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Russian roulette 5

 
 

 Russian roulette
     Vol.5 



 


 倒れ込むようにして乗り込んだ車のシートで、春歌は大きく息を吐いた。

 同時に運転席に乗り込んだ嶺二が、エンジンを掛ける。
 春歌は慌てて、嶺二の腕を掴んだ。

 「な、ま、待って下さい。これを取ったら私は一人で帰ります。」

 必死な春歌を一瞥した嶺二は、にっこりと笑うとアクセルをふかし、車を発進させた。

 「寿先輩!」

 「なぁに。」

 「おろして・・・降ろしてください!」

 「だーめ。」

 前を向いてハンドルを握ったまま、嶺二はにこやかに返答をする。

 「運転してる僕の隣で自分で抜いてもいいけど、なんかそれって恥ずかしくない? 所詮ウィンドウは目隠しじゃないんだしさ。誰かに見られるかもしれないってスリルに興奮してる君を見るのも、なかなかソソるよねえ。」

 「・・・・・・・。」

 無駄なのだ、何を言っても。多分。
 
 そう思い知る空気を感じ取った春歌は口を噤んだ。
 成り行きとはいえ彼の車に乗ってしまった以上、今更降ろされてもこれを入れたまま歩いて帰るのは辛すぎる。抜こうにも、まだ人通りのある道路の一体どこで、という問題だ。

 「ねえねえ。さっき配られたコーヒー、君、飲まずに持ってきてたでしょ。僕にちょうだい。喉乾いちゃった。」

 普段の会話として話す嶺二を軽く横目で睨み、バッグから出した缶コーヒーを手渡す。

 ここは都会の街中だ。丁度今の時間はやたら多くの車がひしめき、進むスピードは当然緩い。ウインドウ越しに歩いてる相手と目が合ってもおかしくない。だからといって降りて歩いてたとして、途中で抜け落ちたらどうしようという恐れも、街ゆく人の視線が、皆こちらに集まってるような不安も拭えない。

 夜の街を滑るように走る車の助手席で、春歌はぐったりとシートに深くもたれかかった。
 諦めた目の前の道に、ヘッドライトがいくつも重なる。浮いた涙で滲む人工の光は、今置かれた状況に似つかわしくないが綺麗だと、春歌は場違いな事を思った。

 やがて、すっと光が無くなり、それが何処かのマンションの駐車場だと気付いた春歌は、やっとシートから体を起こした。

 「ここ、どこですか・・・。」

 春歌の問いかけに、嶺二は答えない。
 出かける時は、春歌が嶺二の質問に答えなかった。仕返しのような仕草にまた怒りが湧く。

 「いい子で着いてきた君に、選択肢をあげようかなー。僕ちん優しいから。」

 沸々と沸かせていた隣の後輩の怒りの炎を消すように、エンジンを切りながら嶺二がそう言った。
 春歌がゆっくりと彼を見る。またどうせろくでもない事を言い出すのだろうという嫌な予感が、春歌の頭を鈍く掴む。

 「一応ココは駐車場だからね。誰が通るか判らない。」

 嶺二が唐突に話し始める。

 「ただのマンションだから、寮や学園みたいに、パパラッチやストーカーに向けた大した警備も無い。僕みたいな芸能人が住んでるって知ってる週刊誌の記者なんかがネタ捜しでどっかに隠れてたら、車の中で卑猥なコトしてるトコロをうっかり写真に撮られかねない。ああいう輩は平気で車にベッタリくっついてくるから、抜いた物までしっかり写真に写っちゃうかもねえ。・・・だけど。」

 すっかり振動の止まった車が、しんと静まり返る。
 教師が生徒を指導するように説明口調で話す嶺二の声だけが、二人の間をすり抜けて行く。

 「ほら、売れっ子同士が未明に同じマンションから出てきた! って写真に対して、今撮ってる映画の為に2人で役作りしてました~ってヤツあるよね。この業界、苦しかろうともその言い訳で大抵通る。今から僕と打ち合わせるっていう君のおとやんへの説明をトッキーも聞いてるし。万一があっても、打ち合わせって証明してくれるトッキーがいるんだから、世間はともかく龍也さんには怒られないと思うな。」

 ずい、と顔を近づけて来た嶺二に戦いた春歌が身構えた。
 吐息が触れる程距離が近くて、今にも叫んでしまいそうだった。

 「龍也さんさえ解ってくれれば、その程度の写真は世に出る前に消して貰える。さ、ここで質問。」

 言われた内容すらきちんと整理出来切れない春歌に、嶺二が微笑む。

 「君が選んでいいよ。ここでバイブ抜いてほしい? それとも、何をしてても誰にも見られない保証のある部屋へ行く? 」

 すとんと、全身が落ちた。
 自分は罠に嵌ったのだと、今更ながらに強く実感した。
 
 どこからがこの意地悪い質問の為の罠だったのだろう。
 逃げられない密室のシートで、春歌は頭のある一点だけ冷静なまま考えていた。

 ここまでついてきてしまったのは、頭が上手く動いて無かったせいもあった。
 体の奥に大きなモノを入れられて、頭の芯がぼんやりしてしまっていた。そうでなければもっと何か方法を思いつく筈なのにと、春歌は心中でもどかしさを持て余していた。こんな今の自分も、きっと彼は読んでいたのだろうと思うと悔しい。

 だからと言って、個人的な憤りに任せてばかりもいられなかった。

 相手は、事務所の抱える知名度の高いアイドルだ。
 事務所にとってそんな醜聞が出た場合、今の自分とこの男を天秤に掛けたら、切り捨てられるのは駆け出しの自分だというのは解り切っていた。醜聞は、自分がこの業界から去るしかないダメージを持ってくるだろう。

 そんな事になったら音也に顔向けが出来ない。
 音也にだけは嫌われたくなかった。嫌われたく無かったし、知られたくなかった。自分が他の男に触られたなど。そして、それが一度だけでは無いなどと。

 この男はきっとそこまで計算して、音也にバレる可能性があると不安を煽っているのだ。その不安に折れた春歌が、自分で嶺二の部屋まで行くのを承諾する未来をハッキリ見ながら、それが自分の手の中に降りてくるのをのんびりと待っているのだ。

 楽しみながら。 
 泣きそうに歪む春歌の顔を、うっとりと眺めながら。
 

 「私が・・・。私が自分で部屋に入るのを選んだ、って、言うつもりで、こんな・・・。」

 声が震えた。
 嶺二の手がそっと、きっと土気色にでもなってるであろう頬を撫でる。

 「何を期待してるの。ははっ、部屋に連れ込まれたら、最後までされちゃうって?」

 「・・・っ!」

 「自分が選んだんでしょって終わった後に僕に言われて、ヤリ捨てられるかもって心配してるの。あはは、かわいいねー。僕のコト好きなんだぁ。大丈夫、大事にするよ。」

 「ふざけないで・・・!」

 思わず罵倒してしまう程、目の前の男は明らかに自分を弄んで楽しんでいた。

 「そんな心配をしてるわけじゃないです! 大体、期待なんてしてない・・・!」

 怒りで手まで震えそうになるのを堪えて、春歌は目をきつく閉じた。
 
 呆れる程、今の自分が滑稽だった。
 
 人目が気になって体に入れられたモノを抜く事も出来ず、そんな仕打ちをした男についてきて、更に踏み込もうとしている。他に手立ての思いつかない自分が、何を言っても説得力が無い。狡猾な嶺二の手に、ずぶずぶと脚元から腰まで嵌っていく。それが判っていながら、逃げ出したら音也との別れが見えそうで逃げ出せない。袋小路だ。

 「部屋で・・・部屋まで行きますから。でも、部屋の中には入りません。誰かに見られたくないだけですから、玄関でこれさえ抜いてたら、そのまま帰ります!」

 「ええ? こっからどうやって帰る気? 歩いて帰るの? 距離あるよん。」

 「先輩には関係ありません。早くして下さい。」

 芝居がかった驚き方で笑う嶺二をぴしゃりと遮った春歌は、車のドアを開けた。


 
 

 
 ゆっくりと昇る2人きりのエレベーターの中で、菓子らしき小さな包みを嶺二がポケットから取り出し、春歌に差し出した。

 「このゼリービーンズ、美味しいかどうか判んな、」

 「要りません。」

 極力離れて乗っていた狭い個室で、嶺二が言い終わりもしないうちに、春歌は顔まであからさまに背けて拒絶する。

 そんな春歌に軽く肩を竦める仕草をして、嶺二はそれを仕舞わずお手玉のように掌で転がしていた。
 もう片方の手では、先ほど春歌から受け取った缶コーヒーを回転させている。

 エレベーターで運ばれ、通された部屋の玄関で、春歌は立ち止まった。
 重い扉を背に、キッ、と嶺二を睨みつける。

 「む、向こうを向いていて下さい。」

 「え、なんで。」
 
 プシュ、っと。
 缶コーヒーを開けながら嶺二がきょとんとする。春歌は面食らった。本気で尋ねるかのような一種無垢な表情に眉を顰める。

 「見られたくないからです。」

 精一杯の虚勢が、はっきりと返答をする事だけだという事実に無力感を覚える。それでも、春歌は崩れ落ちずに玄関で立ち止まった。

 「いやだなあ。僕が抜いてあげるのに。」

 「!」

 喉が攣る。
 扉に押し付けられて、腕を取られた。体の半分を押し付けて春歌の動きを封じるような嶺二に思わず怯え、間近に迫った彼の顔が見られない。

 「そんなに怒らないで機嫌直してよ、ね。コレ、食べて。女の子はお菓子が好きでしょ。僕からのお詫び。」

 背けた顔の口許に気配がする。
 きっとさっきのゼリービーンズを嶺二が口許に寄せているのだろうと春歌は察しをつけたが、そんな事はどうでも良かった。
 
 「要りませ・・・!」


 咄嗟に言葉を切って口を閉じたが間に合わなかった。
 危険を察知して本能的に口を閉じる前に捻じ込まれたのだ。
 
 流し込まれたのは小さな個体と、コーヒーの味。それを送ってきたのは彼の舌だった。
 ごくんと、多少苦しかったが喉の奥に放り込まれた為に反射的に飲み込んでしまってパニックになる。突然喉を襲われて咽た春歌に、嶺二が唇を離す。

 「ごめん、咽ちゃったね。美味しく食べればいいのに素直じゃないからこうなっちゃうんだよ。苦しくなかった? 大丈夫? 飲み込めたかな。」

 嶺二が自分の顎の辺りを拭う。勢いよく口移しなどするから零れた甘い琥珀色の液体を袖で吹き取っていた。
 そのままその指で唇をなぞられ春歌は咳き込みながらも避けるが、体を抑えつけられているので、顔を横に向ける位しか出来ない。

 咳き込むのが収まると、また激しくキスをされた。
 逃げられなくて、冷たい舌に口腔内を犯される。甘ったるいコーヒーの味がする。何度も何度も角度を変えられ、もがいても意味が無かった。長い時間、たっぷりと嶺二の唾液を味合わされて眩暈がしてきていた。

 

 「な、にを・・・っ。」

 やっと、どれくらい経ったのか解放された。
 息をしながら、春歌は必死になって尋ねた。

 「さっき、のは・・・。」

 「ん? ジェエリービーンズ。」

 「・・・は?」

 「カタチは割とジェリービーンズだったよ。君、ちゃんと見ないんだもん。どう、甘かった?」

 「甘いも何も、いきなりで・・・コーヒーと一緒に無理矢理飲ませるなんて、ひどいじゃないですか。」

 相変わらず手を縫いとめられたまま、春歌は嶺二を詰った。
 だが嶺二は春歌の質問には答えず、更に質問を足してくる。

 「だあって君、目もくれないんだもん。でも見た目はちゃんとジェリービーンズだったよ。味は違ったの?」

 「見た目は、って、何を言っ・・・。」

 「だいじょーぶっ。毒じゃないから。普通はね、中の液体だけを、コップ1杯分くらいの水とかお湯に溶かして飲むんだって。」

 「は?」

 

 唐突な説明に、春歌は間の抜けた返事をした。思わず体の動きも止まってしまう。
 嶺二はそれを気に留める風でもなく、相変わらずべらべらと喋る。

 「あの柔らかいカプセルを潰して、中身だけを出して水に溶かして飲んだら、早くても5分かかるらしいんだ。えっとね、250MLの水、だったかな。だけどカプセルをそのまま飲むと一気にくるらしいよ。」

 「・・・はい? どういう意味です?」

 「それは、今から君が解るんじゃない?」

 怪訝な目をした春歌の中で、やり取りの間、一瞬忘れていた卑猥な玩具が突然ぐんと質量を増した。

 今まで2時間近くも挿れられていて、すっかり違和感も麻痺したようになってきていた筈なのに、突然入れ直されたような感覚だ。

 春歌の肩がぴくんと震えた。
 嶺二の目がそれを見つける。

 「僕は使った事が無いから実際は知らないけど、アッチの締まりは良くなるのに、太股の力が抜けちゃって立っていられないらしいよ。気持ち良さは格別だって、このテの話で冗談を言わないヤツが言ってたから間違いないとは思うんだけど、どう?」

 春歌の腰を撫でながらの嶺二の台詞は、最初の数秒以降、耳に入ってこなかった。
 自分の中の玩具が、急速に大きさを増して内部を圧迫して来る。

 呼吸が上ずった。
 太股の感覚が無くなる気がして、咄嗟に嶺二の服を掴んだ。

 「や、先輩っ・・・!」

 「あ、ほんとみたいだ。」

 嬉しそうに嶺二が呟いた。
 まるで、毒を捲いた狭い箱に入れておいた実験中の虫の動きが、自分の思い通りだったと無邪気に独りごちる子供のように。

 「ア、あ、や、ヤダっ・・・・!」

 崩れ落ちそうになる膝を必死で持ち堪えながら、春歌は嶺二にしがみついた。

 「中、がっ・・・大きくなって、何、これ、何なんですかこれっ・・・!」

 目を見開いて呼吸を浅くしながら、春歌が嶺二に詰め寄る。
 傍から見たら、縋っているようにしか見えなかった。

 「中の張型が大きくなったんじゃなくて、君のアソコが狭くなったんだよ。そういう媚薬なんだ、さっきのジェリービンズ。・・・みたいな、媚薬。えへへ。」

 「・・・!」

 顔色の変った春歌を、彼の腕はぐっと自分に抱き込んだ。

 「ぎゅうっと締めつけちゃうらしいよ、収縮してね。要は、男の形や大きさをしっかり感じ取れるってコトだよ。狭い中で一杯にされる感覚が強制的に味わえるから、とっても愉しめるってコト。」

 「・・・いや、いやです、抜いて、・・・早く抜いてっ!」

 「ふうん、いいよ。」

 あっさり快諾する嶺二に少し驚いた春歌を尻目に、嶺二はそのまま春歌のショーツに手を突っ込み、ずるりと張型を引き抜いた。

 「ああああああああああっ。」
 
 途端、春歌は嶺二の胸に顔を押し付けて、襲ってきた強烈な快感に耐えた。

 信じられなかった。
 内側の肉が、ずられる動きについていってソレを離さない。出て行くものを逃すものかと喰い付いて、密着したまま擦られる。ぼたぼたと噴き出す卑しい蜜が自分の内股を濡らしていった。

 「うわぁ、なんかすごいなあコレ。僕の手、今すっごい濡れたんだけど。これはちょっと想像以上かな。抜いただけでこんなになったら、押し戻したらどうなるんだろ。」

 すぐ目の前から聞こえる言葉尻に茶目っ気を捉え、春歌は背筋を震わせた。
 拒否しようとした意思がぱらぱらと無くなる。口がぱくぱくするだけで言葉にならない。
 
 背筋の震えが怯えなのか期待なのか、既にその境目がつかなかった。頭の奥から急速に細胞が膨れ上がっていく。熱に。渦に。浅く短くなる呼吸に突き動かされる真っ白な高みへの欲求に押し上げられる。自分の体が自分のものでは無くなって行く。滑り込むように泥酔する感覚。

 「さ、また入るよー。」

 「ああああーーっ――――――-ッ、っ・・!」

 景色が消えて、春歌はその場にへたり込んだ。
 実際は膝を着く前に嶺二が抱えてくれて、座り込んではいなかった。

 体を抱えられて喰いつかれるように口を覆われた。達しながらも、そこまではハッキリと覚えていた。そこまでは正気だったと後から思った。達した余韻で霞がかった頭がそのまま普段のようには晴れず、次に視覚が認識したのは白い海だった。

 

 


 

 その白い海は冷たくて、柔らかい。清潔な石鹸の香りがした。

 握りしめる指が自分の手だと自信が無い。
 
 (これはシーツだ。)
 
 そう思った時、またぬるりと口の中に覚えのある粘膜の個体が入り込んできた。
 嫌な記憶が蘇ったが、今度は甘ったるいコーヒーの味はしない。ただ、生き物みたいに口の中を這う感触に鳥肌が立つ気がした。

 その鳥肌が悪寒では無くて、悦びによるものだというのだけが妙に解る。

 濡れたそれが春歌の舌に絡みついて根をくすぐる。自分の体がどこに行ったか判らない。というより、気持ち良くてそれだけで、体など無いような感じだ。どこからが顔で、そもそも大体、自分に顔などあったのかとすら疑問だ。

 「自分で拡げて、ちゃんとおねだりして。」

 どこからか声がした。

 どこから降ってくる声か判らない。

 誰の声なのかすら理解出来ない。ただ、知らない相手じゃない。
 自分は動いているのだろうか。それとも、ぐったりと気絶でもしてるのだろうか。強請れと言われても、従いも反論も出来ない。そもそも、自分は今起きているのか。

 確認できない。
 今度は違う方向から声がする。

 「こんなになって・・・可愛い。」

 ぐるぐると世界が回っている。
 なのに、自分の体は地面に重力で引き付けられたままで、もがくのもままならない気がする。

 耳元で、誰かの激しい息遣いが聴こえる。
 甘く切なげで、苦しそうだと春歌は思った。

 四方八方から声がする底の世界。ただ気持ちが良くて、それだけの中で、熱いも冷たいも判らなくて。
 自分が五体を満足に持つ個体ではなく、軟体に成果てた感覚を彷徨っていたのはどの位の間だったのか。

 声も、回転する世界も、夢の中で見る夢のようで、やがて消えた。



 






 「・・・・。」

 瞼を明けようと思った。
 久しぶりに、体が自分の意思を感じ取った。
 
 

 頭と首が繋がっていて、手と足を持っていると実感する感触。
 
 指先の感覚が、腕を通って脳をつん、と刺激した。

 

 意思も持たずに漂っていたような夢から覚めて、春歌は暫く目を瞑ったままじっとしていた。
 上手く体が動かせないのもあったが、中心がどろりと粘る頭を動かすのに手こずっていた。手の指を曲げ、自分の力が体に効く事を確認する。

 体が重い。
 上に乗っている何かも重い。冬用の厚い布団でも掛けられていると思った。

 ここは、だとしたら、寝る場所なのか。

 そう考えて、腕を動かす。
 感触に記憶が捲られる。多分指先に当たっているのはシーツだと、春歌は判断出来た。やはり寝床だ。

 と言う事は、自分はやはり眠って夢を見ていたのだろうか。

 鈍く唸る頭を強制的にのそりと動かした春歌の目に映った景色は、眩しい太陽の光が一筋差し込むカーテンの見慣れない柄だった。

 (朝・・・? 明るい・・・。)

 交差する記憶が頭に幾つも、ぐにゃりと曲がって浮かんでは消える。
 
 
 どれとしてハッキリしたものは思い出せない。起きていた実感が無かった。総てが朧だ。何より起き抜けの頭では、あまり色々な事は考えられなかった。

 洩れる光から、時間は少なくとも日が高い頃だと確信する。
 起きなければ。自然にそう思い、だるい首を横にゆっくりと向けた春歌はそのまま固まった。

 
 「・・・な・・・?」

 
 知らない部屋で裸のままベッドに居る自分と、そして。

 
 「いちの、せ、さん・・・・。」

 
 良く知る顔が、隣で眠っていた。
 その男も裸で、春歌の腰を抱くように腕に囲って。




       


             

              To Be Continued・・・
           







         次回第6話は、12月22日頃に掲載予定です。
         が、年末になるので、予定は未定です・・・。スイマセン・・・。 






     

 



 
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プロフィール

みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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