が見たい。泣かせた後で優しく抱き寄せると、ほっとした顔で僕に身を委ねる君が、愛しくて愛しくて。

 もっと苛めて、追いつめて、優しくして、また壊れるまで苛めてやりたい。そうやって僕だけのモノにしかなれなくなっちゃえばいい。僕だけに怯えて、僕の優しさだけにホッとして、僕の愛の天気だけが、彼女の毎日の指針になればいい。

 「お願です先輩・・・こんな短いスカートで外に出るのは、どうしても、お願いだから。」

 泣きながら僕の服をぎゅっと握って、必死で訴える可愛い春歌。
 彼女の数分後、数時間後の未来を僕が握ってる。嬉しくてたまんない。僕に媚るしか、今の彼女に術は無い。

 両手で頬を挟み込み、キスをする。
 深く深く。
 
 息が止って、彼女が僕の腕の中で事切れてしまってもイイと思いながら、激しく口づける。誰にもあげない。僕だけの可愛い恋人。スキだらけの君のその意識、全部、僕で埋めてあげる。

 キスをしながら指で胸をなぞると、彼女が少し身を捩る。だけど僕は躊躇わず、そのまま柔らかい胸を鷲掴みにして、撫で回す。

 ココで僕を否定する言葉を口にしたら、絶対この格好で外に出してやるんだ。僕を拒んだ事を後悔させる為に。

 「あ・・ん・・・。」

 甘い吐息を洩らし、僕の肩にしな垂れ込む春歌を、ぎゅっと抱きしめ、耳元で囁く。

 「今から僕の上に跨って、可愛く腰を振って踊れたら、許してあげるよ。」

 潤んだ瞳が見開かれた理由が、絶望なのか悦びなのかは判らない。まぁ別にそれは、どっちでもイイ。

 
 だってどっちを選んでも、どうせ行きつく先は僕の罠。必ず嵌まるように、たくさん仕掛けてあげるから。僕のすべてで。


 愛してる。君だけを。君を仕留める事だけを考えて生きている僕の愛は、最上級だよ。わかってほしい。愛しい君をぐちゃぐちゃに潰したその甘い汁を啜って満足したいんだ。僕の生きる糧。

 誰にも、あげない。


 

 

 
 
 
 
 
                        fin


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非公開コメント

No title

嶺ちゃんに惚れてるよ、みるくちゃん。

だって、かっこいいよ。
なんつうか、ズルくて黒いのに・・・
その気持、わかっちゃうんだよね~~~~

あのジャケ絵の嶺ちゃんを思い浮かべる。
普段のヘラヘラの嶺ちゃんじゃなくて(そうなんだけど)
ちょっと何かを腹にもって笑顔を浮かべる
怖い嶺ちゃんだわ。
怖いけど、惹かれる感じ!!!

雫ちゃん

>>嶺ちゃんに惚れてるよ、みるくちゃん。
 

ノ・・・・ノーコメントで・・・って、
熱愛激写から逃げる芸能人のような言い訳でスマンwww

てゆうかご訪問が早いんだけど!
なんでこんな早いんですか? いや、有り難いよ嬉しいよ。
サンキウだよ! でもビックリ!
告知前にご到着で、あれれ!? ってwww



> だって、かっこいいよ。

よっしゃ!!
かっこよかったなら、良かったよ~!!

なんか嶺ちゃんって、絶対黒いと言うか、
腹にイチモツもってるよね、彼は、笑顔の下で。
そこが好・・・

いいえ、そこが書き易いと思っています。ええ。書き易い。

No title

セリフのひとつひとつで森久保の声がこだまする・・・んですけど?

話し方が嶺ちゃんだし、いいヤツなのに裏でどよんとしてる黒さが感じる
・・・・嶺ちゃんが酷い人に感じないってのは、「愛」なんだよね?
筆者様の!

嶺ちゃんって笑顔の後ろの「本心」を覗いてみたいキャラなのですがね?
ちょぴっと見たような・・・それは「愛」のなせる技でしょうか??

かもちゃんへ

コッチのコメ返がどうも向こうより遅くなってしまっていつもスマソ・・・。
未だ使い勝手が慣れて無くて。

> セリフのひとつひとつで森久保の声がこだまする・・・んですけど?

森久保好きな人は、是非木魂して下さいましwwww
脳内再生でお楽しみくださいましよwww


> ・・・・嶺ちゃんが酷い人に感じないってのは、「愛」なんだよね?
> 筆者様の!


違 い ま す

それは、かもちゃんの嶺ちゃんへの愛です。
って言い切る自分に違和感を覚えて来たこの頃が怖いおww
ヤバイ。
そろそろ困って来た。
あくまでも、嶺ちゃんはただの嶺ちゃんで森久保じゃないしな!
もうそれでいくかな!!! 

でも胸につかえる敗北感がそれを阻害するのww 
プロフィール

みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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