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最愛

 
 本家ブログのアニバーサリーSSです。
 只今連載中の リトルバイリトル は、今週末辺りに最新話に更新します。
 黒い嶺ちゃんです。ちょっと病んでるかも。R18ではなく、R15くらいになってます。皆様これからもよろしく遊んで下さいね。という、感謝の気持ちを込めて、読んで下さっている皆様へ。なのにこんなんでスイマセンwww






最 愛



 「どーすんの~? コレ~? どうするつもり~?」

 泣きそうな春歌を前に、僕はUSBをぽーんと天井へ高く放り投げた。
 ぱすん、と手に落ちてきた小さなスティック状の記憶装置。指で挟んでくるんと廻す。

 「後1週間しか無いのだよ、後輩ちゃん。1週間は何日ですか?」

 「・・・7日、です。」

 「はい良く出来ましたぁ~ってね、・・・ソコがよく出来たってしょうがないの。何にも進まないの。君が、曲きちんと上げてくれないと、僕たちまとめて共倒れなの!」

 「私、間違いなくちゃんと、データは入れたんです・・・。」

 「だから、それは何度も聴いたよ。でも、実際問題入ってなかったんだから仕方ないでしょ。早くおんなじモノ作って、ソッコーで提出してよ。じゃないと、僕もトッキーもおとやんも、いつまで経ってもレコーディング出来ないでしょ。」

 「はい・・・今からすぐやりますので。」
 
 「出来るの?」

 「はい。曲は覚えていますから・・・。アレンジも、自分でしたので、本当に細かい部分だけは元と少し違ってしまうかもしれませんが、人には解らない程度だと・・・。」

 「ダメ。完璧に再現でよろしく。これは仕事だよ。」

 「・・・わかり、ました。」

 
 仕事上の失敗である以上、無理矢理な注文にも返事をするしかなくて、春歌は泣きそうになっていた。
 
 3人で曲を出す事になり、春歌が作曲する事になった。ほぼ出来上がって、詞もついていた。細かいアレンジだけリテイクが出ていて、それが終わって最終的な3人での掛け合わせを練習したら、レコーディングするだけだった曲。

 それをどうしてか、彼女は紛失してまったのだ。USBに確実に取り込んだ筈なのに、だ。
 なぜなら春歌は、データが取り込まれているかどうか、処理後きちんと確認したから間違いないのだそうだ。

 なのに、僕に渡したそのUSBに、データは何一つとして入っていなかった。

 と、僕に指摘され、そんな筈無いと大慌てで自分のPCで試した春歌は、自分のパソコンからもデータが消えている事に呆然として、頭が真っ白になってしまっていた。

 「ねえ、泣きそうな顔してる。泣いちゃう?」

 横から顔を覗き込む。笑いを堪えてるのがバレないように。
 彼女が、まさか、という表情を一瞬見せた。
 それでも、見当違いを口にした場合が怖くて、尋ねられないみたい。

 「ねぇねぇ、僕が、一瞬でデータをどっかから取り出してあげてもいいよん? 僕、魔法使いだからさ。出来るかもよ~? 春歌ちゃん次第・で・ね。」

 「!」

 僕の意地の悪い言葉を聴いた時の春歌は、ひどく絶望的に見えた。
 
 「やっぱり嶺二先輩が・・・! ひどい!」

 「なにが?」

 「データ、先輩が消したんですよね? どうして、どうしてこんなコトばっかり・・・!」

 「どうして?」
 
 ぴんっとUSBを弾き飛ばす。

 「拾いなよ。」

 僕の声が変わったのに気付いた春歌の体が強張る。
 諦めに似た感覚だろう。無言ででしゃがみ込み、床に落ちたUSBを拾った。

 拾った途端、彼女の体をそのまま床に組み伏せる。

 「・・・いやっ!」

 「うるさいなぁ。黙りなよ。可愛い啼き声をあげるのは歓迎するけど、僕を否定する言葉は許さない。」
 
 そう言い放つと、彼女の体が軽く固まる。

 「そんな反抗的な態度でいいの? 困るんじゃない? 君だけが困るんじゃなくて、トッキーも困っちゃうと思うけどねえ。自分の失敗を放置して、全然関係無い仕事仲間に迷惑掛けちゃうつもり~?」

 「先輩・・・一ノ瀬さんが一緒の仕事だから、こんなコトしたんですか・・・?」

 「何言ってるの。別にトッキーは関係ないけど? どうしてそんなコト言うワケ。そんなコトよりこういう場合、君はどうするべきなんだろうねえ・・・。」

 今度はからかうように、春歌の耳元で囁く。
 身を固くして涙を浮かべ、唇をきゅっと真横に結んでいる春歌を更に床に押し付けて言った。

 「僕、今日は気が短いような気がするんだよねん。君がつまんないコト言ったりするから。ふふん、どうしよっかな~。ストリップでもしてくれる。それとも、コッチにしよっか。」

 か弱い女の子の抵抗なんて、男の僕にはなんて事ない。嫌がる声も聞こえないフリ。

 あっという間に春歌の下半身を裸に剥くと、僕はそのまま剥ぎ取ったスカートとショーツを持ってリビングを出た。
 すぐ新しい衣類を取って戻って来ると、春歌が、裸にされた下半身を隠す物を探して座り込んだままオロオロしてる。可愛い。僕が居なくて困ってる春歌、とっても可愛い。もっと困ればいい。

 「これ着て行きな。」

 ぱさっと、微笑を浮かべて、春歌の膝の上にそれを掛ける。
 恥ずかしそうに手早くその布を手繰り寄せながら、彼女は僕に背を向けて、改めて手にした衣類を広げた。

 「え・・・。」

 「下着は無しね。学園のレコーディングルームにおとやんが居るから。これ渡して来てよ。服、丁度色合いが上下合ってるね、良かった良かった。おかしくないよ~良かったね~。」

 「こんなの、履けません。」

 仕事の資料をばさっと床にばら撒き、ソファに沈み込んで座ってゴロゴロと姿勢を変えながら笑う僕に、小さな声で春歌が訴えた。

 「な~んで。大丈夫だよ~ん、座らなきゃ、中まで見えないよ。立ってればギリギリ大丈夫。そのスカートさぁ、こないだ出たバラエティで使ったんだけど、収録後に間違えて持って帰ってきちゃってさ。その時はシマッタ! って思ったけど、スタイリストさんが、サンプル品だから要らないって言うからさ、ちゃんと君の為にとっておいたんだよ。ぼくちん優しいなぁ。デザインは結構可愛いでしょ。」

 春歌が大粒の涙を零し、しゃくりあげる。
 クッションを抱いてごろりと仰向けになっていた僕は、肘で体を支えて、クッションを押し付けた口元から話しかける。笑い出したい声音がごまかせて、これ便利。

 「あ~あ。泣いちゃった。そんなに恥ずかしいんだ~ミニスカート履くのが。平気でおとやんに愛想振り撒いて、無防備に胸の開いた服でくっついて打ち合わせできるクセに。」

 「ちが・・。私、愛想なんて振り撒いてたつもりは。」
 
 涙で言葉が続かない。
 泣いてる彼女、とっても可愛い。ほんと、何やっても可愛いんだ。もっとイジメタイ。

 「トッキーと3人でやるこの仕事決まってから、一緒にご飯食べたりしてるよね。こないだなんて、わざわざトッキーを呼び出して部屋で2人きりだったんだってね。何するつもりだったのさ。トッキーが君を好きなのなんて、解り切ってるのに何やってんの?」

 「あれは、どうしても一ノ瀬さんの時間が合わなくて、仕方なくて・・・だって一ノ瀬さん忙しいから、何とか時間を作らなくちゃならなかったんです。それに、一ノ瀬さんが私を好きだなんて、それは、嶺二先輩の・・・思い違い、です。」

 「ふぅ~ん。今度は口答えと来たか、先輩に。」

 一瞬ムッとして、僕はソファから滑り降り、春歌の顎を掴んだ。

 「やっぱりシャイニーさんの方針は一部間違ってると思うなあ・・・。アイドルじゃなくても、作曲家だろうが作詞家だろうが、ちゃんと先輩がついて躾しないとイケナイよね。先輩に口答えするような悪い子、ど~すんのさって話。それに。」
 
 僕は冷たい目で彼女を見降ろしたまま、話し続ける。

 「恋愛禁止を判ってて僕と付き合い始めたっていうのに、彼氏以外の男に愛想振り撒いたり、2人きりになるように部屋に誘ったり、どこまで男好きなの、君は。こんな子じゃ、恋愛禁止どころじゃないっての。」

 「違います。私は、嶺二先輩しか好きじゃな・・。」

 「うるさいな。」

 「っ!」

 顎を掴む手に力を入れられて、春歌は顔を顰めた。

 「早くおとやんのトコロに行きなよ。気をつけないと、下に何も履いてないってバレるよ。精々気を張って、隙を作らないようにする練習をしないと。これは、君のため。」

 彼女の乾いた唇をぺろりと舐める。
 こうやって、誰か違う男に逢っている時も、僕の存在を強く思わざるを得ない状況ばかりに身を置かせてあげる。そうすれば君は、そのうち本当に、僕の事しか考えられなくなるだろう?

 彼女と付き合える事になった時は、本当に嬉しかった。
 後輩のひよっ子どもとはいえ、並居る強力なライバルを出し抜いて何とか手に入れたと思ったら、中々どうして、学園生活を一緒に過ごした絆はなるほど、かなり深いらしい。

 何かというと、春歌に連絡をしてくる。やたらと理由をつけては、彼女と一緒に居ようとする。
 僕と春歌が付き合ってる事は、この業界・事務所に居る以上、絶対の秘密。だからアイツらが、僕の彼女だって知らなくて手を出そうとしているのはしょうがない。でも、呑気に誘いに応じてる春歌には本当に腹が立つ。

 友達? 仲間?
 それ、彼氏である僕以上に大事なモノなの? 教えてよ。そうだと言うなら、僕がそれに納得できる説明を理路整然とやってのけてよ。

 何度かは黙ってたよ。仕方ないよね。この業界、人付き合いは大事な武器だ。
 だけど、限度があると思うんだ。
 おとやんもトッキーも、どんなバカが見ても彼女に好意を持っている。女として意識してる。隙あらば手篭にしようって手を拱いている。どうしてそんな貞操の危機が解らないのか、見てて苛々するよ、彼女は。

 何度抱いても、何回キスをしても、不安でたまらない。
 君はすぐに誰かに浚われそうで、そしてそんな僕の心許無い脆いハートに、全く気付いてもいやしない。

 最近気付いたら、意地悪ばかりしてた。だけど、やめられない。
 僕のせいで泣いて、僕のせいで体を震わせて、だけどそれでも僕に着いて来てくれる君が見たい。泣かせた後で優しく抱き寄せると、ほっとした顔で僕に身を委ねる君が、愛しくて愛しくて。

 もっと苛めて、追いつめて、優しくして、また壊れるまで苛めてやりたい。そうやって僕だけのモノにしかなれなくなっちゃえばいい。僕だけに怯えて、僕の優しさだけにホッとして、僕の愛の天気だけが、彼女の毎日の指針になればいい。

 「お願です先輩・・・こんな短いスカートで外に出るのは、どうしても、お願いだから。」

 泣きながら僕の服をぎゅっと握って、必死で訴える可愛い春歌。
 彼女の数分後、数時間後の未来を僕が握ってる。嬉しくてたまんない。僕に媚るしか、今の彼女に術は無い。

 両手で頬を挟み込み、キスをする。
 深く深く。
 
 息が止って、彼女が僕の腕の中で事切れてしまってもイイと思いながら、激しく口づける。誰にもあげない。僕だけの可愛い恋人。スキだらけの君のその意識、全部、僕で埋めてあげる。

 キスをしながら指で胸をなぞると、彼女が少し身を捩る。だけど僕は躊躇わず、そのまま柔らかい胸を鷲掴みにして、撫で回す。

 ココで僕を否定する言葉を口にしたら、絶対この格好で外に出してやるんだ。僕を拒んだ事を後悔させる為に。

 「あ・・ん・・・。」

 甘い吐息を洩らし、僕の肩にしな垂れ込む春歌を、ぎゅっと抱きしめ、耳元で囁く。

 「今から僕の上に跨って、可愛く腰を振って踊れたら、許してあげるよ。」

 潤んだ瞳が見開かれた理由が、絶望なのか悦びなのかは判らない。まぁ別にそれは、どっちでもイイ。

 
 だってどっちを選んでも、どうせ行きつく先は僕の罠。必ず嵌まるように、たくさん仕掛けてあげるから。僕のすべてで。


 愛してる。君だけを。君を仕留める事だけを考えて生きている僕の愛は、最上級だよ。わかってほしい。愛しい君をぐちゃぐちゃに潰したその甘い汁を啜って満足したいんだ。僕の生きる糧。

 誰にも、あげない。


 

 

 
 
 
 
 
                        fin


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蘭丸サイドストーリー

 
 妄想ファミリーさんにゲスト参加させて頂いた、DearMyLover収録の、シークレットレッスンから、サイドストーリーとして蘭丸のモノローグSSです。
 本編をご高覧頂いた方へ感謝を込めて。本編と合わせてお楽しみ頂けると幸いです。次回、嶺二目線のサイドストーリーを1週間後くらいに掲載予定です。



 
 

 「ねえねえ黒崎君、この後何もなかったら、一緒にご飯でもどう? ○川さんと△山クンとかも来るからさ、おごるよ、焼き肉!」

 「マジっすか。じゃあ腹一杯喰わせて貰いますけど、いいっすか。」

 「いーよー! 行こう行こう! さ、早く。」

 普段から、なぜかこんな俺に目を掛けてくれてる、お世話になってるプロデューサーがいるんだが。
 このおっさん、たまにこうして番組収録がハケた後、飯に誘ってくれる。ありがてえ。飯代が一食分浮くだけでなく、それが肉となると更に有り難みが増す。後光が差して見えるぜ。

 店について、大ジョッキでがぶがぶビールを飲んでる他の数名を尻目に、俺は酒は然程口にせず、黙々と肉を焼いて喰っていた。

 勿論、奢って貰ってる手前、最低限の話の相槌は打っている。普段の俺の食卓ではありつけない上等なサシの入った肉を喰う事に必至でも、金を払ってくれる相手をないがしろにしちゃいけねえ。

 向こうも次第に酔いが回って、最初はそれこそ真面目にくっちゃべってた仕事の話も、そのうちどうでもイイ話が主になってくる。
 
 そうなると俄然、俺も心おきなく邪念無く、更に肉を喰う事に集中できてありがてえ。
 だが。

 「そーいえば黒崎君は、処女が面倒だからイヤ派だったよね~。」
 
 「!」

 むせそうになった。

 「な、なんすかいきなり・・・いや別に、イヤとかじゃ。どうでもいいってだけで。」
 
 慌ててビールをぐびっと飲んだ。
 やめてくれその話は。奢りでこの肉でも、やめてくれ。

 「いやいやチョット話し合おうよ~。処女が面倒かどうかだけど、ま、俺の観点から言わせて貰うとね・・・。」

 今日この席で初めて顔を合わせた、○○TV局の統括マネージャーとかいうヤツが、横から自分の意見をべらべら喋り出してくれたお陰で、俺はそれ以上意見も求められず、何とか聴いてるフリに徹することが出来た。

 ったく、俺はそのテの話は得意じゃねーんだ。
 
 つうか。
 そういやどうやら俺が知らなかっただけで、コトの起こりはそれらしい。

 一緒に飲まないかと、いきなりレイジに誘われた時は何も考えていなかった。アイツはいつだっていきなりだからな。
 ところがあの野郎、俺が実際部屋に行って、それなり飲んでイイ具合になってから切り出しやがった。ほんっとアイツは昔から、へらへらしながら要点は絶対外さねえ。敵には回したくないヤツだ。抜け目が無いんだよ、芸歴長いだけある。

 俺はどうやら、どっかの現場で休憩中に、その場に居合わせたヤツらとの会話の中で、処女が面倒だと言ったらしい。
 そう言われリャそうかもしれねえ。つうかそんなコトいちいち覚えてねえよ。その時だって、どうせ周りがやかましいから、適当に答えて話を終わらせようとしてただけだろう。
 
 それを、あの女は聴いていたと言う。
 しかも、あの女は俺に惚れていて、それを聴いて、自分はこのままだと相手にして貰えないのではないかと思い込んだのだと言う。

 頭おかしいんじゃねえのか、あの女。
 
 そこで何でレイジに抱かれるって選択肢が発生すんだよ。バカだろほんとに。レイジもレイジだ。どんだけ惚れてたんだよ、あんなぼんやりした女に。
 普段絶対、自分に有利な案件見落とさないお前が、なんでそんな選択肢を取る女がお前に惚れてないなんて、ありえねえ勘違いしてんだよ。あんな女が、好きな男以外に好んで股開くわきゃ無ぇって、猿でも判るぞ。レイジは猿以下だ。惚れすぎると、人間色々間違えやがる・・・って実感させて貰った。

 俺も、間違えた。

 レイジが先に手を付けた事が、そんなに許せなかったのかよ、笑えるぜ。
 自分が信じられねえ。悔しくて、あいつらメチャクチャにしてやりたくて、好きな女にレイプ紛いって、なんだ俺。最低だな。自分がバカだってのは判ってたけどよ、最低だとは知らなかったぜ。

 だけど腹が立ったんだよ。
 レイジはレイジで、僕は春歌ちゃんが可愛いだけなんだーなんて、何気取ってやがんだ。本人まったく気づいて無ぇから救いようがなかったが、天井から台風吹き荒らしたような背景背負いながら、俺にあの女と付き合ってやってくれときたもんだ。笑えてない顔で、あの女を俺に宛がおうとしてやがって、バカもあそこまで行くと末期だぜ。

 それにあの女。
 あの女もバカの極限だ。惚れてる男の前で、俺に抱えられるまでに時間もやったのに逃げもしねえとか、アホだろ。あんな風に怯えてたって男を煽るだけなのによ。2人して自分の気持ちすらわかんねえで、俺をダシに抱き合ってたとか、ざけんなよマジで。クソみてえな配役されたんだ。欲求くらい解消させてもらって当然だろ。


 無理矢理貪ったアイツの唇。
 綺麗な肌。柔らかくて、甘い乳房。触った途端、俺の全身の血が沸騰したかのようになったアイツのあの躯。
 
 これを全部、毎日レイジが好きに弄り回してたのかと思ったら、止められなかった。レイジに絶対的な敗北感味あわせてやんなきゃ気が収まんねえって思った。俺と同じ思いをさせてやるって、醜すぎだろ、俺。無ぇわ。

 「あの子、ランランの事が好きなんだって。ランランに抱いてほしくて、僕の言う事聴いてたんだよ、健気でしょー。だからしてあげてよ、ね、ね。大丈夫。もう何やっても感じるから。僕ちんがちゃんと、女にしておいたから。大人しい子だからさ、ムリヤリ気味にでも強引にしないと、いつまで経ってもランランに告白出来そうもないんだもん。」

 あのバカ、あの台詞をどのツラ下げてって、思い出すと腹が立つ。
 俺に抱いてほしいからじゃねえだろ。おめーが好きだから、おめーの言うコト聴いてたんだろが。判るだろ、猿でも蟻でも判るだろ。判んねえならもう死ね。

 高い肉から順番に平らげながら、「絶対渡さない。」そう言い切りやがったレイジの顔を思い出す。

 ムカつく。ざけんなよ。
 アイツは俺でイってたんだ。俺のが良かったってコトだろうが。それをあの後レイジの野郎、どう言い包めて取り成したんだか・・・。

 いや、わかってる。
 猿でもわかる。と、さっき自分で決め付けた通りだ。

 あの女はレイジが好きなんだ。それだけだ。俺がどうしようが、レイジが何を言おうが、結局あの女はレイジに惚れてて、レイジのモンに収まるしかないってコトだ。

 この敗北感。ムカついてしょーがねえ。
 敗北感だけじゃねえ、なんだこりゃ。あの女が俺以外の男の隣で笑ってるどころか、その男に好き勝手触られてんのかと思うと。

 あの女が、それで幸せなんだと思うと。

 痛ぇ。
 痛ぇんだ、なんか、この辺り。胸の中の真ん中が。

 


                       fin









 
 

嶺二サイドストーリー

 
 妄想ファミリーさんで参加させて頂いた、DearMyLover掲載の シークレットレッスン のサイドストーリーになります。
 春ちゃんを好き過ぎて、自分の気持ちもゴチャゴチャになっちゃってる嶺ちゃんのモノローグSSです。本編をご高覧頂いた方へ、少しばかりのお礼を込めて。本編の派生は以上でゴザイマス!



 
  
 僕は、アイドルだ。
 アイドルの定義も色々あれど、少なくとも僕は自分自身では、所謂王道の、キラキラのアイドルをやってるつもり。

 女の子にキャーキャー言って貰って、歌って踊って芝居が出来る永遠の19歳。
 とはいえ、アイドルとは偶像で、よく言うじゃない、スキャンダルはご法度。彼女が居たなんて、許されないってさ。

 だけど僕も、認めたくないが齢25。四半世紀も生きちゃってる。
 それだけ生きてて僕ほど器量良しの男が、女の子と今まで何も無いワケないじゃない? 当然、後輩に可愛い子が居れば、手も出したくなるさ。健全な男だもん。

 「先輩っ、ムリですぅ。恥ずかしくてもう・・・も、ダメです。」

 真っ赤な顔で体を震わせる春歌が音をあげた。
 上に乗って腰振ってほしいって言ったんだけど、流石にちょっと可哀想だったか。
 泣きそうになりながらも僕になんとか跨ったはいいけど、2,3度動かしただけで、恥ずかしさと気持ち良さに負けちゃってる。

 だけど。
 恥ずかしがってる顔を見る為にさせてるワケで。

 でも、泣かれちゃっても困るから、僕は上半身を起こして彼女にキスをした。
 キスをしながら体勢を安定させて、向かい合わせで座るようにする。

 「上に乗るの、恥ずかしい? でも、下から春歌ちゃんの揺れるおっぱい見てるの、すごく興奮するんだよ。だから、ね。次はして。」

 「でもぉ・・・ああっ。」

 きゅっと、固くなってる胸の先を摘む。
 女の子の反論はこうやって、快楽で消しちゃうのが一番早いから。

 ランランの事が好きだなんて言いながら、こうやって僕の指に、僕の身体に口を封じられる彼女なんて、本当はもっとメチャクチャにしてやったっていい筈なんだ。

 なのに、僕はどうやらおかしくなったらしい。
 出来ないんだ。
 近いうちに僕の前から消えるつもりの子なんか、無茶苦茶な欲望を全部強引に突き付けて引き裂いてやりたいって思う。
 
 自分の欲望が叶ううちに、全部叶えさせて貰おうって思う。だけどその傍から、愛しくて可愛くて、傷つけたくなくて、精一杯、優しくしてあげたいって気持ちが湧き出てくるんだ。

 「せんぱぁい・・・動い、て・・お願い。春歌、も、いっぱい欲しいです。たくさんほしいですぅ。」

 恥ずかしがって少ししか動かなくて、今はそのまま僕のモノが入ったままただ座っているだけだから、焦れてるらしい。

 こんな声で僕を欲しがるなんて。
 こんなトロトロに蕩けた顔で、僕に甘えて、可愛い。

 可愛いすぎて、この世のものとは思えない程ひどいよ、君は。
 この顔を、ランランに見せるの? この甘い匂いのする体をランランに抱き締めさせて、ランランにその声を聞かせるの? 
 
 僕はそれまでの、ただの、練習台。

 ひどいじゃん。
 
 急に頭がかっとなって、力任せに彼女を押し倒す。
 
 「きゃあん。」

 ぼすっ、と、シーツが衝撃音を出す。
 上から彼女を見下ろすと、期待した潤んだ目で、僕をぼんやりと見てた。

 「・・・あげるよ、たくさん。春歌ちゃんが気絶するくらい、激しくしてあげる。」

 どろどろ渦巻く感情を知られたくなくて、必死で笑ったつもりだけど、彼女の目は潤んだままではありながら、でも不思議そうに僕を見ていた。
 上手く笑えて無かったのかな。

 笑える訳が無い。僕、傷ついてる。大好きなのに、どうして他の男に渡さなくちゃなんないの?
 でも、彼女がそれを望んでるんだ。
 大好きだから、好きな子だからこそ、その子の望みを僕が叶えてあげたかった。あの時、その気持ちに嘘は無かった。

 彼女に、他の男のモノになる手助けをするなんてバカなコト、なんで言っちゃったんだろう。
 だけど、あの時は確かに僕は、本気でそう思っていたんだ。いい先輩。って評価が欲しかった。
 そんな僕に今更、彼女をひどいと詰る資格なんてどこにあるというんだ。最低だよ、ほんっと最低。こんな僕がアイドル? 笑えるね。頭の中は自分勝手な被害妄想。自己中心的な一人芝居で、大好きな彼女に責任を転嫁してばかり。

 彼女には何の罪も無いのに。
 いつか僕を捨ててランランのトコロへ行く。その役どころに彼女を仕立てあげているのは、僕なのに。

 言うに事欠いて、何がひどいんだ。ひどいのは、彼女じゃ無い。

 僕は彼女の腰を掴んで、自分の腰を思い切り打ちつけた。

 「あっ、あっんん! あん、あんっ!」
 
 激しく揺れる彼女の乳房に見惚れながら、何もかも振り切りたくて夢中で挿送した。
 今だけは僕のモノ。さっき僕にねだった女の顔をした君は、間違いなく僕だけを欲しがってた。

 それでだけで良かったんだ。
 僕はそれを手に入れられたら、後は望まないつもりだった。君が好きな男と上手く行くように、先輩の顔で応援して終わる予定だった。だって。
 だって、だから僕の腕に抱かれてくれたんでしょ? そうじゃなきゃ、僕のコトなんか見てくれなかったんでしょ?

 好きなんだ。
 愛してるんだ。こんなに好きなのに、どうして僕のモノにならない? どうしてランランなんだよ。なんで。どうして。

 彼女の喘ぎ声で思考が鈍る。
 彼女の中は熱くて、気持ち良すぎて頭が真っ白になる。辛い事も忘れられる。今だけは、今だけは僕のモノ。

 君には、みっともない僕を知られたくない。
 カッコ良くてアイドル然とした嶺ちゃんで居たい。居させて。
 大好きなんだ。大好きな女の子の前で、恥かきたくない。好きだって泣きそうになりながら伝えて、ランランより僕を選んでほしいなんて、そんな縋るみたいな台詞、どうしたら言えるっていうんだ。

 愛しすぎて気持ち良すぎて泣きそうなんて気持ち、25年生きてきて、初めて知ったよ。

 
 2人して一緒に果てて、グッタリした体を僕に預ける彼女を柔らかく抱き締めながら、胸がしくしくと痛んだ。

 
 ふと気付くとまた、彼女の瞳が、不思議そうに僕を見ていた。
 ぎゅっと胸に彼女を押し込めた。

 見ないでよ。
 自分の気持ちがよくわからなくて、誤魔化し方も今は判らないんだ。

 神さまがもしも居るなら。
 ねえ、どうしてあの時、僕はズルい方を選んじゃったんだろう、教えてほしい。

 弱いから?
 怖かったから?
 あの時から、もう、本気で好きになっていたから?

 「・・・嶺二先輩?」

 彼女が体を離す。
 そして、僕の頬に、こめかみに、首に、キスをしてくれる。きっと様子を覗っているんだ。
 ヤバい。また僕の感情、何処からか洩れちゃってるみたい。とりあえず、繕わなくっちゃ。

 培った演技力で笑顔をつくって、君に精一杯優しくするよ。今は僕の恋人だもん。
 今は、僕が、恋人だもん。
 だけど、憎くて堪んない。だって、君は僕のことなんて・・・。

 もう、ぐちゃぐちゃだ、僕の頭の中。このまま終わりたくない。失いたくない。君が好きなんだ。君を幸せにしてあげたいんだ。それが本当は僕の役目で無いのなら、せめて今だけ。今だけは。だけど、だけど。


 
 
 僕は、失恋する日を先延ばししているだけだ。
 判っていたのに、どうしてこんなに苦しいの。もう逃げたいよ、この辛さから。だけど離したくないんだ、彼女を。

 
 気付いたら、彼女がまた不思議そうな顔で黙って僕を見ていた。
 僕は笑う。

 「えへへ。僕ちんが一杯頑張ったから、気持ち良すぎてもう1回したくなっちゃったんでしょ? いいよ~しちゃおっか。」

 お願い。
 そうだと言って。その通りだと、お願いだから、そういう事にして。

 大好きだよ。
 明日が見えなくて、自分がどうすればいいのかわからなくて、潰れそうなほど。







                fin






 
 

a romance ~ホワイトデイ~

 昔、本家ブログのアメンバ様限定記事であげたホワイトデイSSのトキヤバージョンです。転載にあたり、一部に若干の加筆修正がしてあります。オールスター発売記念アーンドホワイドデイ企画SSとしての転載です。




a romance ~ホワイトデイ~ 
 一ノ瀬トキヤの場合



 

 「ええええ! 有難うゴザイマス!」


 一ノ瀬さんと一緒に過ごす約束をしていたので、彼の部屋を訪ねようとした休日の午後。
 偶然廊下で会った一十木君と那月君からバレンタインのお返しを貰い、私は驚きで叫んで、嬉しくて飛び上がってしまった。
 
 どれくらい大声だったかと言うと、丁度一ノ瀬さんの部屋の前辺りだったというのもあるけど、部屋に居た一ノ瀬さんが何事かとドアを開ける程の叫びでした。


 渡されたのが人気店のマカロンだったせいもあるけど、思いもかけないプレゼントって本当に嬉しい。今日は仕事で居ないけど、聖川さまも合わせて、3人からのお返し。
 嬉しさでアタフタして脚がもつれて、那月君に抱えられてしまい、一十木くんが笑いながら、子供みたいだな~って頭を撫でるから、更に恥ずかしさでオタオタしてしまい・・・・。


 そんな一部始終を部屋の入り口で見ていた一ノ瀬さんは、怒ったように私を2人から引き剥がし、物も言わずに寝室へ連れ込んだ。


 那 「トキヤ君、なんだか怒ってましたねえ・・・・なぜなんでしょうねえ?」
 音 「う~ん、トキヤはいつも怒ってるから、よく判んないけど大丈夫じゃない?」


 呑気なAクラス2人の声は、まだ少し肌寒い春の陽気に消えるだけ・・・。


 


 寝室へ連れてこられたものの、私の体も彼の体も、ベッドの上には無い。
 
 少し乱暴に投げ入れられるように部屋へ押し込まれ、勢いでよろけた私を抱えるようにそのまま倒れ込んだ床の上で、私は一ノ瀬さんに覆い被さられていた。
 
 いつもと違う激しいキスが怖い。ただ激しいだけでは無くて、痛い程舌を吸われて、私の身体という容れ物から、私の感情のすべてを抜き取ろうとするかのようなキスだったから。


 そんなキスを休むことなくされ続け、彼の手が私の胸を乱暴に弄り始めた頃には、私はすっかり息が上がっていた。
 
 気付いた時には座らされ、後ろから彼に抱えられていた。背中に彼の熱い胸板がピッタリくっつき、お尻には、それ以上に熱くて、触れただけで顔から火が出そうに恥ずかしい記憶で震える、彼の固い情欲が当たっていた。
 
 今から私は、この間のようにはしたない声で啼くのかしらんと思いながら、ぼんやりと薄目を開け、認識したソレにハっと目を見開いた。目の前に、裸の自分が居たからだ。裸で脚を広げ体中が桃色に染まった自分と、その後ろで、私を抱き抱える一ノ瀬さんが居たからだ。


 「―――-あ、あっ・・・? か、がみ・・・あっ・・。」
 
 一瞬呑み込めなかった光景に言葉が詰まる。
 そう。彼のクローゼットは寝室にあるから、部屋の出入り口脇には仕事柄、とても大きな姿見がある。そして、一ノ瀬さんに、わざと鏡の前でこんな恰好をさせられているのだと理解した鈍感な脳が、急速に羞恥を訴えた。


 「やっ、あ、イヤっ一ノ瀬さんっ、これイヤぁ・・・!」


 言葉にするのも恥ずかしくて、ぎゅっと目を瞑り横を向いた私の胸の天辺を、彼はくいっと抓った。
 
 「ああん。」
 
 喉が仰け反る。ドコが感じるのか知られてしまってる私は、恋人の指に無条件に反応してしまう。


 「イヤですか? でも、ダメですよ、ほら、ちゃんと前を見て、私に抱かれてる自分を見るんです。」
 
 恋人はいつもの甘い声で、私の耳元で囁いた。優しく、穏やかに、その奥にさっきから感じてる負の何かを潜ませて。


 「イイ子だから、ちゃんと見るんです。君は大事なコトを忘れているようですね。君をこうして抱けるのは私だけ。君のこんな姿を見られるのは、私だけなんですよ。」
 
 「あ、ハ、アっ・・・あん、そうですっ。そんな、判ってます。許して・・・!」
 
 「判ってないからしているのですよ。見るんです。」
 
 「んぁあああああ。」
 
 さっきと較べものにならない程強く乳首を捻られ、私は大きな声をあげた。彼はそのまま固く勃ち上がった蕾を転がし、きちんと鏡を見るまで止めないと、首筋を舐めながら言った。
 
 段々強くなる指の力と、耳朶といい首筋と言い構わず快楽を植え付けようとする唇に観念して顔を上げた。
 彼の手が這い回る身体で髪を乱した私と、欲情した顔でその私を見る一ノ瀬さんの目が、妙な劣情を煽る。
 
 それを瞳の奥で反芻した時、神経から何かを手放したのだろう。彼の目が普段と違う仄暗い色をしていると一瞬感じたその気付きも、彼の指がつくる快楽に忽ち消される。


 「恥ずかしいと言いながら、コッチはもうビショビショですね・・・。」
 
 強い刺激に腰を跳ね上げ啼く私を、面白がってるとしか思えない。蜜壺の上にある敏感な芽を剥き出しにし、散々指先で弾かれ入口を拡げられた。にちゃっと音がして、糸を引く感触のあまりの恥ずかしさに思考力が劣化する。


 「スゴイ音ですよ。トロトロになってます。私の指、2本も入ってるのが、見えますか?」
 
 意地の悪い悪戯だと思うのに、強い抵抗も否定もできず、ただ喘ぐしかできなくて、脳内が霞む。顔をそらすと胸の突起を抓られる。


 「さぁ、君の大好きなモノを挿れますから、目を瞑ったりせず見てて下さい。君が私のモノを根元まで呑み込むトコロを、見せてあげますね。」
 
 「・・・・・・!」
 
 そう言うと一ノ瀬さんは私の腰を掴み、弓なりに反らさせた。これから起きる事を予測した身体が戦慄く。
 掴まれた腰に力が入らない。彼は器用に私の入口にソレを宛がい、勢いよく半分程挿入した。
 
 「んっあああああああ。」
 
 その状態で数回抜き差しされる。たったそれだけの動きで、私の中は彼に馴染み、あっという間にさらに奥へと呼び込むように、下腹の中心辺りから大量の蜜が湧く。
 
 「あっ、はあっ、ああ・・・。」
 
 「・・・見えますか。まだ全部は入ってないんですよ。それなのにもうそんな声を出して・・・そんなに気持ちイイですか?」
 
 「やっ、。イヤ・・・あああっ!」
 
 少し抵抗した途端、一気に貫かれた。


 「あああああ!」
 
 「っふ・・・ハ、アっ・・・中、熱い、ですね・・・どうです? イヤじゃないでしょう? 奥まで届いて嬉しいでしょう。ほぅら、ちゃんと鏡を見て・・・。根元までズッポリ私のモノを咥え込んでますよ。君の、ココ・・・。」
 
 「やっ、いちのせさっ、イヤっ・・・。ああ、いやっ、ん・・・。」
 
 嫌がっているとは到底思えない声だけが喉を通る。彼はそれを見透かして私を揺らしている。
 
 
 いつもと違う。目の前の鏡を遮る仕草を許してくれない彼が信じられない。ぐちゅっという音が、彼が私を揺らす度繰り返し聞こえる。まるで部屋中に響いてるかのような音で、逃げ出したい気持ちになる。
 
 「君は、誰のモノです・・・・? 答えなさい?」
 
 「はっ・・あっ・・・あ、一ノ瀬さん、の、モノです・・・。」
 
 突然の問いに、私は思った事をそのままが半分、既に何度も口にした言葉を反射的にが半分の割合で答えた。満足そうな吐息が首筋にかかるも、その吐息は途中でまた鈍い色になる。
 
 「音也に髪を触られて、嬉しそうでしたね・・・。」
 
 「えっ?・んんん!・・あ。っそんな、アレは、ただ頭を撫でてくれただ・・・あっ! っんはぁっ!」

 答えた途端、いきなり激しく動かされて私は甲高い声をあげた。


 「口答えをするような悪い子はお仕置きですねっ。」
 
 「ああっ、ああ、ああっ。」
 
 身体を浮かされ、そのまま前のめりにさせられた。
 力が入らなくなっている体をいいように動かされ、あっと言う間に四つん這いにされ後ろから激しく穿たれる。さっき神経から手放したであろう何かを元に戻せないまま、ただ壊れたように啼き声をあげる私を、後ろから恋人の声が襲う。
 
 「大体、私の目の前で四ノ宮君に・・・幾ら彼がああいう性格でも、他の男にあんな風に・・・、君は随分と淫乱ですね!」
 
 「ああああっ!」


 さっき散々甚振られた、一番敏感な入口の上の芽を指で探られ転がされ、私は悲鳴に近い声をあげた。彼はお構いなしに、芽を摘み嬲る。
 
 「イっていいですよ。私に挿れられて、弄られて、イカされる自分を見なさい。」


 軽く髪を引かれ顔が上がる。見たくない映像が目前に強制的に置かれ、しかしそれすら自身の快楽を増すに一役買っていると理解し、羞恥で思考が白くなる。


 「・・・意外、ですね。鏡を見て興奮してるんですか。締めつけましたよ、今・・・。気付きませんでしたが、君は本当は、こういうのが好きなのですね。それとも、ひどくされて感じてるんですか・・・? ほら、ちゃんと見て、自分が私のモノだという事を自覚するんです! 他の男に近付かれる度思い出しなさい。ほら、イキなさい!」


 乱暴に腰を打ちつけられ、彼に命令されて間も空けず、私は身体をガクガクと大きく数回痙攣させた。
 
 「あ、あっああああ・・・あ・・・・。」
 
 愛する彼に何度も何度も抱かれて知った、ある種の絶望。
 好きな男の前で、行き場を失くした絶頂を放出させ、だらしなく快楽に果てる姿を晒す。
 彼の手中に堕ちたと自ら証明する、甘美な悦楽の同居する絶望。
 
 ふわふわと、しかし確実に底まで叩かれ墜ち、グッタリしながら息が切れる私を仰向けにし、
 
 「イヤラシイ顔ですね・・・。他の男にこんな顔を見せたら許しませんよ・・・。」
 
 静かにそう言う彼の目は、鬼火と淫欲が混じったような仄暗い色気を含んでいた。
 
 「判っているんですかっ?」

 そのまま、体の向きを変えた時に抜け落ちた塊をもう一度躊躇なく押し込まれた。ヒッと、喉を鳴らし反応する私の両腕を押さえつけて、彼は私の顔を覗き込む。
 
 情熱。
 方向はどうあれ、その形容がぴったりと当てはまる瞳だと思った。
 例えようのない不安。愛する男と繋がっているという幸福感。その男が今感情に任せ怒気を含ませた顔をしている事実。綯い交ぜの様々が、回らない頭の中という狭い空間を一瞬で螺旋する。このまま彼の全身に殺されそうな緊迫。しかし。


 「好きだ・・・好きなんだ・・・愛しているんだ・・・。」
 
 決意したかのように絞りだされた思いも寄らない言葉に、私は刹那呆けた。


 「君だけが私の・・・私には君だけなんだっ!」
 
 泣きそうな声が胸に突き刺さるようで、どうしていいか判らない。

 彼は私を好きだと言う。それは今までも何度も言われて、そして、常に知っている事実。なのにこの場でこんな声で言われたら、まるで今まで私はそれを知りもせずにのうのうと毎日を過ごしていたかのような気になった。

 こんな表情をさせた罪悪感に胸が痛み、震えんばかりの彼の背を摩ろうとした。
 彼がこのまま、泣き出してしまうような気がしたから。

 けれど奥底から引き摺り出した感情を言葉にしたせいか、彼は益々火がついたようになり、私の体中を強く吸い始めた。
 
 「痛っ! 痛・・い・・あっ、や、め。」


 「やめませんよ・・・。君の体中、私の跡をつけておかないと・・・・。すぐに消えないように、しっかりとつけてあげます。・・・君は、私のモノでしょう。反論は無いでしょう?」


 蜜壺から彼のモノが抜かれ、彼が私の脇腹に口付けながら体の向きを変える。
 ぬるりと頬を掠めた無言の強要。私は、自分の唇に突き付けられた彼のそそり立つモノを口に含み、舌で先端のくびれを撫でた。自分のモノと彼のモノが混じった味は、理性を完全に崩壊させる毒薬だ。どこまでも甘く、苦い。
 
 延々と吸われる痛みに耐え、頭上から口を塞ぐ彼の欲を舌で愛する。その間も、私の体にはどんどん跡が増えていく。腕も、胸も、肩も、脚付け根から脹脛までも。彼が強く吸い付き繰り返し、暫く長袖とロングスカートしか着用できないと涙が出そうになる。


 暫くすると、気が済んだのか一ノ瀬さんは体を起こし、傍のベッドに腰掛けた。そして、ぼんやり起き上った私を引っ張り、自分の足元に引き寄せた。抵抗せず、跪いたままもう一度、彼の大きなモノを口にする。


 「そう、そこ・・・上手ですね。君は、教え甲斐があります・・・。最初の頃より、随分上手になりましたよ。・・・綺麗だ。私のモノだという証拠が沢山刻まれた君は、とても綺麗だ・・・。」


 自分が付けた跡を散りばめた体の女を上から見下ろし、彼は満足してくれただろうか。もう、彼が満足してくれるのならそれでいい。そう思い必死で口を動かす。そんな私の髪を撫でる彼の手の力が次第に強くなる。


 「っは・・っ、もう、出そうです・・・飲んで下さい、全部っ・・・う、あ。出る・・っ!」
 
 毀れ落ちないように飲み下す。ぶるっと大きく彼の体が震える。押さえつけられている頭をろくに動かす事も出来ず、口中に広がる粘液をそのまま嚥下するのに必死になる。


 彼が息をついた。解放される。やっと。そう思った私の髪を掴み、顔を上げさせた彼は薄っすらと笑った。


 「これで終わると思ったんですか? 可愛いですね・・・・まだですよ。」
 
 判決を宣告される被告人の気持ちと言うのはこんなものなのかもしれない。
 現実感のまるでない一瞬の間に、場違いな事を思った。
 
 ベッドに引き上げられ、脚を大きく割られて漸く言葉が出せた。しかしそれでも、この場で彼の要求を拒む権利など持たされていないとさっきから思い知らされている私には、待ってと一言呟くのが精一杯だった。


 「どうしてですか? さっきあんなにしていたんですから、もう今すぐ入るでしょう。君だって、どちらかと言えば、コッチの口の方に飲ませて欲しいんでしょう? 上の口だけなんて可哀想なコト、私はしませんよ?」


 言い終わらないうちに、彼は一気に侵入してきた。
 
 「あ、ああ―――!」
 
 息も絶え絶えに受け入れ声をあげる私の口に指を入れ、掬うように口内を嬲る。


 「ああ・・ふふ、沢山出てしまいましたから、口の中に私のが残ってるみたいですね・・・美味しかったですか? 君は、音也達がくれたお菓子なんかより、私のミルクの方が好きでしょう? 正直に言って御覧なさい。ね・・・?」


 「・・・あ、あ・・・は・・い・・・。一ノ瀬さんの、ミルクの方が、おいし、くて、好きです・・・・。」
 
 口に入れられたままの彼の指に舌を這わせながら答える。
 あの時に理性を手放してから、私はきっとこうされる事を望んでいたのかもしれない。そんな幻覚が舞う墜落。


 「やっぱり君はイイ子ですね。そんなトコロが本当に可愛い。・・・・愛してますよ。素直なイイ子には、後でちゃぁんとご褒美がありますからね・・・。でも今はとりあえず、淫乱な君の大好きなミルクを、お腹一杯あげるとしましょう。」


 そう言って、激しく動き出した彼にしがみつき、意識まで持って行かれそうな快楽に喘ぐ。彼が紡ぐ、熱い吐息を纏う愛の言葉が、私の神経に染み入っていく。
 
 「好きだ・・・愛してる・・・君は、絶対、誰にも渡さない・・・・君も、私を愛してますか?」
 
 「あ、愛してる、私もっ・・・一ノ瀬さんだけをっ、一ノ瀬さんだけっ。愛してますっ・・・!」


 例え時に私を追い詰め締め付ける真綿でも、彼の愛でなければ要らない。私は、愛されている。囚われている、彼の愛に。それが独占欲と征服欲に縁どられていたとしても、それこそが、幸せなのだ。
 
 そう改めて認識した時、彼が自分のモノを私の最奥まで入れ込もうと躍起になる姿勢に攣られ、下腹が収縮し蜜壺が水を放ったのが解った。


 「やあああああ――ッ、ふ、んんんっ!」


 大きな声で喘いだ途端、彼の熱い吐息で口を塞がれた。
 
 一ノ瀬さんは、私の膝の裏に腕を入れ私のお尻ごとシーツから浮くように持ち上げ、そのまま激しく腰を打ちつけ中を掻き回す。
 グチャグチャと卑猥な音がする。彼の荒い息に神経がのぼせる。私が溢れださせる淫水が飛び散るのが判る。お尻まで垂れた自分の淫欲が濡らすシーツは、情事が終わった後も簡単には乾かないだろうとぼんやり思う。




********************************************************************************************




 「あ~あ、君は相変わらずスゴイですね・・・、ホラ。」
 
 まだグッタリしている私の手を取ってシーツを撫でさせる。冷たく湿っているのがハッキリとわかる布。
 
 「・・・ヤっ・・・。」
 
 恥ずかしくて顔を伏せる私の頬にキスしながら、彼は笑う。
 
 「イヤじゃないでしょう。あんなに気持ちよさそうにしてたじゃないですか。こんなに濡れてくれたなんて、私は嬉しいんですよ?」


 とろんとした目で彼を見る。
 
 さっきまでの余韻が一向に抜けきらないので上手く体を動かせない。情事の後で2人して微睡み、一体どのくらい時間が経ってるのか解らない。ただ彼の腕枕が心地いい。
 
 どうして彼は、あんなに激しく愛してくれた後もいつも、そんなに時間の経たないうちに、普段と同じように会話が出来るのかしら。


 「ん・・・。」
 
 髪に、額に、肩に、優しくキスを落とす恋人。


 「今日は、すみません・・・。乱暴にするつもりなんて無かったんです・・・。」


 ぽつりと彼が言った。
 
 「でも、やっと忙しい仕事の中で取った休みの日に、君が、私以外の誰かとあんな風にしている所を見たら、自分でも解らないのですが、どうにもならなくなってしまって・・・。」


 頬を撫でる指。優しくて、大きくて暖かくて、大好きな彼の手。


 「会えない間、メールでも音也の名前が出てきたりすると、何もないと解っていても、イヤでイヤで仕方なくて・・・・そんな自分の気持ちも、イヤなんです。気にしないフリをしていても、君が、例え音也でも、他の誰かに触れられてる所を見たら・・・・、君は私の恋人なんだって、自分のモノなのにって。・・・想いが抑えられなくて・・・・。」


 私の一挙一動に変化する自分の心情を、普段は表に出さないようにきっと一生懸命なんだと、今更知った。
 私が、もっと、彼の前で、彼以外の人と接する時には気をつけないといけないのだ・・・ぼんやり考えていたら、ごそごそと何やら動いた彼に、不意に首筋を触られた。


 「! キャっ?」
 
 「あ、動いてはダメですよ。そのままでいて下さい。」
 
 「・・・・?」
 
 ひんやりとした感触が不思議で、思わず喉元に手をやる。すかさず彼が、小さな鏡を見せてくれた。
 
 「あっ・・・・!」
 
 「ホワイトデーですからね。プレゼントですよ。気に入ってくれるといいのですけど。」


 いつの間に用意してくれていたのだろう。小さな石がトップについた、華奢なネックレスが首に飾られ、私は嬉しさと喜びで咄嗟に言葉が出なかった。


 「カワイイ・・・コレ・・・嬉しいです・・・。」
 
 「そうですか。気に入ってくれたのなら良かった。君の誕生石にしてみました。似合いますよ。」
 
 「有難うございますっ! 嬉しい、こんな素敵なモノ、プレゼントして貰えるなんて、本当に嬉しいです!」


 感激で高ぶった声でそう言った途端、首筋の跡が目に入る。1つ、2つ・・・ザっと数えただけでも、小さな鏡に写る範囲に相当な数がある。無意識になぞり、その指を一ノ瀬さんに取られた。


 「気になりますか・・・?」
 
 「え、あ・・・・。」


 「消えたら、また付けたくなるかもしれません・・・。いいえ、消えないうちに、新しいのをどんどんつけてあげますよ。」


 首筋にキスを落とされる。
 
 「このネックレスだって、本当だったら首輪にして、私の部屋に繋いで閉じ込めてしまいたい位なんですよ?・・・私がどれだけ君を愛しているか、どうしたら伝わるんでしょうね・・・。」


 自嘲するように笑い、優しく私を抱きしめる。


 「君さえ居ればイイ・・・。そう思っては、いけませんか・・・・? 君だけは離したくない。」


 「私も、一ノ瀬さんさえ居れば、イイです・・・。」


 嬉しそうに微笑み、優しくキスをされる。きっとこの人は、こうやってどこまでも私を浸食していくに違いない。私は今に、彼の色に染め抜かれるに違いない。


 愛されているという呪縛。ギリギリと締め付ける蕩けるような快楽。彼の囁く愛の言葉が、呪文のように精神を絡め取っていく日々を繰り返し、私は彼無しでは生きられなくなるのだろう。


 「愛してる・・・。」
 
 そう耳元で告げる彼に、そっとキスを返す。彼の腕の中で目を瞑り、祈りを込めて囁いた。
  
 「私も、愛してます、一ノ瀬さん・・・。一ノ瀬さんだけが、私の大好きな人です・・・。離さないで。ずっと・・・。」




 見えない鎖で、私を貴方に永遠に繋いでいて・・・・。





攻防・キッチンにて

  

  うたプリから最愛蘭丸です。コミカルは得意ではないので、2時間クオリティで勢いだけで仕上げました。なので、細かいコトには突っ込まないで下さいww 




攻防・キッチンにて




 「あ? 好きにすりゃいいだろ。」

 唐突に夕飯の希望を聞かれて、俺はぶっ座ったまま顔も上げずに返事をした。

 ・・・流石に今のはマズかったか・・・。

 チラリと反省してももう遅い。
 しゅんとしたアイツは小さな肩を落として、冷蔵庫から取り出したトマトを切り始めた。

 俺が悪いのか?
 いや、悪くない。俺は悪くないぞ・・・多分。

 ・・・いや、半分は俺が悪い・・・かもな。

 トントンと、包丁の音がリズミカルに響く。
 湯を沸かしている音もする。味噌汁でも作ってんのかと思う。そういや、来てすぐに炊飯器をセットしてたから、喧嘩の最中に米が炊き上がった音がしたんだったか。
 
 どうでもいい事でちょっとした口論をしてから1時間。ハッキリ言って、原因が何だったかも覚えちゃいねえ。まぁこういうケンカも、付き合ってりゃそりゃタマにはあるよな。

 ちらりとアイツを盗み見ると、サラダを盛った皿をテーブルに置いて、今度はパックに入った肉を取り出すところだった。

 (肉・・・焼くのか? 焼けよ、間違っても茹でるな。油抜くな。肉は焼くに限るんだ!)

 俺が心の中で肉の調理についての最低限の希望を叫んでいると、チラリとアイツが俺を見た。
 
 目が合う。

 アイツは少し泣きそうな顔をして、しゅんとした目を逸らし、またこちらに背を向けてフライパンを火にかけた。
 
 ・・・益々俺が悪いような気がしてきた・・・。

 女はすぐ泣けば済むと思ってやがって大嫌いだが、ダメだ。アイツの涙にだけは敵わねえ。もう意味も何も考えず全部謝って、とにかく泣きやんでほしくて、土下座でも何でも涙を止める為だけに行動しそうになる。惚れてるってのは、怖ぇ。

 落ち着かなくなってきた俺の鼻を、肉を焼くいい匂いがくすぐる。
 胃袋掴まれてる立ち場は弱ぇ・・・。

 俺は立ち上がり、そっとアイツの背に触れた。
 
 「今、火を使ってて危ないですよ。」

 俯いたまま、小さな声で抗議される。
 構わず、腰に腕を回した。そっと、そっと触れるだけのように。

 「美味そうだな。」

 「今焼けますよ。あの、お皿を取りたい・・・。」

 「ちげーよ。」

 「え、っひゃあっ?」

 耳朶をカプっと噛んでやると、小さく叫んでびくっと肩を大きく震わせた。
 
 「お前が美味そうだと思ったんだよ。」

 「何言っ・・・。」

 「おい、気を付けてねえと火傷するぞ。ちゃんと肉見てろ。焦すな。」

 体をくっつけると、すうっとわだかまりが消えたようになる。勿論喧嘩した直後だ。こんな程度で綺麗さっぱり消える訳は無ぇ。
 
 そっと俺の腕を解きながら、でも離れ切らないように器用に手を伸ばしたりしながら、春歌は皿に盛りつけを終えて、あったかいうちに食べませんかと言った。

 その言い方がいつも通りで、俺もそれにつられるように短く返事をすると、いつものように食事をした。食べながら、さっきは悪かったと謝ると、アイツはニッコリ笑って、もういいです、美味しいですね、などと呑気に抜かしやがった。
 さっき、腰を引き寄せた時にも少しだけ残ってた淀みも、完全に消える。

 だからいいんだろうな。
 少しばかり喧嘩になっても、すぐ日常に戻ってくれるこの女のこういう所が好きだ。心が通ってないとこうはいかねえと思うから、それが何だか妙にこう、くすぐってえな。

 気分が上がったせいか曲が浮かんだのは俺もアイツも同じだったようで、早々に食事を終えると後片付けもそっちのけで2人して曲を作った。
 お互い音楽バカだ。こんな時間に本当に何物にも替え難い幸せを覚える。

 

 気付くと結構な時間が経っていた。

 「あっ、私、お皿を洗うのをすっかりわすれてました! コーヒーを淹れながら洗っちゃいますね。」

 譜面起こしもキリがつき、慌てて立ち上がった春歌の腕を、俺は無意識に引っ張っていた。

 「あっ・・・。」

 自分に倒れ込ませて、抱き締める。

 「なに勝手に離れようとしてんだ。」

 「いえ、そんなつもりでは・・・あの、結構夢中になってしまったので、コーヒーでもと・・・。」

 「要らねえよ、お前の方が欲しい。さっきも言っただろ、お前が美味そうだって。」

 床に押し倒しながら服を脱がせにかかると、電気を消してほしいと、恥ずかしがって抵抗してきた。

 「いいだろたまには、明るくたって。もう外は暗いぜ?」

 「こっ、ここは明るいです!」

 軽く、デジャブってヤツが来た。
 ・・・・・そうだった。

 そういやさっきの喧嘩の原因は、まだ明るいうちからイヤだと言われたんだった・・・。

 それを思い出した俺の動きが止まる。
 いきなり固まった俺に、春歌は不思議そうに、そして心配そうに問う。

 「蘭丸さん・・・? どう、したんですか?」

 「おまえさ。」

 俺は、思い切って口にした。

 「俺のこと、好き、か?」

 「・・え、ええっ? 好きです。どうしてそんなコト言うんですか。」

 「・・・昼間だからイヤだとか、明るいからイヤだとか、お前、ほんとは・・・単に俺に、触られるのがイヤなのかって・・・。」

 「え。」

 やべえ。
 今の俺、完全にみっともねえ。
 だがもう遅い。ついつい口走ってしまい後戻り出来なくて、じっと春歌の返事を待った。

 「あの、すいません、私そんなつもりは・・・。本当に、恥ずかしいだけなんです。その、スタイルが良くなくて、自信が無いので、明るい所ではどうしても恥ずかしくて、でも蘭丸さんを好きなのと、それは別なんです。だから、触られるのがイヤってコトは無いんです。ほんとです。」

 しどろもどろになって説明する春歌に、少しほっとする。そこに嘘が無いのが見えるから。
 同時に、だったらもう少し攻めてもいいかと攻撃心が沸く。

 「バーカ。お前はきれいだ。自信持っていい。」

 「蘭丸さん・・・。」

 「だから見せろって。」

 「えっ! あっ、きゃあ!」

 力任せに服を剥いで床に押し付ける。
 俺が放った服を必死で掴み、体を隠そうとする春歌を抑え付ける。

 「待って下さいっ。せめて! せめて電気を消して・・・それか、服を着させて下さいっ。」

 「アホか、服着てする意味が無ぇだろ・・・。」

 また俺が動きを止めて、春歌はまた何事かと身構える。
 つい動くのをやめたのは、視界に入った春歌の手が必死に掴んでいたのが、いつも家事をする時につけているエプロンだっからだった。

 「・・・それだったら、着ていいぞ。」

 半分無意識のうちに、うっかり男の夢を口にしてしまったが、俺は努めて冷静な顔をして続けた。

 「それ着けりゃ、確かに胸とか見えねえからな。お前の希望通りだろが。」

 言っておくが、俺の心はロックで出来ている。
 間違っても、裸エプロンに萌える。というのがバレるのは勘弁してほしい。それはロックでは無いような気がするから・・・。

 とにもかくにもだ! 
 俺の希望じゃなくて、コイツの希望であるように話を進めなきゃなんねえんだ。

 「・・・でも、エプロンだけ着るというのは、その、」

 「あぁ? 着ねえならあっちにやっとけ、おらっ。」

 「やっ、ダメ着ます! 着ますから取り上げないで下さい!」

 急いでエプロンを身につける春歌が、後ろでりぼんを結びやすいように、体を起こしてやった。そのまま正座を崩したような姿勢で、エプロン姿の春歌が、座ったまま少し横に居る俺を見る。

 

 ・・・やべえ。

 普段使っているただの白いエプロンを身に付けただけだというのに。

 横から毀れそうな胸のビジュアルが本気でやべえ。っつーかやべえ。全部やべえ。

 「あの・・・。」

 正に「見惚れていた」 俺を上目遣いで心許無げに見たその可愛らしさに、俺の理性が吹っ飛んだ。

 「・・・お前、ちょっとコッチに尻向けてみろ。」

 「え? え、と。あの、こうですか・・・?」

 本当にほんの少し、背中を向けてかたちだけ向けたような姿勢で誤魔化す仕草に、イラっとしてそれが引き金になった。

 「バカ違ぇだろが、こうだっ。」

 「きゃあっ!」

 腰を両手でぐっと掴んで、俺の方へ尻を突きださせてやった。下半身は隠せてないも同然だからか、春歌が恥ずかしがって逃げようとする。

 「イヤっ、イヤです、ダメです・・・恥ずかしいからイヤぁ。」

 「うるせえ。逃げてんじゃねえ。」

 上半身をコイツの背中に乗っけて抑え付けると、少し大人しくなった。だが相変わらず震えんばかりになっている。コイツは本当にバカだ。そんなんじゃ、俺は結局煽られちまうってのに。
 声を聞けば判る。イヤだ何だと抜かしていても、甘い音かどうかは一瞬で理解出来る。そんな時に震えそうになってるのは怖いわけじゃなくて、俺に犯されるのを期待してるからだって、もう散々抱いた俺には判ってる。

 「何がイヤだ、どうせもう濡らしてるんだろうが。」

 そう言いながら指で入口当たりを擦ると、ぴちゅっと音がした。

 「やっ、やだぁ・・・。」

 泣きそうな春歌がびくりと体を震わせる。
 エプロンだけを身に着けた、非日常の女の啼き声が妙に頭を痺れさせる。やべえ。ガマン出来ねえ。本気で理性がどっかに行っちまった。

 「あああん。」

 強引に指を入れて中を軽く引っ掻いただけで、俺はベルトを外した。
 カチャっという金属音で、春歌が驚いた声を出して振り返った。

 「え。ら、蘭丸さ、やだ・・待って、まだっ・・・」

 「うるせ。ガマン出来ねーんだよ、しょうがねえだろっ・・・!」

 泣きそうに潤んだ瞳に庇護欲が湧き出て、組み敷いて喰らいたい劣情と相まったおかしな感情に頭が真っ白になる。
 
 「すぐ気持ち良くなる。」

 慰めてるのか自分の欲を押しつけてるだけなのか、そんな囁きが女にとって有効なのかはわからない。
 大体、耳元でそう囁きながら、反論出来ないように既に捻じ込んでやってるのだからどっちに転ぼうが一緒だ。

 「んぁああああ・・・っ・・。ああ、だめぇ、いきなりじゃ、あ、っ」

 何故だろう。
 好きで愛しみたいという気持ちと、邪心にも似た欲望が、何故同じ女に対して同居しているのだろう。

 俺が強引に押し進むせいで、何かに耐えてるようになっている春歌の背中にキスをしてやった。するとその瞬間は力が抜けて、ぐっと奥まで入れ込めた。

 「・・・っこれで、一番奥だろ・・・。すぐ良くなる。ほら、動かしてやるから啼け。」

 言葉通りに挿送してやると、案の定すぐに濡れた喘ぎ声を洩らす。

 「あああ、ああっ、あっ、あ、んっ、いいっ・・ダメ、気持ちいいから、ダメですっ・・・。」

 そんな声で、全身を染めて俺のモノだけに神経を集中させて溺れてるのがわかるから、可愛くて仕方が無い。
 手を伸ばして、固く勃ち上がった胸の先を探り当て摘んでやると、それだけで腰を撓らせて余計体温を上げやがる。堪んねえ。どうしてかそんな仕草から伝わる何かで、コイツが俺のもんだとひしひし思う。引き裂きたい。このまま全部。力の限り喰らいついて噛み殺したい。

 白いエプロンの結び目が目の前で揺れる。
 覆い被さって、強引に体を捻らせ俺の方を向かせて舌を吸うと、きゅうっと膣内が締まった。

 「っ、バカ・・・!」

 最初にこの姿を見た時から、これじゃあ今からは多分もたないと思っていたが、ホントにもたなくて、俺はあっさり吐精した。

 汚れた尻をティッシュでさっさと綺麗に拭いてやり、ほっとしたように体を起こした春歌の手を俺は引っ張った。

 「? 蘭丸さん?」

 「まだ終わんねーぞ。」

 そう言って狭い部屋の中、流し台まで白い体を移動させると

 「折角こんな格好してんだからな。そこに手、つけ。」

 春歌は恥ずかしそうに俯いたが、俺が言わんとする事が判って素直に流し台のふちに手を置き、俺の方へまた尻を突き出した。

 「今度は満足させてやる。」
 
 言い終わらないうちに、全部一気に埋め込んでやった。

 「――――――っああああああああ。」

 さっきまで繋がっていた所はまだそのまま、とろとろになったままだった。 
 まさかさっき自分は、中でうっかり出しちまったのかと誤解する程に。

 「イカせてやっから、ドコがいい? ちゃんと言え。」

 「あっ、あ、そんな、あああん。」
 
 「ココか?」

 「ひぃんっ!」

 また固くなっていた胸の先と、入口の上の芽を同時に摘んでやった途端、逃げるように体をヒクつかせて甲高い声で啼く。これが面白くてやめられない。
 
 だらしなく開いた唇から覗く舌に卑猥な台詞を言わせると、イヤイヤと首を振りながら羞恥に震えていても、結局最後は観念するコイツの全部が、自分の手の中にあるのだと悦に入る。そして絶対に手放したくないと強く思う。だからまた激しく突き上げる。益々大きな声で啼くこの女が愛しくて、愛しくて。

 肩のリボンを緩めて、乳房を全て晒すと

 「ああん、約束が、違いま、あ、あんっ。見えちゃいますぅ。」

 「だから、見えた方がいいんだよ俺は。」

 「そ、んなああああ。」

 「約束なんざしてねぇだろ。着りゃ見えねえって言っただけで、ずらさねえとも脱がさねえとも言ってねえぞ。」

 「やあああん。」

 「大体、こういうのはこうやって中途半端に見えるのがいいんだよ。」

 またさっきみたく春歌の体を捻らせ、背後から胸に舌を這わす。軽く歯を立ててやるとまた締めやがる。
 でも1度出してるから俺も余裕がある。わざと大きく胸が揺れるように動かしてやる。首筋に沿った白いリボンと、揺れる胸のコントラストが艶かしくて妙に興奮する。

 「やべぇ、お前エロい・・・。」

 「見ちゃいやです、やっぱりこれ、ああああっ。」

 反論される前に揺さぶってやった。
 それから唇に貪りついて、また腰を動かして擦り上げて、コイツそろそろイキそうなんじゃないかと予感した頃合いを見て俺は、

 「お前、今度この格好でメシ作れ。」

 「えっ、や、やですっそんな・・・。」

 「いいじゃねえか、な?」

 言って、クリトリスを指で捏ねてやると忽ち腰を戦慄かせ始めた。

 「な、いいだろ?」

 「そんな、あ、ああ!」

 「約束するまでやめねえからな。」

 「あああああだめええええ! そんなにしちゃダメえ、ダメで、あああっ。」

 耳の後ろを舐めて、空いてる手で胸を刺激してやると、髪を振り乱しながら体をくねらせて、息を切らしながら春歌が折れた。多分もう達する寸前で、とめどなく溢れ出る蜜で太腿までびっしょり濡らしながら、必死になって昇り詰めそうな快楽に耐え、次に俺の望んだ時に、また同じ格好で抱かれるという約束を口にした。

 俺は機嫌良く

 「よーしいい子だ。じゃあイカせてやる。」
 
 「いやぁ! もうソコは触っちゃダメぇあああっ、んぁああああ。」

 クリトリスを刺激しながら激しく抜き差しを繰り返す。

 「あーあーっ、もぉイっちゃう、もう私っ・・・!」

 片足を抱え上げ、一層深くまで入れた。
 その姿勢で何度か穿つと呆気なくイッてしまい、しかしまだ終わらない俺から解放されず、仰け反って窪んだ背中のラインに神経を持って行かれた俺の2度目の吐精をやっと背面にかけられる頃にはコイツは、何度も達したせいで呂律も回っていなかった。
 




 
 「・・・最低、です。」

 「あ? うるせえ、約束だろが。」

 次に春歌が俺の部屋を訪れた時、要求した途端小さい声で、だがきっぱりと一言で的確に罵られた。
 
 何とか脱がせて、宥めすかしてエプロンを身につけさせはしたのだが。
 それで飯作れ、と言った途端首を横に振りやがった。

 「それを眺めるのがロックなんだよ。」

 「違うと思います。」

 「なんでわかんねーんだお前は。」

 泣きそうになりながら俯いてエプロンの裾を握っているコイツを見てると、まるで俺がいじめてるみたいな気分になる。
 
 俺は悪くねえ。俺は悪くないぞ。
 約束したんだ、俺はそれを実行しようとしてるだけだ! それの何が悪い!

 「やっぱり、こんな格好でお料理するなんて恥ずかしすぎます・・・!」

 「あー? 仕方ねえな・・・じゃ、料理しなくていいから、コーヒー淹れろ。」

 「おんなじじゃないですか!」

 「アホか。料理するのとコーヒー淹れるのとじゃ、全然時間が違うじゃねーか。」

 「同じです!」

 段々ムカムカしてくる。

 なんだかんだ言って、結局やっぱり俺の言うコトがきけねえだけじゃねえのか? そんなに俺がイヤなのか。あれが恥ずかしいこれがイヤだ、そんなに俺が・・・

 文句を言おうとしたその時、突然春歌が首にしがみついてきた。

 「うわっ。」

 いきなりに驚いてたじろいだ。

 「蘭丸さんがイヤな訳じゃないです。だから、怒らないで。」

 さっきとは違う、か細い声だった。

 「えっ・・・。」

 一瞬、見透かされたのかと思ってどきっとする。
 だがコイツは、潤んだ真剣な瞳で俺を見て言った。

 「もう、あんな喧嘩はイヤです。私が蘭丸さんに触られたくないからイヤがってるって、誤解しないで下さい。お願いです。恥ずかしいだけで、蘭丸さんがイヤなのとは、全然違います。」

 毒気を抜かれるってのはこういう事かとぼんやりした俺は、そのまま優しくキスをした。

 
 
 

 一緒に果てて、俺に体を寄せてとろんとしているコイツの頬にそっと触れる。
 何だかんだで、結局やることはやったので満足だ。だが。

 「おい、次は約束守れよ。」

 「・・・。」

 「返事は。」

 「・・・・エプロンを着けるだけなら、いいです。」

 「そのカッコのままコーヒー淹れろ。それ位いいじゃねえか。」

 「・・・蘭丸さんに、そんな趣味があるなんて知りませんでした・・・。」

 「ばーか。俺の趣味じゃなくて、世の男の趣味なんだよ。」

 「もぉ・・・最低、です。」

 「ンだと。」

 「だって・・・!」

 これから暫く、ベッド前のこの小競り合いは続くだろうと俺は思った。
 その度に、俺を最低だと小さな声で糾弾し、恥ずかしがりながら抵抗して、きっと俺の希望が通る可能性は少ないのだろうと予感した。

 だがそれを妙に嬉しいように感じた事実は、コイツには黙っておこうと思った。

 

 

 

                          fin





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みるくあずき2

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成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

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にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

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只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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