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pastiche 第7話

 









 pastiche
 第7話


 
 


 


 その日の夜、また春歌は同じ店に出向いた。

 真斗に会う為だった。
 レンが呼び出してくれたのだ。


 真斗はいつも真面目な顔をしているので、今も、呼び付けた春歌を不躾だと思っているのか、単に真剣な考えを巡らせているのか、春歌は判断しかねた。

 仕事の調子はどうか、傷はもう大丈夫か、などと世間話の隣の会話をし、暫し2人とも言葉が途切れる。

 先に口を開いたのは春歌だった。
 
 「神宮寺さんたちに聞きました。私が、一ノ瀬さんと付き合っていると、聖川さまはハッキリおっしゃったそうですね。」

 「ああ。」

 あっさりと認めた真斗に、春歌は意外さを覚えた。
 今まで皆、確証が持てないが状況的にそう思っている、という人物ばかりだったので、真斗がそう迷い無く告げたのが意外だったのだ。

 「お前が記憶喪失だというのは聞いている。何でも、まったく記憶が無いわけでは無く、一部分だけが抜け落ちてしまっている状態らしいな。」

 「はい。」

 「それでお前は、交際していた相手が誰かというのを忘れてしまっていて、色々聞いて回っているということか。・・・神宮寺のヤツは、お前が一十木と交際していたと言ったのだろう。」

 「はい。」

 「俺にはそれが不思議でならん。お前は、その・・・こういう表現はあれだが・・・二股をかけるような女ではない。」

 真斗の言葉に、春歌は目をぱちくりと瞬かせた。
 ここまではっきり言い切れる真斗が何を知っているのか、心が急いた。

 「俺は病院へ駆けつけた時も、お前に付き添っているのが一ノ瀬だったのを特に不思議には思わなかった。お前を最初に山中で発見したのが一ノ瀬だと言われても、当然だと思っていた。」

 まだ湯気の盛んなコーヒーに、真斗が口をつける。
 彼が頼んだホットコーヒーは、白い磁器のカップで提供された。
 
 春歌はここではいつも、仕切りになっている壁に嵌められたガラス細工に似たグラスに、自分の顔が歪んで映るのを見ながら相手の話を聞いていた。

 今、目の前のカップはクリアにつるりと白い。
 脆そうなガラス製品を見ていた目が、厚みのある磁気を見るようになっただけで、真斗が知っている何かはとても重要なのではないか。などと思えた。

 そして今日は、林檎やレンに会った時とは違う席で、真斗の後ろは普通の大きな窓になっている席だった。
 
 通りを歩く人の頭がチラチラ見える。今までこの店で見てきたのとは違う見通しの良さが、そのまま、抱えてる問題の風通しまで良くなるような気にさせてくれた。

 「聖川さまは、どうして私が一ノ瀬さんとおつきあいをしていたって、そんなに言い切れるんですか。」

 春歌の質問に、真斗は少し驚いたようだったが、それは春歌が想像した驚きではなかった。

 「俺の方こそ疑問だな。あれだけ愛し合っていたのに忘れてしまうとは・・・。余程頭を強く打ったとしか思えん。いや、真面目な話だ、やはり医者にもう一度、脳のCTでも取って貰った方が良いと思うぞ、心配だ。好いた相手との愛ある日々を忘れてしまうなど、お前が不憫すぎる。良ければその分野の名医をじいに探させ、俺が紹介しよう。」

 言い切れる何かがあるからこそ、春歌が覚えて無い事に対する驚き。
 益々目の前のカップの白い色が濃く目に入る中、真斗の心遣いにまず春歌は明るく礼を言った。そして、話の続きを促した。

 真斗は衒いもなく話す。

 「つい最近の事なのだがな。俺は、お前が一ノ瀬と、愛してるとお互い言いながら、その、なんだ、く、く・・・くちづけを、しているのを偶然見てしまったのだ。お前は泣いているようだった。一ノ瀬にしっかり抱きしめられて・・・。それほどまでに愛し合っていたのにその記憶を喪失してしまうとは、お前が不憫でならん・・・。」

 もしも頭の中に手が入るなら、まさに今のこの感覚だと春歌は思った。
 脳味噌を素手で鷲掴みにされた感触。がつんと自分の中枢を握られた気がした。

 真斗は嘘を吐くような男ではない。冗談を言って人を慌てさせるような男でも、断じてない。
 その男が、言う台詞。

 それはそのまま、真実に繋がると言ってもいい。
 昨夜の記憶の断片と、今の真斗の言葉。これだけでトキヤとの関係は揺るぎないと言える。真斗の実直な性格を知る誰もが、そう思うに違いない。それでも春歌は、思わず口にしていた。本当ですか、と。しかし真斗は表情一つ変えず言い切った。

 「記憶が無いのだから驚くのはわかる。だが俺は、この目でしっかりと見た。あの場所なら人目につかないと思ったのだろうが、悪いな、俺がしっかり通りかかってしまって。次からは気をつけた方がいい。どこで誰が見ているかわからない。」

 「なにを・・・」

 「ん?」

 「なにを・・・、その時に話していたのか覚えていますか。どうして私は、泣いていたんでしょうか。」

 春歌の質問に、聖川はやや間を空けた。

 「そう、だな・・・言われてみれば、泣いているようだとは思ったが、何を話しているかとか、どうして泣いていたのかはあまり考えていなかった。偶然目撃してしまって驚いていたのもあるが、とにかく、その・・・愛してるとか、好きだとか、言いあっていてな。俺はてっきり、恋人同士が想いを言葉にしている場面に遭遇したと思い込んでいたが・・・確かに…。」

 ふむ。と、真斗がひとりごちて頷く。

 「確かに言われてみれば、言葉だけ聞けば幸せそうなやりとりなのに、お前が泣いているというのは少し不自然だったかもしれないな。あの時は、うっかり見てしまった気まずさが先に来て、あまりその点については考えなかったが・・・。」

 泣いていた。
 愛の言葉を紡ぎながら、自分は泣いていたという。笑顔ではなく、泣いていたというのは、どうしてなのだろう。喧嘩をした後だったとか。

 「わからない・・・何がなんだか・・・。」

 春歌は思わず呟いた。
 真斗が、すまないと小さく言った。

 「記憶が一部抜け落ちてしまっているお前に、聞かせるべきではなかった。余計混乱させてしまったか。」

 「そんなことはありません!」

 春歌は慌てて、目を伏せる真斗を気遣った。

 「知らないばかりでは進みませんから、色々聞いているんです。今まではっきりした事は全然わからなかったんですけど、聖川さまが実際にご自分で見たってお話が聞けて、良かったです。」

 「ん? 神宮寺の奴もはっきりと、レディは一十木と付き合っているとそう言い切っていたぞ。その場に一緒に居た来栖も強く同調していた。そちらの方は詳細を聞いたら、信憑性が無かったのか?」

 「あ・・・。」

 春歌は、彼にそれを告げるべきかどうか迷った。
 
 レンたちはレンたちで、音也の保存していた画像を見ている。
 その画像だけで推し量られる内容に決定的なものは無いとはいえ、恋人同士若しくは少なくとも身体の関係が無ければ撮り得ないような画像を、見ているのだ。彼らも嘘を吐くような人間ではない。でも、だからこそ解らなくなる。

 春歌は迷った末、違った側面から質問をした。

 「聖川さまから見て、私と音也くんは、その、どういう関係に見えましたか?」

 
 
 その時、テーブルにすっと影が出来た。
 春歌も真斗も、同時に視線をその影のやってきた方に向けた。

 「相席をお願いしてもいいかな、レディ。」

 「神宮寺!」
 「神宮寺さん!」

 驚いて名を呼ぶ声に笑顔を返しながら、レンは春歌の隣に座った。

 「こんなつまらない男と差向かいで話してたら、息が詰まるだろう。大丈夫かい、退屈していないかい。」

 さらりと春歌の髪を撫で、水を運んで来たウエイトレスにコーヒーを注文する仕草までスマートだ。春歌はタジタジになり、真斗が少し苛ついた口調で、何をしにきたと問う。

 「ご挨拶だなぁお前は。レディの為を思って来たに決まっているだろう。思ったより早くレッスンが済んでね。打ち合わせにも予定より早く入れたんだよ。こんな俺でも、友人が失踪したなんて穏やかじゃない状況は、早く脱したいと思っているのさ。」

 口の端に笑みを浮かべて、レンが肩を竦めながら返事をする。今日のレッスンはキツかった、その後の打ち合わせは眠かったと、軽快な調子で話す。
 しかしその後、すぐに真剣な顔をした。

 「聖川の話はもう聞いたのかい。どうだった。君とイッチーは、本当に付き合ってると思える話だったかい。」

 「あ、え、ええ。その・・・とても、それを聞いたら、お付き合いをしてるに決まってると思えるお話でした・・・。」

 「ふぅん。そうか・・・じゃあやっぱり俺の見当違いかな。」

 「なんだ、何に見当をつけてきたと言うのだ。」

 真斗の、さっさと言えといわんばかりの催促に、長い脚を組み換え、レンは2人を交互に見遣る。そしてもう一度春歌を見て、言った。

 「レディ、昼間言ってたのは、どうなった。何か解ったかい。」

 春歌は力なく首を振った。
 宿の件については手掛かりだと思ったが、予約メールなどは残ってなかったと説明した。レンは、「そうか、残念だね。」と短く返事をし、自分の顎に手を添え思案しているような表情をした。

 「レディってさ、イッキになんて呼ばれてたっけ?」

 「え? え、あ、それは・・・。」

 春歌は口籠った。
 レンと真斗が、春歌を見る。レンは、表情を変えずに。真斗は、少し怪訝な顔で。

 「あ、れ・・・? どうでしょう・・・どうでしたっけ・・・。春か・・・ななみ。え・・・あれ・・・そう言われると、なんではっきりわかんないのか、な・・・?」

 春歌が言葉に詰まり、首を傾げていると、真斗が思い付いたように言った。

 「今、神宮寺に言われて気付いた。お前はさっきからずっと、音也くんと言っているな。俺達の前では、ずっと、一十木くんと言っていた筈だが。」

 言われて初めて気付いた。
 
 名前。
 呼び名。

 考えてみれば、トキヤに病院で春歌と呼ばれた時は驚いたのに、音也には、なんと呼ばれていたかすら思い出せない。覚えていない。そもそも、意識からそれが抜けていた。自分からは自然に、音也くんと言っていたのに。 

 レンのオーダーしたコーヒーが運ばれてきたのも、春歌は目に入らない。

 何かがせり上がる。
 大きくて音の無い波が突然遠くに姿を現し、ざわざわと蠢きながら、機を見て一気に立ち上がる準備をしているような感覚が身体中に拡がる。

 「オレも、さっき君と話していた時は流してしまったんだけど、打ち合わせをしながらふと思ったんだよね。学園時代から君が名前呼びをしていたのは、おチビちゃんだけだった筈なんだ。なのに君は、オレの記憶の中では一十木くんと呼んでいた呼び方とは違う、音也くん、という呼び方で話を進めていた。それが引っ掛かってるんだ。」

 今まで気付かなかったが、音也との記憶がどこで途切れているのか自分でもはっきり解らない。
 トキヤと買い物に出かけた時、荷物が多くなりすぎて、翔から 「助っ人が向かった」 という連絡の後、やってきたのが音也だった記憶はあるのだが、その時の音也と自分の関係性が良く思い出せない。

 少なくとも、その時点でトキヤに対してはある種の好意を持っていたと、記憶をなくしてからも思い出せた。

 なのに音也に関しては、これと言った言葉に出来る具体的な何かを記憶から探し出せない。何かがすぐ喉元までせり上がって来ているというのに。あともう少しで、何か、大事な何かを、掴めばそこから一気に引き出せる何かを掴めそうだというのに、届かない。

どうして音也に関する記憶だけ、こんなにも取り戻せない?


 「いっ・・・た・・・痛い・・・。」

 「え。レディ、どうした。」

 ぐるぐると音也の事を思い出そうとしているうちに、春歌は鈍い頭痛に見舞われた。身を屈める春歌に驚いたレンが、咄嗟に椅子から落ちないようにか二の腕を両方掴む。

 「すいません、考えてたら頭が痛くなってきちゃって・・・。」

 「七海、大丈夫か。」

 「レディ、しっかり。どうする、救急車でも呼んだ方がいいのかおい、聖川。」

 「落ち着け神宮寺。お前が動揺してどうする、大丈夫だ。しっかりしろ七海。いい、考えるな、考えなくていい、とりあえず今は、考えるのをやめるんだ。」

 「おいだけど・・・。」

 「何かで読んだことがある。記憶喪失の人間が無理に思い出そうとすると、考えすぎて頭痛がしてくると。テレビドラマのように大袈裟な痛みはしないらしいがな。健康な人間でも、頭を使い過ぎれば痛くなるのと変わらん。七海、とにかくジュースでも飲んで少しリラックスするんだ。」

 少しすると、落ち着いた。
 ほっと、息を吐く。

 「すみませんでした。なんかちょっと、頭ががんがんしてきちゃって・・・。」

 「いいんだ、オレがレディを困らせるような話をしてしまったから、悪かったね。」

 レンが、優しく髪を撫でて、春歌を労わる。
 その様子を見て、真斗がいつもの調子で小言を言い始めた。

 「神宮寺、だからお前はそうやって女性に気安く触るなと・・・。」

 だがすぐ、何かを見たような顔で、真斗が言葉を切った。

 「なんだよ、言い掛けてやめるな。文句があるなら言えよ。」

 「いや、その、覚えていないか、神宮寺。七海はこのところ、ずっと体調が良くないようだった。しょっちゅう座り込んだりして、今のお前がしたように、一ノ瀬が気遣っていて・・・一度、あざを作って打ち合わせに来た事があっただろう。」

 「・・・あった。あったな、そんなこと。ああ、覚えてる。」

 2人だけがわかっている話についていけず、春歌は黙ってそれを見守る。
 レンは、仕切りに頷いている。

 「そうだ、オレたちが企画ユニットで歌を出すって打ち合わせの時に、君、あざを作ってきたね。その後くらいからだよ、君がしょっちゅう気分が悪くなったりして、真っ青な顔で・・・よくイッチーが面倒を見てた。」

 春歌は目を見開いた。
 初耳だ。自分には覚えが無い。

 「俺が例の件を目撃したのは、一ノ瀬が気分の悪いお前を介抱するのを見てからだったのだ。だから特に疑問を持たなかった。ああ、そういう事なのかと思ったくらいだ。」

 例の件って一体なんだ、とレンが真斗に詰め寄り、真斗は春歌の許可を得て、自分が目撃した内容を告げた。レンが、まさか! と声をあげる。

 「バカな。ちょっと待てよ。じゃあオレとおチビちゃんが見た画像はなんだって言うんだ。・・・レディ、」

 レンの戸惑った目配せに、春歌は、大丈夫ですというように頷いた。それを請けて、レンも自分の見た物を真斗に話す。真斗はレンの話が進むにつれ、難しい表情になっていった。

 「信じ難いな・・・。そんな写真、かなりの間柄でなければ撮影できないではないか。大体あの時一十木は、七海の調子が悪くなっても、いつも一ノ瀬に任せていたではないか。俺たちと一緒に遠巻きに心配していただけだぞ。」

 「事務所は恋愛禁止だからね。実際付き合っていたからこそバレるのを恐れて、人前でおおっぴらに心配出来なかったという考え方もある。オレは聖川とは逆で、レディはイッキと付き合っていると思い込んでいたから、イッキはバレたくなくてわざとレディを介抱しないんだと思ってた。」

 レンのオーダーしたコーヒーは、すっかり湯気がおさまっている。
 暫く、3人共黙った。

 
 春歌は、レンと真斗が色々と話をするのを、どこか他人事のように聞いていた。

 真斗の見た物。レンの見た物。どちらも間違いないものに思える。
 そして思い出せないが、なぜか体調が悪く、あざを作ってきた日もあったという自分自身。それを介抱するトキヤ。見ているだけの、音也。

 「・・・企画ユニットの事は覚えています。作った曲も、皆さんと打ち合わせをした記憶もあります。」

 春歌は絞り出すように言った。

 「でも、私は打ち合わせや練習の時に、気分が悪くなったんですか。覚えていません。そんなのは全然記憶にないんです。思い出せるのは、曲を作ってる自分の姿とか、意見を出し合ってる翔くんや聖川様のお顔や、あと、何度かあったレッスンに一度だけ、渋滞に巻き込まれて遅刻してきた神宮寺さんの焦った顔や・・・。」

 音也との記憶だけ、紗がかかる。
 トキヤとの記憶の方がまだ、他の面子に比べ部分部分で朧な気がするだけで、鮮明だ。

 「一ノ瀬さんは、喋ってました。打ち合わせで、喋ってた姿がちゃんと思い出せます。自分のパートはこうしたいとか、ダンスはこんな感じでとか、色々熱心に希望を皆さんに伝えていて。」

 真斗とレンの視線が、春歌をまっすぐ見ている。

 「だけど・・・だけど、音也くんの記憶が、ありません・・・。打ち合わせで何を話たのか・・・。荷物を持ちに来てくれた時も、来てくれたのは覚えているのに、音也くんがその時どんな顔をしてたのか、何を喋ったのか、そこから、まったく・・・。」

 「荷物?」

 レンが聞く。
 春歌は、誕生日会のことを話した。

 「ああ、あったねそんなこと。」

 「あれは一十木が、自分から手伝いに行くと言い出したのだ。2人じゃ持てない量だと言い出して、それもそうだと皆も同意して・・・そうだ、あの時一十木は、翔がメールしてよ、と、しつこく来栖に頼んでいた。」

 「なんだそれ?」

 レンが真斗を見る。

 「いや、俺も煮物の真っ最中だったのでよく聞いてなかったのだが、とにかく来栖に、「お願いだから翔がメールしてよ。」としつこく頼み込んでいたんだ。オウムのように繰り返し言い続けているのが少々うざったかったので覚えている。おれがメールしても読んでもらえないから~、とか言っていて・・・今考えると、何か妙だな。なぜ一十木からのメールを、七海が無視するのだろうな。」

 「翔くんからメールが来たことは覚えています。」

 「そんな細かいコトまで覚えてるのに、イッキとの記憶だけまったく無いなんて、不思議だね。・・・よっぽど何か辛い目にでも遭ったの。まさかイッキにストーカーされてたとか。」

 「神宮寺。貴様にはデリカシーというものが無いのか。今の発言は、七海に対しても一十木に対しても失礼だろう。」

 「だけど、レディみたいな一部だけの記憶喪失っていうのは、ショックとかそういうのが引き金になってるって聞いたぜ。だったら、可能性はあるだろう。」

 「まあ、そうだが・・・。」

 
 呼び名。

 真斗の目撃。レンと翔の目撃。

 体調の優れない自分。

 介抱してくれるトキヤ。そうではない音也。
 
 あの時荷物持ちの手伝いに来たのは、音也の自薦だった。そして、連絡を翔に頼み込んだという音也。自分が連絡をしても無視されるからという理由。


 (・・・私は、何を忘れているの。)

 
 春歌は窓の外を見た。
 
 暗いばかりのその色は、きっと自分が倒れていたという山の中と同じ色なのだろうと思った。外堀だけは埋められそうなのに、肝心の内郭にまったく近づけない。そんな感覚に囚われていた。










 
  To Be Continued・・・









 次回第8話は、10月29日頃までに更新予定です。




 

 

 
 
 
 

 

 

 



 
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非公開コメント

本当に本当にすごいです。
続きが気になるけれども、まだ答えは知らずにいたい!みたいな気持ちで胸いっぱいです。また第1話から読み直して次話を心待ちにしてます。

No title

最新話の投稿お疲れ様です。

食い違う話。いったいどれが本当で、どれが偽りなのか……。これからどうなっていくのか、楽しみです。

ma85さんへ

ma85さんおはようございます。
毎度どうにもコメントのお返事が遅くてすいません・・・。

続きが気になるとおっしゃって頂けて嬉しい限りです。
ちょっと想定外の事件が起こって非常に忙しくなったのですが
頑張って書く奮起剤となります。
ありがとうございます。

次の更新だけ、ひょっとしたらちょっと予告より遅れるかもしれません。
なるべく予告日までに更新したいと思っております。
よろしくお願いします。コメント本当ありがとうございます!

紅さん

紅さんおはようございます!

楽しみというコメント頂けるのが
自分にとって書く原動力になります。
有り難いです。ありがとうございます。

頑張って更新してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
コメント、いつも本当にありがとうございます!
プロフィール

みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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