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曹操SS

 
 月 夜 

 

 ゆっくりと、怒ったような目を向けられた。

 長椅子で隣から間合いを詰められて、後ずさろうにも後ろが無い。

 「曹操、待って・・・!」

 「待てんな。答えて貰おう。夏候惇と何をしていた?」

 「何もしてない、本当よ。」

 「ほぅ・・・? あの夏候惇が、お前に菓子をくれてやるなど、どういう天変地異の前触れかと思えるがな。」

 「お菓子を貰っただけじゃない!」

 思わず張り上げた声に、曹操は顔を曇らせる。

 「私は見ていたのだぞ。お前と夏候惇が、今のお前と私ほどの距離で笑い合っていたのをな。それを、それだけ、などと言うのか、お前は・・・。」

 ああもう。どうしてこの人は普段の冷静な策士の顔を、私の前ではすっかり投げ捨ててしまうのだろうか。
 確かにそんな彼の一面が嬉しい。でも、どうにも心配性で、正直扱いに困る時がある。

 誰もがとっくに寝静まっているだろうこんな夜中に、どうして私はこんな目にあっているのか。

 彼は、今日は1日中仕事が詰まっていたようだった。
 お茶を出そうと部屋を覗いたら、あまりに忙しそうで本当にお茶を置いてさっさと出てきてしまったほどだ。だから、寝しなにいきなり尋ねて来た時は驚いた。

 しかも、あれほど忙しそうにしていたのに、いつ部屋を出たのだろう。
 確かに、夏候惇から、女性に菓子を贈られて困っているのでお前が食べろ。と、強引に焼き菓子を握らされたのは曹操の部屋のすぐ近くだった。
 
 それにしても、いつの間に見られていたのか・・・。思い返せば、そろそろお茶を飲んだだろうかと、湯呑みを引き取ろうと曹操を訪ねようとした時だった。私がお茶を出した事で、仕事をする気を削がれて外にでも出たのだろうか。

 そう思うと、そんな忙しい最中の休憩で、他の男性と仲良さげにしてると思われても仕方ないような場面を見せた事は配慮が足りなかったかもしれない。
 哀しそうに黙って目を伏せる彼が、帰る場所を失くした子犬のようで、私はそっと抱き締める。

 「曹操、本当に何も無かったのよ。夏候惇はね、どこかの女の人が、会うなり無理矢理お菓子を押し付けて行ったって困ってたの。それに、人からおすそ分けを頂いたら、笑顔でお礼を言うのは当たり前だと思うの。」

 出来るだけ刺激しないように、小さな子供に言い聞かせるように言葉を選ぶ。
 
 乱世の奸雄。
 この大陸でそんな仇名を付けられるような彼が、実はこんなにも精神的に脆い部分を持っている。それを支えるのは私の運命であり使命。そう思っている。

 「本当に、夏候惇はお前に菓子を渡しただけなのだな・・・。その菓子は、夏候惇を慕っている女が無理矢理夏候惇に押し付けた物なのだな。夏候惇が、お前に渡す為に用意した物では無いのだな。」

 「そうよ。」

 「そうか・・・。」

 納得してるのかどうか微妙な息を吐く。でも、強張っていた肩の力が少し抜けたようにも感じられた。

 「お前は、決して私の元からいなくなってはならない。何があっても私の傍を離れるな。私の覇道の行く末の最後までを、必ず見続けるのだ。約束してくれるな?」

 「・・・うん、大丈夫よ曹操。貴方の傍を離れたりしないわ。約束する。」

 「関羽・・・!」

 曹操の大きな体が私の体を抱え込む。全く身動きが取れない。
 抱きしめられていた体が、曹操によって横抱きにされ、寝台へ寝かされる。覆い被さってくる彼。

 「曹操っ・・・。」
 
 他意は無かった。反射的に、上から迫る彼の肩を抑えてしまっただけだった。
 だけど彼にとって、それはこの上ない拒絶に取れたようだった。

 「どうして拒む?」

 「ちがっ・・・ビックリして反射的に手が出たのよ。もう夜中だし寝ないと、曹操こそ、明日の仕事に響くから心配してるの。それだけよ。拒んでなんかいないわ。」

 曹操の目の暗さが変わる。こういう目をしている時の彼は、私を手に入れる為に策を巡らせている時だ。奸雄である頭脳の明晰さで、自身の渇望の満ちを成そうとしている目。

 「・・・そうか。」

 そう言うと、彼は私の上から少し身を引き静かに言った。

 「拒んで無いと言うのなら、夏候惇と何もないと言うのなら、私を求められる筈だな。」

 「え。」

 「私を誘って見せてくれ。ほら、自分で脱いで。」

 「え、ええ? ちょ、だからもう寝たいんだってば・・・!」

 「・・・・駄目、なのか・・・?」

 (ああ、またそんなズルい目をする・・・!)

 時折見せるいつもの彼の目に、どうしても弱い。私は意を決して脱いだ。でも恥ずかしくて、胸を隠して背中を丸めてしまったけれど。それでも脱いだ。

 だが彼は、それで満足してくれなかった。

 
 「ああ、綺麗だ。お前は本当に綺麗だな・・・。さ、私を求めて見せてくれ。」

 「?」

 「お前が、私に触れられずとも、自分の意思で私を迎え入れる準備が出来るほど私を思っていてくれるのだと、それを実感したいのだ。だから、いつも私が居ない夜は、どうしているのか見せてほしい。」

 「え、な、な・・・っ。そ、そんな、曹操が居ないからって、何もしてないわ! 普通に寝てるわ。」

 「なんだ、お前は私が居なくて寂しい夜はないのか? 私が戦場に出ている夜も多々あるだろう。私なぞ、お前に会えない日は、この世の終わりのような気さえするというのに・・・。」

 「曹操・・・・・。」

 私の前でうなだれる。この彼に弱い。本当に弱い。そんな私は愚かな女だろうか。
 だが彼は、驚きのあまり黙っている私の考えをどう読んだのか、いきなり両腕を掴んで、自分の帯で頭上に結び付けてしまった。

 「ええ? なんで? なんで縛るの? やだ曹操、解いて!」

 「ん? なんで、とは・・・ふっ・・・、おかしなコトを言うな、お前は。」

 意地の悪い笑み。嫌な予感がする。

 「今、お前に腕は必要ないだろう。お前は、今私が目の前に居るから、私に全て任せてくれるという事なのだろう。ああ、それでいい。折角私が居るのだ。自分で準備をする必要は無いな。・・・まぁ興味はあったが、それは又の機会にとっておこう。」

 「ムチャクチャだわ!」

 最近の曹操はいつもこうだ。
 駄々をこねる子供のような屁理屈で、私を困らせ捩じ伏せる。

 「何がだ? 元はと言えば、お前が夏候惇と顔を寄せ合って楽しげに話などしているからだろう。私の心を乱した責任は取って貰おう。」

 (この人はほんっとにもう・・・!)

 だけど、言い返せない。
 そんな曹操が好きで一緒に居るのだから。

 彼の指が、首筋から徐々に下がり肌をなぞってゆく。彼は今きっと楽しんでいる。私がどんな反応を見せるかを待っているのだ。恥ずかしくて怖い。きっと彼の望み通りの反応を示してしまう自分が恨めしい。

 胸の上で止った指が、そのまま既に固く勃ち上がっている天辺を転がす。
 その行為で、彼を受け入れる部分の奥がきゅんと締まる。これだけ彼を覚えさせられているのに、まだ知らない先があると思える。それが怖い。

 「どこに触れてほしい? お前の命の通りにしよう。私はお前に悦んで貰いたいのだからな。」

 (嘘つき・・・!)
 
 楽しんでいるだけなのに、この傲慢な言い草と来たらない。
 それが証拠に、薄ら笑いを浮かべて人の体を撫で回している。敏感な場所を敢えて避けて、私の口を割らせるのを目的にしている。

 「何も言わぬのなら、私の好きにさせて貰うぞ。まぁ想像するのも容易いが、どうせもう濡れているのだろう。面倒な手間は抜きにして・・・ココにさっさと入れて掻き回す方が望みかな。」

 そう言い、下半身に指を当てる。
 曹操の指が柔らかい割れ目を拡げ入口を軽く擦った時、くちゅりと音がした。

 「あっ・・・!」

 堪らなく恥ずかしい。あんな風に少し触れられただけでこんな音を立てる私の体を、曹操の前に晒している現実が恥ずかしい。

 「そんなに期待していたのか、眠いと言いながら・・・くくっ・・・。」

 「ちがう・・・。」

 喉の奥で含むように笑う曹操が憎らしくて反論する。でも強い反論が出来ない。出来るわけがない。どうしようもない理由を彼の目に見せている。

 くぷっと、指が中に入る。

 「ああん。」

 「もうそんな甘い声を出して・・・。ああ、さっきの私の言う事を聞いているという訳か・・・。私を求めているのだな。よしよし、可愛いお前の望みだ。」

 抵抗しようにも腕が動かせない。動かそうとするとぎりっと喰い込む布が解けない。それに興奮してしまう自分を振り切りたくて、ぎゅっと目を閉じる。
 
 唇を重ねられた。
 舌の先を舌と唇でくすぐられ、下腹の中心から繋がる体中の神経路が麻痺しそうになる。気持ちがいい。

 好きな男にされる口づけは痺れ薬だ。何もかも、思考すら奪う。判断力さえ、善悪の区別さえ奪って行く。これが堕ちるという現象だと、曹操に愛されて知った。

 「ほら、入るぞ・・・。」

 「んぁああああああんっ!」

 あまり慣らさずいきなり太いモノを捩じ込まれて、体が悲鳴を上げる。
 それでも潤っていただけあって、待っていたとばかりに彼を締めつけた。

 「っ・・・お、まえ・・・いきなり・・・そんなに欲しかったのか・・・素直に言えば、昼間でもこうしてやったというのに・・・。」

 息を荒げる彼の色気に指先まで濡れた気になる。
 彼のかたちや大きさを中で貪欲に感じ取ろうとする抑えられない本能に翻弄される。

 「どうだ、嬉しいか。入れてすぐ締めつけるほど、私に抱かれたかったのだろう・・・? ここも、こんなに固く尖らせて・・んっ・・・。」

 「ふぁああああ。」

 乳首に吸いつかれ、体がのけ反った。
 乳房全体が張ったように興奮し、先端など固く勃ち上がって痛いくらいだった。そこに吸いつかれたせいで、結合部は余計水音が大きくなった。

 私の躯をがっしりと掴み、曹操が腰を打ちつけるように動く。

 今日の彼は、最初から目的が決まっているといわんばかりの勢いで動いた。

 その激しさで乳房が揺すれる。刺さる視線に震える。彼の視姦で体中にゾクゾクと得体の知れない甘い何かが走り抜ける。大きくて長いそれが子宮の入り口をガツガツと穿ち、痛みなのか快感なのか最早解らない。

 相手の良い場所など探す気は更々無い自分勝手な挿送。欲しい―――――――― それだけで襲いかかる純粋な雄としての獰猛の衣を纏い、私を犯す彼。
 そして、それを嬉しいと思う愚かな女に成り下がる。選ばれて壊される被虐に酔う、悲劇のお姫様気取りの享楽に溺れる私。お互い様だ。

 愛してる。愛してる。愛してる。
 それだけを心中で唱えながら、絡み合う至福に酔っている。
 
 唇も歯列も嘗め回され、どこにも逃げ場の無い中で、彼のものが一際大きくなったのを感じた。


 「中に出すぞ・・・。」

 「はぁん、だ、だめぇっ・・・!」

 「ふ・・・最初から締めつけておいて何を・・・孕め、私の子を。」

 縛られた手首をぐっと片手で抑えつけられ、反論する口を塞がれた。
 
 腰をビクビクと震えさせ、曹操が私の体内に熱い体液を迸らせる。
 彼が体を離した時に、栓を失い溢れ出たそれにすら気を向けられない程長い事揺すられていた私は、そのまますっと眠りに落ちた。



 
 
 翌日の晩。

 今夜の月もまた綺麗だと思い、部屋の窓から夜空を見上げていた。
 今日は昼間、夏候惇と夏候淵と一緒に、剣の練習をしていた。途中で曹操が通りがかったが、特に何も言わなかった。

 だから多分、彼は今日もこの部屋へ来るだろう。

 子供のように拗ねた目で、どうして時間があるのなら、自分の部屋に来なかったのだと。なぜ別の男の相手などしていたのだと。

 繰り返される夜の伽。 
 彼は拗ねて、甘える。甘えるとは何かを知らなかった彼が、甘えられる方法を見つけた。
 
 なぜ、どうしてと子供に還って問い拗ねるそれは、母の膝に乗る幼子の普遍のようだ。 
 彼の持っていなかった何かを持たせてあげられるよう、思う存分甘えられるように、今夜も優しく彼を抱き締める。

 そして、拗ねて甘えて、通らない理屈と理由を並べ、強引に男の望みを満たそうとする彼に応える。
 彼の望みをこの腹の中で成そう。
 
 嗚呼、私は彼の言うとおり、彼の居ない夜も彼を想わずにいられない道を選ぼうとしているのだ。彼の血を継ぐ者を慈しむ道を。

 ほら、足音がする。
 今日は何と言って私に難癖をつける気なのだろう。そんな彼が愛おしい。月が綺麗。



 

                     


                               fin







 

 
 

 
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みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
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にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

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だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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