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Amadeus 第4話



 



 Amadeus
 第4話










 「きゃあっ!」

 
 突然突き飛ばされたせいで、身体はそのまま後ろに倒れた。

 すぐ後ろはベッドだったので痛みはなかった。痛みはなかったが、突き飛ばされたという事実に恐怖心が湧き、平衡感覚が一瞬で失われたせいですぐには体勢を立て直す事が出来なかった。


 「出来ませんじゃねえよ。」

 驚きと怯えで竦む春歌を見下ろしたまま、蘭丸が低く呟いた。その声が怖くて、春歌の肩がびくりと揺れる。その揺れを大きな手でぐいっと掴んだ蘭丸が、春歌の顔に息がかかる距離でまた言う。

 
 「本当にヤったのかどうか、ちゃんと再現出来なきゃ信じられねえだろうが。ほら、さっさと真斗にヤラせたのと同じ恰好してみろよ。ちゃんとこうやってベッドに乗っからせてやっただろうが。それとも」


 ベッドに突き飛ばされたのはそういう意味なのかと、どうでもいい考えを巡らせてた春歌の髪を頭ごと持ち、蘭丸が、うつむき加減だった顔を自分に向かせる。


 「ベッドまで待てなかった真斗に床の上で犯されたか? あ?」


 「ま、真斗くんはそんな事は・・・」


 仰向けの身体には、蘭丸がどっかり乗っていた。足先は動かせるが、逃げ出す事は出来ない。


 「俺と違ってそんな真似はしないって? だろうな。品行方正の真斗に、そんな度胸はねえよな。」


 吐き捨てるように言う様は、相変わらず春歌の心を混乱させた。蘭丸が自分をどうしたいのかが判らない。脅迫よりも恐ろしい空気を纏いながら真斗と寝ろと言った割には、実際言う通りにしたと震えながら報告した春歌を突き飛ばして、明らかに苛立っている。



 「アイツは童貞だったろう。どうやって入れさせてやったんだよ。てめーが上に乗ってやったのか。」


 涙が浮いてくる。
 蘭丸の心が見えない。愛してる男の行動の根源が判らない。どうして。

 
 「あっ!」

 頬に流れて耳を濡らした涙が吹き飛ばされるような勢いで、蘭丸が突然春歌の服を乱暴にはぎ取る。


 「や、やめて下さい蘭丸さ、やめて、ダメ!」


 蘭丸は返事をしない。春歌はあっという間に半分裸だ。


 「やめ・・・やめてください・・・やめて・・・。」


 「早く脱げよ。着たままヤったのか? あぁ?」


 「・・・で、すか。」


 「あ?」


 小さく漏れた春歌の声に、蘭丸が動きを止めた。緩めた手が、普段の蘭丸に戻ったような気がして、春歌は思い切って声を振り絞った。


 「どうしてですか。どうして、どうして私が真斗くんとあんな事しないといけなかったんですか。私は、わた、しは・・・私は、蘭丸さんと付き合ってるんじゃなかったんですか。どうして・・・。」


 堰を切るとすぐに喉が震えて声が続かなくなった。
 涙が溢れすぎてまったく色が溶けあってしまった水の中と同様の視界の中で、蘭丸の姿がぶれた。


 「知らねえよ。」

 
 春歌がその言葉に目を動かし、雨粒だとしたら記録的な大きさの雫が一気に頬を滑り落ちる。


 「どうしてかなんて、俺が聞きてえ。」


 「どういう意味、」


 「黙れよ。」

 
 蘭丸の手が、春歌の顔をぐっと掴んだ。


 「言うコト聞かねえなら、勝手に確かめるだけだ。」


 そう言って、春歌をうつ伏せに引っ繰り返し、腰を引っ張った。

 
 「な、・・!」


 何をされるか察しをつけた春歌が、思わず逃げようと動いたのを、蘭丸が圧し掛かって阻止した。


 「やめ、まだ入らな、あ!」

  

  蘭丸は、春歌の抵抗に僅かな躊躇も見せなかった。
  大きな物を無理矢理捻じ込まれる自分の身体の入口で、めりっと音がしたような気がした。


 なのに。


 「あああ、あ、ああっ。」 

 
 零れる言葉はただの一音だけだ。
 
 痛いわけではないけれど明らかに苦痛を伴うその乱暴さに、拒否していた筈の身体も心も一瞬で、受け入れ慣れた侵入物を愛し始める。

 植え付けられた快楽の記憶が全身から芽吹き猛烈なスピードで頭を擡げ、何故だとかどうしてだとかいった迷いの言葉は頭から吹き飛ぶ。好きな男の匂いと熱と滾る血の塊。それだけに支配されて上り詰めてゆく。


 「気持ちいいのか、なあ。」

 

 突然、甘さのある低い声が耳を抜けた。
 
 抜けた音が脳に染みる。煙が絡みついて薫るように、物を考える器官が燻るかの如く犯され蕩け出す。愛してくれていると実感できる時と同じ、甘い声。さっきまでとは確実に違う声。そう思ったら、乱暴に挿入された酷さが一気にどうでもよくなった。

 好きな相手というだけで、こんなにも狂える。愛されてると感じられるとこんなにも気持ち良くなれる。セックスは。
 
 真斗としていた時にはそんな感触は全く得られなかった。

 蘭丸から命令されて仕方なく繋げた体は、それでも真斗にとっては感激の極みだったらしく、びっくりするほど短い時間で何もかも終わった。真斗は春歌を気遣って2度目に至る事はなかった。とにかく春歌と気持ちが通じた喜びに打ち震えていた。そんな真斗を見てじくじくと痛む良心を必死に宥める春歌に、余程快楽など訪れなかった。真斗といる間、ただただ義務感と絶望しかなかった白けた空気しか吸えなかった筈なのに、どんな疑いと不信を持っていようと、愛している相手とセックスをして相手の愛を感じられるというだけでこんなにも全身が震える。世界は自分達だけになって異常な熱を放つ。蘭丸の吐息が意識を満たしていく。


 「言えよ。俺と、真斗、どっちが気持ちいい、言えよ。」

 
 それは嫉妬だろうか。
 だとしたら嬉しい。あんな目に遭わされたというのに、彼が別の男を気にしているなんて嬉しい。


 「あ、あ、蘭丸さん、です、蘭丸さんがいい、蘭丸さんだけがいいです!」

 
 そう叫んだその声に反応して、満足そうな吐息が頬にかかった時、じゅわっと何かが背骨を地味になぞりながら満ちて、爆ぜた。



 「おい、イってんな。俺がまだだ。」

 
 ほんの一瞬だろうが飛ばしていた意識が戻った時、上から声が降って来た。
 既に春歌から判断力は失われていて、それでも次の台詞が、さっきよりは甘さより怒りを含んだ声音であるような気はした。
 
 
 「真斗ともバックでヤったのか? あ?」

 「ち、が・・・。」


 息が上手く吸えなくて声が途切れる。
 意識と体が別々になったみたいな瞬間のすぐ後にまともに喋れる道理が無い。

 
 「あぁ? じゃあどうやったんだ。」

 「普通、に・・・。」
 
 「普通ゥ?」

 「あああっ!」

 
 問いかけながら、蘭丸がわざと大きく腰を打ち付けた。
 激しさに大きな声をあげてしまう春歌を、蘭丸は責め立てる為に余計勢いよく腰を動かし責める。

 
 そして急に動きを止めると、春歌をごろんと仰向けにし


 「こっちか。」

 「あっ、は、あ、ん。」


 一瞬抜けたモノを素早く入れ直され、また声が上がる。


 「答えろ。」

 「んふぅぁあ!」

 
 ぎゅっと胸の先を指で捻られ、大きく体が反る。もう蘭丸のなすがまま、されるがままになってしまっていた。


 そんな事を聞いて、どうしたいの。
 そもそもが、そんな事を聞きたいの、本当に。

 聞きたい事は頭の片隅に浮かんでは溶けて行く。
 そしてそのまま、意識すら溶けた。

 
 最後の記憶は、蘭丸が達して、そのまま自分を抱き込んだので彼の鼓動がまだ早く打つ音を、心地良いと思った、そのまどろみの淵だった。




 どれくらい寝たのか。
 ふと目が覚めた。

 蘭丸の話し声で目が覚めた。でも、目は開けなかった。
 眠りから覚めたが、蘭丸が誰かと話しているのが判って、そのまま目を閉じ、動かずにいた。


 「ムカつくんだよ。」


 すぐ隣で会話しているようだった。ベッドの上には居ないようだが、すぐ近くにいる。

 怒っているのだろうか。
 でも、普段からそんなような言葉遣いをする人だとも思う。


 「ああ、わかってる。・・・ああ、それについては保障してやるよ。てめーこそ、約束忘れんなよ。」


 約束?
 なんの? どんな? 誰と? 


 「わかったような口きいてんじゃねえ。もう切るぞ。あ?」


 彼の声が余計に不機嫌になる。
 気に障る事でも言われたのだろうか。


 「・・・来週だな。」


 来週。
 来週、何があるの。


 急速に意識がハッキリしていく。
 イヤな予感がする。


 春歌は寝返りを打った。そして、まるで寝返りを打ってから意識がついたかのようにゆっくり目を開けると、蘭丸がこちらを見ていた。春歌はまさか起きていたのがバレているのではと一瞬どきりとしたが、春歌が起きたのを認識した蘭丸は顔色ひとつ変えず、「じゃあな」 と短く会話を終えた。


 別にどうという事もなく、蘭丸がぐるりと首を回す。



 「・・・電話、してたんですか。」

 
 蘭丸の手にある小さな機械に目を遣る。
 蘭丸はそれには答えず、もう片方の手に持っていた水を飲み、春歌に言った。


 「来週、真斗がコンサートに行きたいんだと。行って来い。」


 ほとんど口の先まで出掛った言葉を必死で呑み込んだ。
 聞いても答えてくれないどころか、無用な怒りを買いそうで、恐ろしさから押しとどめた。


 「真斗くんと電話をしていたんですか?」


 本当はそう聞きたかったのだが。

 蘭丸がそんな隙を一切与えず、仕事に行くと一言だけ告げて部屋を出て行った。
 

 彼が出て行ったドアを見つめ、そういえば既に着替えを済ませていたけれど、一体彼はいつ起きたのだろうなどと、どうでもいい事が頭を占めている自分に気付いて、春歌は力なく自分も帰り支度を始めたのだった
 




 

 






  To Be Continued・・・















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初めまして。素晴らしい文章で、とても引き込まれます。
素敵な作品をありがとうございます!
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Author:みるくあずき2
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にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

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只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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