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Room2308 第11話






 Room2308
 第11話



 








 グレイゾーンというのは、正しくも不正でも無い曖昧な事象、という意味だろうか。
 
 だとしたら、正解の無い事柄はずっとグレイゾーンを時に正しい寄りに、時に不正寄りになりながら彷徨っているという事か。永遠に答えが出ないという事か。それとも正しい正しくないという考え方が存在しないという意味だろうか。

 それはそれで掴み処の無い浮き草。こんな商売と何か似通う謂われもありそうだ。そしてこんな私の、世間では奇妙に見えるらしい趣味趣向とも。


 彼らの大きな動きに揺れた影の色から、どうでもいい事を理屈っぽく連想した私の耳に、甘い喘ぎ声が聞こえた。


 
 
 「あああああ、あああ、あ、あっ。」


 春歌の声だ。
 気持ち良さですっかり意識が飛んだその声が、ぼんやりと考え事をしていた私を現実に引き戻した。


 「ひ、ぃ、入らな、いっ・・・無理、ぃ・・・!」

 
 「大丈夫だよ~。まだ3人目じゃなーい。夜はこれからだよ。1人2回ずつしかしなくたって、まだ半分だよ~? どうしたの今日は。随分音を上げるのが早いね。やっと僕ちんの番になったのにぃ。」


 寿さんが、私の春歌の身体を半分に折り曲げ、下品な表情でぎらつかせた視線を注いでいる。

 
 
 「今日、イッチーと随分楽しんだんじゃない? さっき溢れて来ちゃった位なんだから。妬けるね。」

 
 レンも、一歩引いた風を装いながら、その目は寿さんと同じだ。
 彼女の晒された秘部を凝視している。


 「あー・・・、確かにあれちょっとさぁ、なんていうか、許せないよね。嶺ちゃん、早くこれでお仕置きしようよー。もうムリヤリ入れちゃってよー。」


 音也は最早、自分の感情に体まで捕らわれているように見えた。
 自分の性的欲求を満たせば彼女を手に入れる事に繋がるとでも思っているのか。子供じみた自己満足の徹底追求だ。

 
 「やめ、無理です・・・あうっ!」


 「無理矢理は良くないだろう。太すぎなんじゃないか。これだけ拡がっちゃ、流石に辛いと思うな?」

 
 「何言ってんのレンレン。これ位の太さが無いと、もう春歌ちゃんを満足させらんないでしょ~! これすごいよねーすっごいイボイボ付いちゃって、こんなんで中掻き回されたらたまんないよねーきっと。どんなイキ方してくれちゃうんだろ、くふふ。」


 
 カジノで回すルーレットが、自分の意思で半分だけ操作できるとしたらきっとあんな顔が出来る。
 
 寿さんの顔はそんな雰囲気だった。50%は運任せルーレット任せ。それでも半分は自分の手で希望の結果が出せる確率があるという楽しみ。


 
 「だめ、だめ、しないで、だめ。」

 
 「どうでもいいコト言ってないで咥えてよ。」

 
 「んう!」

 
 「うわおとやん鬼! それはないんじゃないのー!」

 
 「嶺ちゃん、早くそれ動かしてよ。俺、苦しそうな顔して俺の咥えてる顔見るのすっごい好きなんだから。」

 
 「本当に鬼だね、イッキ。」


 
 ああ、いい。

 私の愛するひとが、3人もの男に寄ってたかって嬲られている。嬉しい。堪らない。

 興奮が眩暈を誘って視界が曇る。あんな太い玩具を入れ込まれ、音也のモノを口に捻じ込まれ、体中を真っ赤に染めながら悶えている姿。

 
 
 これこそ、私の求めていた理想の情景。

 

 方法も判らず、ただがむしゃらに自分のモノにしたくて求めて、飢え乾き続けているのにも気付いてない頭の悪い男。
 
 手に入りきらないのが見えていて、それを認めているから、心に蓋をして楽しむ方向へ切り替えている小心者の男。
 
 彼女を抱けるならなんでもいいと澄ました顔で参加しながら、自分の愛情に酔い悲劇のヒーローぶってる気障な男。

 
 
 揃い踏みだ。
 中々これだけの役者をノーギャラでは用意出来まい。

 
 
 一度にこれだけのタイプが雁首揃えて私を愉しませてくれている。この面子に感謝だ。


 これだけ下衆な欲望に塗れた男たちにあんなにされながら、彼女は私の為という根底を揺るがさずにいる。私にこの場をしっかりと見ていてくれと全身で訴えている。こうされているのは私を愛している故だと、こうされていても愛しているのは私だけだと発している。


 
 
 「うわ、しっかり勃起させてる。ほんっと変態だよねートッキーは。」

 
 
 寿さんが、不意に私を見て面白そうに言う。


 
 「え?…あー、ムカつくー。なーんかムカつくー。」

 
 つられて音也が面白く無さそうに私を見た。
 私は3人が乗ったベッド脇のソファに座っていたが、ローブがはだけて興奮し切った下半身を目撃されたのだった。

 
 
 「そうだ!」

 
 音也が、何も言わず相変わらず表情を変えず春歌を見ていた私に、悪戯な笑顔を見せた。レンが怪訝な顔をし、音也を見た。

 音也は立ち上がり、春歌を乱暴に引き摺ってベッドを降りると、


 「トキヤ、それ脱いでここに四つん這いになりなよ。」

 
 「は? 何を言っ」


 私の声を消した空気は、少しだけ棘があったような気がした。


 「俺が椅子にしてやるからさ。いい絵じゃーん。恋人を椅子にしてる男のチ○ポしゃぶる彼女。うわ、ちょっと興奮してきた。トキヤも好きでしょそういうの。自分の彼女が他の男のしゃぶってるのを至近距離で感じられるって、変態のトキヤ好みじゃない?」

 
 「あーおとやんにしては中々いい思いつき! 目で見えなくても、背中で何が起こってるのか想像するのもアリだよトッキー! いいねいいね、早くやろうよ!」

 
 
 子供のような寿さんの独特のノリ。

 私は時々これについていけないのだが、提案自体はなんとなく魅力的だと思った。自分の愛する女性にこんな事をさせているのは攻撃性の範疇な気がしても、それを見てここまで興奮するとなると被虐趣味があるような気がするから、音也にとっては私はそっちの色の方が濃く出ていると捉えられているのだろう。

 
 どう捉えられようがそう大して問題ではない。
 私が密かに腹の中で悦びに浸れればいいのだから。

 
 
 頭が霞むような感覚の中で、私は気付いたら、音也の重さで崩れないよう、必死に腕で身体を支えていた。



 まったく悪趣味な・・・。

 そう呟きたかったが、それはどれ程自分を棚上げしてるのかと揚げ足を取られかねない間抜けた発言だと言わずもがな。だから私は、言われた通りに床に膝をついたのだ。

 
 私は音也を馬鹿なだけの男だと日頃は思っているが、こういう意外な思い付きをするのでよく驚かされる。音也が腰を下ろしている私の背中にも、他の何処にも春歌の肌は一切私に触れてないのに、音也の微妙な身体の振動を通して春歌の熱や恍惚さ、息遣いが生々しく伝わって来た。それを経験した事が無いのに、無意識にあたりを付けられるからこの男の未知数さは怖い。


 「おいしい? トキヤのとどっちが好き?」

 
 音也の声は奇妙に優しい音をしていた。そんな事を聞いたとて、どう答えられたとて自分が惨めになるだけなのに。


 「ねえ返事してよ、ねーえ。」

 
 「んっ!」


 言いながら春歌の頭を抑えつけたのだろう。春歌の声がくぐもった。彼女の答えによって沈む音也が見たかったが仕方がない。あれも返答を予想しているから、答えさせたくないのだろう。聞いておいて何だという所だが、精々虚勢の身で思いつく、私に聴かせる為の浅知恵のパフォーマンスに過ぎない。


 「イッキ、やり過ぎだ、息が出来ないだろうそれじゃ。」

 
 レンが横から口を挟み、春歌を解放してくれたようだ。大きく息を吐き、荒い呼吸を短く繰り返しながら体をぐったりさせる春歌を私が気配で確認した途端、脇腹に柔らかい熱が触れた。


 「――――――っ。」


 「一ノ瀬さん・・・好き・・・。」


 
 息を飲んだ。 
 甘い吐息混じりのその言葉に、脳の奥が燃えた。

 
 私の肌をなぞったのは春歌の唇だった。その熱さと母性。滲み出ていた愛情。それに気付いた時呼吸が止まり、次の瞬間、真っ白に自分の内面が弾けた。

 つい一瞬前まで、音也のモノを愛撫していた唇。それが解放されてすぐ、そして問われた内容に答えるかのような言葉。


 私を好きだと。
 こんな状況でも、彼女の口をつく一言はそれだった。


 それを認識した私の内面で何かが瞬間的に大きく弾け飛び、内臓が人肌の温度で温められた何かにぎゅっと抱きしめられたような感覚に襲われ、射精した。


 「は・・・! あ、っ・・・!」


 「あっ、一ノ瀬さん・・・あ、ああ・・・。」

 
 床に這い蹲る私は、自分の飛ばした精液が床を汚したのを見た。打ち震えすぎて感極まっての射精など、初めてだった。そこに至った快感、外的刺激を直接性器に受けなくても射精出来た驚きと、頭の中で反響する、一ノ瀬さん、好き。という春歌の言葉が私の総てになり脳が溶け始める。

 
 そして、春歌が同時に殆ど無意識の声を発し、身を折り私の身体の下に頭を入れ込み、それを舐めとるのを見た。

 
 赤い舌がちろりと伸び、床に飛び散った私の体液をとろりと絡める。


 それを目が認識するのと性器の反応が同時で、私はまた達しそうになった。


 しかし、それを、夢見心地な私たち2人を現実に引き戻すような音也の怒声が止めた。



 「アッタマ来たぁー!」


 気付くと私の身体はもう音也の下になっていなかった。重さすら感じるのを忘れていた数分。

 振り返ると、まだ私の精液を愛おし気に啜る春歌を見下ろす音也が居た。全裸で仁王立ちになった音也の間抜けな姿に、私は必死で笑いを堪えた。

 

 いや、解かっていた、解かっていたのだ自分でも。その時の私は、決して音也の風体だけに笑いそうになっていたのではない事など。

 
 
 この、私が思わず精液を多少なりとも迸らせてしまうような歓喜を味わうその横で、その歓喜を生み出す只の端役のクセに、春歌をモノにしたつもりでいい気になっていた彼の、その自分の道化ぶりに気づいた感情の昂ぶりがとんでもなく愉快で笑いそうになってしまった事など。解かっていたのだ。

 
 私を椅子にし、愉悦に笑って得意げな質問をした彼が、結局自分を見て貰えていなかったと実感したその落胆ぶりが面白すぎて、またそれを恥じているのか怒り出した事そのものが面白すぎて、笑いを堪えるのに必死だ。

 
 

 思い知れ。

 
 何をしてもどんなに抱いても。
 彼女が私しか愛さず、私しか見ていない現実を。もっと思い知って悲観するがいい。

 
 こんなになっても私のもの。どんな目にあっても私だけのもの。誰もが入り込めない愛を交わし合う私たちを羨ましがってのたうち回れ。

 

 そうか。

 私が本当に見たいのは。

 誰に汚されても私を愛し、私だけを見ている彼女ではなく。


 
 それを通して見る、私以外の男の惨めで間抜けた憤怒だったのか。


 

 そう気付きぼんやりとした私の横で、それでも変わらぬ美しさを放つ春歌が、音也に掴み起こされレンに引っ張られながら、ベッドへ移動していく。そして寿さんの冷たい笑い声が聞こえた。


 「あーあ。いいの? おとやん目一杯怒っちゃったみたいだから、このままだと彼女、今夜は中で出されまくって妊娠させられちゃうよ。だって、もう僕らが彼女をトッキーから取り上げられる方法はそれしかないじゃん?」


 
 そう言いながら、寿さんもベッドに近づいて行く。
 既に私だけがこちら側に居た。


 
 ゆっくりとベッドを見遣った私と、春歌の目が合った。

 
 幸せそうに彼女が笑った。私も嬉しくて微笑んだ。彼女にはきっとわかったのだ。
 私が今しがた、新しい気付きをした事に。それが私にとって、とても嬉しくて興奮を呼ぶ材料だった事に。

 
 嗚呼、彼女を愛して良かった。
 私をこんなに理解してくれる女性で、本当に良かった。
 
 


 


 


 
 


 To Be Continued・・・







  

 次回最終話を、11月17日頃に更新予定です。











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みるくあずき2

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主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

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にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

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拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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