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開店記念デス 誉先輩SS ~スタスカ 夏~

 Lesson1 Honeymoon

 
「ねえ、新婚旅行の練習をしようよ。」

 学生時代から、突飛な事をサラリと言う人だったけど、流石にコレには心底面食らった。軽井沢の別荘へ1週間ほど行こうと普通に言えばイイのに、こんな風に言うものだから、一瞬周りの空気が止った。
 
 そして、本当に新婚旅行の練習、要は婚前旅行としてココに居る現実に驚いている。優しい彼の声に包まれて眠るのが当たり前になる。心地よくて、私を安心させてくれる、あたたかな腕と声。

 「どうしたの? 眠れないの?」
 
 「うん・・・。誉さん、何かお話して・・・。」
 
 抱きしめられているのに、更にスリスリと身を寄せて甘えてみた。
 
 彼と正式に婚約した。
 無事に卒業式を終えたら結婚するとお互いの両親に挨拶をし、両家の顔合わせと呼ばれるものも済ませた。
 何が何やら判らないうちに話は進み、式後どうしてもすぐには彼の仕事の都合がつかない為、先に新婚旅行を兼ねた休養として、彼の家が持つ軽井沢の別荘に来ていた。
 
 滞在予定は半月。最初、1週間ほど楽しみたいと言っていた彼の希望を大幅に上回った夢のような日も既に10日が過ぎ、帰る日が近い。
 ずっとこうしていたい。結婚して、毎日一緒の家にいられるのは勿論嬉しい。けれど、彼の家には、両親は勿論、年の離れた妹達もいる。2人きりで過ごせる時間はきっと少ない。結婚した途端、私の役割はすぐに、誉さんの妻であるより、金久保家の嫁である方が大部分を占める事となるのは判り切っていた。

 それでも、誉さんと一緒に毎晩眠れる方が良かった。それだけで、幸せだから。
 
 「お話かあ・・・。そう言えば昔、部活帰りに宮地君が、フィンランドの七夕のお話をしてくれた事があったね。」
 
 「あ、覚えてます。宮地君にもロマンチックな一面があるんだなって、皆、意外そうに聞いてましたよね。」
 
 「うん。僕は神話科じゃなかったから、彼ほどお話には詳しくなくって、どうしようかな。昔話なら、妹達にしてやってたから覚えてるけど、君に聞かせるような色気のある昔話なんてないしね。」
 
 フフっ、と優しく笑って、誉さんの手が頬を撫でてくれる。
 
 「ココへ来て、もう10日も経つね。昨日やっと、初めて何もせずに眠ったんだよね。僕たち、あんなことばっかりしてて、イケナイ恋人同士だよねえ・・・ふふっ。」
 
 「もうっ、誉さんってば・・・。」
 
 かあっと顔が熱くなる。
 
 誉さんの言う通り、私たちはここへ来た日から、昼夜問わずお互いを求めあい、体を寄せ合ってばかりいた。裸になってない時も、手を繋ぎ、抱きあいキスを繰り返すばかり。
 
 折角の軽井沢だから、観光したり、お買い物したりお散歩したり、オシャレなカフェでお茶を飲んだり。色んなお出かけは楽しんでいるけれど。今迄中々会えなかった分、こんなに長く一緒に居られて、別荘で2人きりになるとつい触れたくなってしまって、触れてしまうと盛り上がってしまう。

 「恋人同士じゃなくなるから、イケナイの度合いが違ってくる気がするね。夫婦だと、何か悪い事してるって感じが減って、堂々と君とイチャイチャできて嬉しいな。僕の奥さんだぞって、人に見せつけ乍らキスしても咎められないなんて、最高。」
 
 また、ドキっとするような事をサラっと言った。普段おっとりと穏やかな人が話すそのテの台詞は、片思いしてた頃は特に、心臓が飛び出しそうにドキドキしたものだった。
 
 「夫婦でも、人前でキスしたら恥ずかしいですよ・・・・。日本だし。」
 
 「そう? ん~、そうかな・・・・。ねえ、そんな事言ってたら、キス、したくなっちゃった。してもいい?」
 
 「・・・聞かれると恥ずかしい・・。聞かずにしちゃってくれた方がイイです・・・。」

 恥ずかしくて目を反らした私を、カワイイと言ってギュっと抱き締め、キスをしてくる彼。
 彼の手が、キスの途中で私の胸に触れた。パジャマの下の何も着けていない胸は、誉さんの手を敏感に感じ取り、すぐに天辺を尖らせた。それを逃すまいとするかのように強めに指で挟まれる。
 
 「っん。」
 
 「ね、もうこんなだけど、もしかして、こうされるのを待ってたの?」
 
 甘くてとろとろになりそうに優しい、誉さんの声。
 
 「・・・! ヤ、だ、そんな、・・・意地悪、言わないで・・。」
 
 それ以上言うと既に感じている事を気付かれそうで、声が消え入る。
 
 「ん~、意地悪じゃないよ? ねえ、言って。僕、君に欲しがって貰えてるか、知りたいんだ。僕だけが、君を抱きたくて仕方ないんじゃないかって、不安になるよ。」
 
 やわやわと胸を揉みながら、触れるだけのキスを繰り返す彼。
 
 「・・・私も、・・・。」
 
 「ふふ、嬉しいけど、ね、ハッキリ言って。僕の不安、君じゃないと、取れないんだから。恥ずかしがらないで。」
 
 切なげな声の彼を振り切れなくて、
 
 「私も、誉さんが、欲しいって思ってるよ・・・・。抱いてほしくて、キスしてほしくて、わ。私、こんな事言ったら、誉さんに嫌われちゃう・・・。はしたないって思われたら、イヤだもん、そんなに、言えないよ・・・。」
 
 目を合わせないように言うのが精一杯だった。必死になって、でも小さい声で、答えた。
 恥ずかしくて顔から火が出そうだった。私の愛情が少ない、などと誉さんに誤解されたくなくて思わず言ったとはいえ、女の子の方から欲しいって口に出すなんて。抱いてほしいなんて言葉を面と向かって言うなんて、自己嫌悪に似た物が私を覆いそうになる。顔が真っ赤になって火照っている。

 そんな私を見て、誉さんは感嘆したような息をしながら私に伸し掛かり、深くキスをしてきた。角度を変えて、口内の全てを犯すようなキスが続く。ようやく唇が離れても、透明な糸が私達を繋げたままで、名残惜しさにもう一度、どちらからともなく口づけた。
 
 「はしたなくなって、いいよ。僕の前だけでね。僕と、はしたない事をしてる君が、たまらなく大好きだよ。」
 
 恥ずかしさと嬉しさで体の奥が震える。
 性急にパジャマを脱がされ、あっという間に2人共裸になって重なり合う。ベッドのシーツが、背景から切り取られたみたいに際立って冷たく感じる程、体中が熱い。
 一昨日もその前も、何日も貪るように繋がりあっているのに、まだ足りないなんて、愛し合う行為に終わりはあるのだろうか。ふと過る疑問も、彼の指に忽ちかき消される。

 ベッドの上に向かい合わせで座って大きく足を広げ、彼を受け入れる。どんなに誉さんが濡らしてくれても、入ってくる時は押し広げられる感覚に思わず体が仰け反る。少し腰を浮かせて彼が挿れやすいようにする。こんな事も、彼と付き合っていく中で知った事。
 
 「ハぁっ、あ、あ・・・。」
 
 彼のモノが根元までずっぽり入ると、その質量で体が一杯になったよう。好きな人を受け入れるって、その人で一杯にされる事なんだって初めて知った日から、その幸せで私の中心は濡れそぼる。抜き差しされて、甘い声で喘ぐ自分が消えてしまいたい程恥ずかしい。誉さんの目の前で、背を反らせ脚を広げて彼の侵入に悦びの声をあげる私を、見られているかと思うと、羞恥で思考が白くなる。
 
 「ね、ホラ・・・。」
 
 頭の後ろに手を回され、少し俯くような加減に動かされた。
 
 「え。」
 
 「見えるでしょ、僕のが出たり入ったりしてるの・・・ほら。」
 
 そう言って、グッと奥へ入れ込む。
 
 「ああん!」
 
 恥ずかしくて顔を横に向ける。彼は甘い吐息でそんな私を誘いかける。
 
 「ダーメ、イイ子だから、僕達が繋がってるトコ見てごらん。スゴイでしょ、君は、僕のを全部呑み込んじゃうんだから・・・。ね、僕のが君ので、濡れちゃってるのもわかるよ。ね、光って見えるでしょ、コレ、君のだよ・・・。」
 
 「イヤ、イヤっ。言わないでっ。」
 
 時々、誉さんはこうして意地悪をする。恥ずかしがる私を見て楽しんでるみたい。ギュっと目を瞑って横を向く私の顔を、もう一度動かす。
 
 「目、開けてごらん。イイ子だから。言う事聞かないと、激しくしちゃうよ?」
 
 「あ、ヤ、ダメ・・・」
 
 激しくされたら困るという思いが一瞬勝って、恐る恐る目をあける。視界に入る、卑猥な繋がり。見るからに固い誉さんの塊が、私の中に埋まってる猥褻な絵に目を奪われる。動かされても、目が離せない。
 
 「あ、ああ、ああ。」
 
 動かされて、快楽に声をあげながらも、私はそれを見続けるしかできないでいた。
 
 「わかったでしょ、こうやって入ってくんだよ。こうやって僕と君が繋がるんだよ。ね、気持ちイイ?」
 
 「アンっ、あ、あっ、やあっ、ああ・・・。」
 
 「ふふ、口もきけない程イイんだ。僕、君のその声、大好き。可愛くて、メチャクチャにしたくなる。 ねえ、激しくしてもいいかな? その声もっと聞かせて。」
 
 言うな否や、さっきとは比べ物にならない早さで挿送され、私はもっと大きな声を出してしまった。彼の思い通りにされてるという気持ちが、満足感に似て快楽へ結びつく。ぐちゅっぐちゅっと聞こえる恥ずかしい音に思わずイヤっ と叫んでしまい、それが逆に彼を煽り、わざと音がするように動かされる。

 くるんとひっくり返されて、視界が変わる。目の前に枕があった。ぐっとお尻を高く突きだすように持ち上げられる。四つん這いにされたんだ、と自覚するのと、彼が押し入って来たのが同時で、又何も考えられなくなる。
 
 私の喘ぐ声と、擦れるシーツの音。そして、彼の切なげな吐息。それらと同じなのに、対極にあるような淫靡な水の音が理性を崩壊させる。散々揺さ振られ、私の配役は差し詰め、荒馬に振り落とされぬよう必死になる騎手。彼の手が乱暴に私の胸をかき乱し始め、さっきよりも強くベッドに押し付けらる。何かを言われてもないのに、彼の様子が終わりの近い事を告げる。
 
 ―――――――中に欲しい。
 
 いつも同じ時に同じ事を思う。これが、女として生まれた紛れもない本能なのだろうかと下らない事を思う。
 
 「っ、・・・あ、出る、出るよっ・・・・!」
 
 「うん、出して、いっぱい出してっ。」
 
 何もかもが吹き飛んで、彼の放つ白濁の蜜に塗れる事だけを願う一瞬。


 
 どれ位、経ったのか。彼の胸の中で余韻に浸っていた時から此岸と彼岸を漂うような心地だったけれど、すうっと、本気の眠気に襲われる。
 
 気持ちよい気怠るさ。彼と付き合いだしてから、冷め切らない熱が引いていくこの時間には、いつも例えようのない幸せを覚えていた。
 
 「眠くなったの・・・? イイよ、眠って、僕も、眠るよ。・・・・ああ、もう2時を回っちゃう。」 
 
 優しい声がして、そっと唇が触れる。
 
 「ねえ、僕まだ、子供は要らないな・・・。いつかは欲しいけど、今はまだ、僕だけが君を独り占めしていたいから、新婚生活、何年か楽しんでからにしようね・・・。そんな事言って、中に出しちゃったけど・・・。」
 
 悪戯っ子みたいに笑って、顔を寄せてくる彼が愛おしい。
 
 「今日は、出来ない日だと思うけど・・・。でも、結婚するんだもん、出来ちゃっても、私は嬉しいかも。ね、誉さん、明日は、あのお茶が飲めるパン屋さんに行きたい・・・。」
 
 「うん、行こう。きっと、お昼を過ぎちゃうけどね・・・。また寝坊だね、僕たち。」
 
 彼の息が規則的になったのを確かめてから眠ったような気がするけど、定かではない。
 どちらが先に眠ったか判らない。2人して沈みゆくまどろみ。
 
 明日もきっと、楽しい1日が待っている。私達の短い新婚旅行。
 マリッジブルーなんて無縁で過ごせている私はきっと、世界一幸せ。彼を愛してる。この幸せに、彼に一生恋し続ける事を誓い、今日は眠ろう。






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別荘にて

 

 以前リクエスト頂いたSSになります。
 リクエスト下さった方、UPまで大変お待たせ致しました。ありがとうございました。






 色んなことがあったけど、とうとう私は郁と婚約をした。
 意地悪なトコロは相変わらずだけど、昔より素直になったし、率直に優しさを表現してくれることが増えた。

 ある日彼が、挙式披露宴を行う前に、最後の恋人同士としての旅行をしようと、3日間だけだけど、素敵な貸し別荘を予約してくれた。
 涼しさが心地よい高原の、可愛い洋館。

 「あっ、ふぅんん! ダメぇ・・・。」

 後ろから郁に腰を抱えられ、出し入れされる彼の固いものを感じながら、私ははしたない声で喘ぎ続けていた。

 「何がダメなの・・・? すごいけど、君のココ・・・ほら、音、してる。」

 そう言って、わざと角度を変えて、ぐちゃぐちゃと卑猥な音が大きくたつように出し入れされる。
 響く水音が、そのまま自分の色欲の深さを表しているようで、泣きそうに恥ずかしい。
 
 「いやぁ、やあっん。」

 「イヤじゃないでしょ。こんな、外で犯されてるのに、地面におつゆが飛び散るくらい感じちゃってるんだから・・・。君、意外と見られたい子だったんだね・・・。」

 ふふっ、と、嘲るような微笑に背筋がゾクゾクする。

 「ちがうぅ・・・ああん!」
 
 夏の避暑需要期を過ぎたためか、世間では所謂人気のこの別荘地にも、今あまり人は居ないようだった。
 ここから少し先にある、小洒落た店が立ち並ぶエリアも、3、4割程度の店は既に季節的な休業になっている。

 だが晴れている日の外の風の心地よさは、人ごみの真夏より、この別荘で過ごすには最適なのではないかと思うほど、快適だった。

 だから、この大きくて広い庭を散歩していたのだけど、なんだかこんなコトになってしまったのだった。

 お互い、婚前旅行という特別な感覚に酔ってはいる。
 だからなのか、庭に置いてあったベンチに何気なく座り、つい絡めた指だけで気持ちが昂ぶってしまった。高い塀に囲まれて、外からは見えない庭とはいえ屋外なのに、服もほとんど剥ぎ取られた私を、彼が貪っている。

 「ね、中に出すよ。君の一番奥まで、僕のが届くように出してあげるからね。」

 「あんっ、あっ、そんな、まだ・・・。」

 「君に拒否権は無いよ。君はもう、本当に僕だけのモノになるんだから・・・僕の赤ちゃん、産むんだよ。僕に中で沢山出されたら・・・・嬉しくない?」

 否定は許さないとばかり、片手で乳首を強く引っ張られた。
 
 「ひゃうううううう!」
 
 「すごいね。ココ、ずっと勃ったままだよ・・・。こんなイヤラシイ体してる子は、他の男を誘わないようにさっさと孕ませなくちゃね。」

 「そんな、そんな事しないっ・・・あああん。」

 郁が、私の体を反らせ、覆い被さってキスをしてきた。

 「してるよ・・・・ほんっと、君は。無自覚なんだから性質が悪いよ。大体今でも幼馴染クンたちが・・・だから、僕のモノだっていう絶対的な証を、君の体、にっ・・・。」

 「んぁあああっ、郁っ・・・ダメ、まだ私・・・。」

 だって、まだ2人きりで居たいの。

 そう言いたくても、郁が益々激しく腰を打ちつけるから喋れない。
 甘えたような、だらしない喘ぎ声しかあげられない。

 「あ・・・っく、あ、出すよっ・・・。」

 郁が何度か大きく腰をびくんとさせ、呻く。
 少しだけ遅れて、自分の体の中がじんわりとあたたかくなって拡がっていく。そしてそれが、今までに感じた事の無い妙な恍惚感を醸し出した。

 (あったかくて、気持ちイイ・・・。)

 縋っていたベンチに倒れ込みながら、私は中に出された至福に浸っていた。
 
 ぐったりと倒れ込んでいる木製のベンチの素材感だけが、妙にハッキリと自分の頬に伝わってくる。こういう時、感覚の一箇所だけが自分の体から抜け切らないまま、異彩な空気を放って鋭敏になるのは何故なのだろう。
 
 意味の無いコトを考えながら、そのまま木の感触をただ受け止める。
 郁が、息をつきながらまだ大きなままのモノを、私の中から抜いた。

 躯の中にしっかりとはまり込んでいたモノが抜かれ、中に出された郁の体液が、とろりと内腿を伝う。熱くて、うっとりする。

 でも、うっとりしたのは私だけじゃないようだった。

 「・・・・すごいね・・・卑猥、眺めが。」

 「・・・?」

 だるい体を捩り後ろを見遣ると、郁が私の脚の間を凝視していた。

 「や、やだぁ・・・」

 慌ててしゃがもうとしたら、郁にお尻をぐっと掴まえられた。

 「ダメだよ。見せて。中に出したのなんて初めてだから、こんなの初めて見ちゃったな。すごくイヤラシイ眺めだよ・・・。君のだか僕のだか、判んないよ、混じっちゃって。」

 「イヤぁ。も、見ないで。」

 「こんな明るい所で見れるなんて滅多に無いんだから。見せてよ。」

 「そんな・・ぁ・・・。」

 「日が当たって、透明な糸がキラキラしちゃってるよ。糸引いてるのは、君のだね。」

 恥ずかしくて逃げ出したい。
 郁はお構いなしに、観察を続けている。

 「ああ、結構大量に洩れてきちゃってる。こんなに出ちゃったらダメだね、もう1回しないと。」

 「え。」

 「なぁにその顔? 僕とするのはイヤ?」

 「そんな・・・そんな言い方、ズルい・・・。」

 お尻だけ突き出したまま崩れかけたような様で、振り返っている肩越しに郁を軽く睨む。
 でも、睨んだつもりだったのに何故か郁は、少しだけだけど、見惚れたような顔をした。

 「・・・ねぇ君さ、そんな格好で上目遣いで、男をズルいって詰るって、すごい破壊力だって解ってやってるワケ?」

 言い終わらないうちに、郁がまた私の中に入り込んだ。

 「ひゃあああん! あああっ、やぁっ、こんなっ・・・。」

 「あ・・・スゴイよ、君の中、滅茶苦茶になってる・・・ドロドロで、すごい・・・。」

 また後ろから、腰ごとぐっと彼の方へ引き寄せられ持ち上げられた。
 今からまた深くされる。彼の動きで次が判って、顔が熱くなる。

 「あああいやぁ、も、もうこんな外でっ・・・いやぁああ。」

 イヤなのに、こんな明るい外で、こんな恥ずかしい恰好をさせられて本当にイヤなのに、郁が欲しくて仕方なくて、郁のくれる快楽に蕩け切った私の口からは、弱弱しい否定の言葉がやっと出て来るだけだ。

 「イヤ、って、っふふ。嘘ばっかり。ココ、悦んでるよ、膨らんじゃってる。」

 「ひいいいい!」

 敏感すぎる芽に指で粘液を擦りつけられ、私はそのまま達してしまった。続けて郁に、激しく肌がぶつかる音がする程の勢いで何度も入れ込まれ、声を上げる間も無いまま、切れ目なしに絶頂に飛んだ。


 気持ちが良すぎて逃げ出したくて、涙が出そうになって郁を受け入れさせられて、そしてそれが、いつしか真っ白になる。
 何度彼に抱かれて、これを味わっただろう。
 抵抗も怯えも恥じらう気持ちも、彼の手で、舌で、そして太い杭でどろどろに鎔かされて、最後にはカタチもなくなり蒸気となり膨らみ切って、弾ける。
 気が付くとたゆたう空気になってゆらゆら揺れながら、見えないけど心地良い残骸として暫く残っている。夢のような一瞬。

 私は2度目の郁の射精で、また同じ白昼夢を見た。今までも何度も見た夢。
 私の中の何かが高速で全身を引っ張って弾けて、そのあとまた穏やかに揺らぐ何かに変わる夢。きっと、郁でしか、見られない、夢。

 そうであってほしいと願う、夢。

 


 戻って来た屋敷のバスルームで汚れを落としながら、何故かまた始めてしまった私達は、自分達の反響する荒い息を耳にしながら一緒に果てた。

 彼の放った体液が、私の体から溢れ出て、冷たいタイルを汚していった。
 彼はその後、私を膝に抱えながら、優しい手つきで体を洗ってくれた。甘くてくすぐったい時間。
 一緒に暮したら、もっとこんなコトが出来る日が増えるかと思うと嬉しくて、嬉しくて、私も彼の体を洗ってあげた。

 頬を真っ赤にして、全身からほわほわと蒸気を発しながら、夕方になって少し蔭ってきた部屋で、郁の淹れてくれたホットココアを飲む。
 服は、半分きちんと着ないまま。

 郁が、そのままで居てほしいと言うから。
 彼は、私の膝を枕にして、下着も着けず、ちゃんとボタンを留めてないブラウスから毀れている乳房を、下から弄って遊んでいる。

 「ん。ダメ、郁。ココア、こぼしても知らないから。」

 「それは困るね。それ熱いし。・・・ね、外でするの、意外といいね。またしようか。」

 「えっ。い、イヤ。だってココは人が居ないからしただけで、帰ったら、そんなの・・・。」

 「じゃあ君はそのまま、僕がドコを触っても、大人しくこぼさずにココアを飲んでて。」

 「もぉやだぁ・・・。」

 
 少しの間我慢していたけれど、とうとう耐えきれなくなった私はカップを置いた。
 ショーツの中は、毀れてきていた彼のさっきの体液で、熱く、どろりと汚れてしまっている。

 「さて、どれくらい毀れて来ちゃったか、見せてごらん。沢山洩らしてたら、もう1回するからね。」

 今日はきっと、気絶するまで注ぎ込まれるに違いない。
 彼の、どこかで意地悪を楽しんでいる目に、ゾクゾクしてお腹の奥がきゅうっと疼く。

 「あ~あ・・・大分出ちゃったね・・・。栓しておかないとやっぱ無理だね。まぁいいか、また奥へ注げば。」
 
 郁の唇が近付いてくる。
 
 「ハネムーンベビーとか、ちょっと夢見てるんだ。夢見てるだけ、だけどね・・・。」

 どんなものも、貴方の見る夢なら一緒に見たい。
 2人で見る夢は、泡沫でも現し世でも幸せだから。

 私は郁の背中に手を回し、彼のキスに身を委ねた。
 秋の休日。私達の婚前小旅行はまだ、続く。




 

                fin

 

 

 

ミニチュアガーデン ~錫也 from スタスカ~

 

 以前、本家ブログのアメンバー限定記事で挙げたSSです。
 再掲載にあたり、若干加筆修正されております。スタスカ後春PSP発売に因んで、私の中の全年齢ゲー最悪のヤンデレ代表・アムネのトーマに並ぶ、スタスカより、錫也で、お送りします。

 年末の告知でちらっと記載した、妄想ファミリーさんとの合同本に掲載したシークレットレッスンの嶺ちゃんサイドストーリーを、1月の下旬にUP予定です。本を読んで下さった方への、ささやかなお礼です。エロほとんど無しの、嶺ちゃんのモノローグ的なモノになりますが、宜しくお願い致します。
 





 ミニチュア・ガーデン




 優しいにも、色々ある。
 
 私の幼馴染は優しい。
 お料理上手で頼れるお兄ちゃん。面倒見のいいお母さん(?)、そんな表現がピッタリな人柄は、子供の頃から変わらない。

 周りにも、優等生として信頼されている自慢の恋人。
 いつも、自分より私を優先してくれて、お姫様扱いしてくれる人。私だけを一途に想い、大切にして、尽くしてくれる人。
 
 彼が言葉でハッキリ想いを伝えてくれて、私がそれに応えてからは、より一層深い愛情を注いでくれるようになった。彼の世界は、私を中心に動いていると言っても、それはあながち自意識過剰では無い。
 
 判ってはいる。
 彼の愛は、激しい独占欲で縁取られていると。それゆえの、彼の世界の中心が私。であると。

 でもその事を、うっかり忘れる時もある。そして、こんな事態を引き起こす。

 
 「錫也、お願い、これ、解いて・・・。」

 聞き入れて貰えないだろうという諦めを捨て切れず、一縷の望みのつもりで懇願した。

 長くて深いキスをし終え、私の首筋を舐めながら髪を撫でていた彼の手が泊まる。
 ゆっくりと、少しだけ体を離し、じっとこちらの目を見詰めてきた。錫也は目の奥を僅かに淀ませ、いつもと同じ穏やかな声で言う。

 「痛くないだろ。大丈夫、お前の体に傷が残るような真似はしないよ。」

 「・・・違うの、そうじゃなくて、これ、解いてほしいの。お願い・・・。」

 恐怖がじわじわと足首辺りから這い上がってきて、滅多な事を口にしたら何かされるのではないかと怯えながら、聞き入れられない依頼をまた紡いだ私は、どんなに滑稽に見えているのだろう。

 着物の腰紐のようなモノで縛られた体は見るも耐え難い様で、私は意味もなく泣きたくなっていた。
 座って大きく脚を開いた状態で固定されている。腕も一纏めに縛られ、恥ずかしさが行き場を失くして、思考が劣化していくのが判る。

 「大丈夫、綺麗だよ・・・。お前の体は、こうすると本当、イヤラシイよなあ。興奮するよ。ああ、ココ、、もう濡れてるじゃないか・・・淫乱なお姫様だねえ。」

 「アアッ、やああん、ダメ、錫也お願いッ、許して、あああ。」

 ぐちゅっぐちゅっと指で蜜壺を掻き回され、逃げようと体を動かしても、縛られていてはどうにもならない。

 「許して? お前、自分が悪い事したって判ってるんだ? 何だ、さっきはトボけてたのか。じゃあまだ終われないな。」

 声に僅かに笑いが混じってる気がした。
 どうして、何がオカシイの? 解らない。

 解らなくて、思わず感情を意見も整理出来てないまま、言葉だけを必死で発する。

 「んんっ! あっ、そんな、悪いコト、なん、て。してな・・・も、誰にもついていったりしないからぁっ・・・あああん、あんっ。」

 「・・・。」

 笑う気配。
 
 「喘ぎながら言い訳されても、ちっとも説得力無いぞ。どうして解いて貰えないのか、もう解ってるんだろ? 悪い子にはお仕置きが必要なんだ。」

 そう言って彼は、指をぐっと奥まで押し込んだ。

 「あああああああああっ。」

 奥を抉るような刺激に、彼の言葉を考える余裕が消される。

 前にも似たような事があった。これで、3度目。
 彼は、強烈な嫉妬心を覚えると人が変わったようになる。

 この前は、ベッドの上に乱暴に放り投げた私の上に伸し掛かり、他の人と楽しげに話をしていた、誰々と2人きりでいた、俺をほっぽって知らん顔をしていたと、ある事無い事と散々並べたて、淫乱と罵りながら、執拗に私を攻め続けた。

 他の男の人を知らない私でも、錫也が多分所謂絶倫であるだとうと、なんとなく感じていた。

 そんな彼に、なすがまま乱暴に揺さぶられている間ずっと、どこが感じるのか、自分の体がどうなのか言葉にさせられ、錫也を愛している。私は錫也だけのモノだと、繰り返し言い続けるのも強要された。

 その後は、私の愛液でべとべとになり、精を吐し終わった彼のモノを、丁寧に舌でキレイにするよう指示された。
 半ば気絶していた私は、何も考えられずただ言う通りに従った。錫也はそれでやっと気が済んだのか、その後はいつもの彼に戻り、好きだ、離れないでほしいとうわ言のように繰り返しながら、弄ばれすぎてボロボロになった私を、泣きそうな、縋るような腕で長い時間抱き締めていた。

 嫉妬で彼は豹変する。まるで、もうひとつ人格があるかのように。ソレに気付いたのは、恋人同士になってからだ。

 小さい頃からずっと一緒だから、彼が平和主義者でありながら、完全に敵と見做した相手には度肝を抜くような残酷な仕打ちをするのを見た日もあった。気付いたというよりは、薄々知っていたが身につまされた。という表現が正しい。

 目の前の錫也は、薄っすら笑っているようにも見える。目も、唇も、笑顔のソレでは無いのに。
 
 濡れた下半身を嬲っていた錫也の指が私の唇をなぞり、侵入して舌を挟む。抵抗のつもりで顔を横に向けようとすると、また真正面を向かされる。

 錫也の顔を、見るようにされる。

 「ね、もうこんなだよ、お前のマ××。ほら、ちゃんと舐めて・・・そ、俺の指、お前の汁でベッタベタだろ。ハハ、お前のその顔、すごく可愛い。ほぅら、俺の顔ちゃんと見て、俺を見ながら、舌を動かすんだよ。」

 半分は恐怖心。今の彼に逆らったら何をされるか不安だったから、素直に彼を見た。
 ギュっと閉じていた目を開けて舌を動かす。こんな時でも、自然に反応して教えられてきた通りに舌を動かしている自分そのものが、彼の手から逃れられない永遠を暗示している気がして頭が白む。

 「ンむ・・・ぁ、・・・ん。」

 自分の吐息の卑猥さに体温が上昇しかけた。
 ソレが判ったのか、錫也がすっと私の口から指を引き抜き、見せつけるみたいにゆっくりと自分で舐めた。

 「んー・・・もうお前の涎の味しかしないねえ。お前のコッチの味を楽しみたいのに。」

 そう言う錫也の舌が、やけに苺みたいな、瑞々しさを持った赤だった。時が止まったような感覚の中で、ゾクゾクと背中に何かが沸き上がる瞬間。

 錫也はそのまま私の脚の間に顔を埋め、秘部を舌で愛撫し始めた。
 一番敏感な芽を舌で転がされ、既にそれがぷっくりと膨らんでいる事実に気付かされ、忽ち忘れかけていた羞恥心にハっとなる。

 「や! やああ、錫也やめて、やめて!」

 感情の見えない愛撫を受けているのが怖くて逃げたくても、私の体をガッチリ抑え付ける彼の手は、まるで石の如く重い。強く吸われたり、指で弾かれたりを何度もやられ、世界が段々遠くなる。


 

 同じ部の先輩に、話があると連れ出された大学裏手の芝生での出来ごとを、錫也はどこで見ていたのだろう。

 錫也は、先輩が私に恋心を打ち明けた辺りから、既に見ていたらしかった。

 ただ自分の気持ちを伝えたかったんだと微笑み、彼氏が居るのは知っているから、返事は要らないと俯いた先輩。そして、両手で私の手を取ると、踏ん切りをつけたかった、聞いてくれてありがとう。実家の方で就職するから、きっともう逢う事もないだろうけど、どうか元気で。と、笑顔で言ってくれた。

 嬉しかった。
 嬉しくないなど、そんな人はいないと私は思うのだ。

 真面目に部活動に取り組む姿勢を尊敬していた人だったから。いつも部の皆に分け隔てなく優しく接してくれた。そんな、人として好印象な相手に好かれていたのが判って、嬉しくない筈がない。

 少し浮かれた気持ちは、迎えにきた錫也の一言で凍らされて砕けてしまった。
 迎えにきたよ、と私の顔を見てにっこりと笑った錫也。そして、帰ろうか、と彼が言ったので、隣に並んだ途端、

 「やっぱりあの男、お前のことが好きだったんだな。どさくさ紛れに手ぇ握るとか、ありえないね。どういうつもりなんだか・・・手、握られっぱなしのお前も、な?」

 声は笑ってるのに、底冷えする炎が灯る目線を流して、私の手を持った彼の手。
 熱くて、氷と同じ痛さを持った冷たい手。

 「そんな言い方って・・・!」

 思わず少しむっとして、文句を言い掛けた私の手を、感情の無い目で握り潰すように力を入れた錫也。
 私は、黙るしか無かった。

 「帰ろう。俺の部屋だよ・・・・いいね? いやなのか? いやじゃないよな?」

 有無を言わさない声音。
 帰る場所を選べない私は、彼の法廷では既に有罪だ。前科2犯の私の最終弁論は場外で打ち切り扱いとなり、主文を読み上げない裁判官の手に引かれ、歩き出す。

 あの帰り道と、部屋に入るなり錫也が自分の鞄を放り投げ、仲に入ってたレポートファイルや筆記用具が散らばったままの床を見ながら、彼に啼かされている現実が繋がっている。

 それを上手く頭で整理しきれなくて、今甘い声を上げている自分が空中の浮遊物にしか思えない。
 こんな風にされ、これ以上が怖くて不安がる私をどう思っているのか、錫也は一向に愛撫を止めない。執拗に舌で嬲られ続け、嫌がりながらも快楽の頂上に追いつめられ落下する寸前、錫也がいきなり動きを止めた。

 彼は、荒い息を整えかけた私の顎をクっと掴み。

 「ごめん、気が利かなくて、悪かった。コッチばっかりじゃ可哀想だよな。」

 「えっ・・・?」

 散らかった荷物をガサゴソと漁り、クスクスと喉で笑いながら私に向き直った錫也が手にしていたのは、レポートを束にして挟んでいた文房具だった。
 プラスチックのクリップを掌で転がしながら、錫也はもう片方の手で私の乳房に触れ、撫で回しながら唇で突起を包み込んだ。

 「はぁん。」

 慣れているのに堪らなく甘い痺れが走る恋人の舌。
 さっきまで散々下半身に刺激を受けていたせいで、すっかり固く尖った胸の天辺。キスされて更にしこったそれをクリップで挟まれた。

 「キャあああああああ!」

 驚きと痛みで思わず悲鳴を上げた。
 激痛が襲ったわけではない。恐怖が勝った悲鳴だった。

 しかし彼は私の悲鳴に一瞬の動揺も見せなかった。それどころか、突然の事に驚いて戦慄く私の蜜壺にまた指を入れ、激しく抜き差しし始めた。

 彼の指の動きに比例して白痴みたく、ああ、ああ、と繰り返し啼くだけしか術のない無能な自分は、最早このまま刑を受け入れるしかないと思い知る。

 冤罪?
 錫也と私の世界で私が被告人で在る以上、そんな概念は存在しない。

 「いつも甘噛みされて悦ぶくらいだから、お前はきっとこうされても感じるだろうと思ったよ・・・。やっぱりお前は、俺の予想通り、俺の知ってる通りだ・・・。気持ちいいんだろ、こんな風にされて、こんな顔しちゃって・・・。」

 敏感な天辺を挟んだクリップを弾かれ、痛みなのか快感なのか判別できない。
 湧きあがりが切れ目ない快楽で、頭の中心から自分のすべてが蕩けていきそう。言葉を発する神経の捻子も外れ、同じ喘ぎ声だけが口から流れる。疑問も抵抗も砂となり毀れ落ちていく。すべてがどうでもいい。

 このまま錫也の言いなりでいれば・・・そんな陥落が見えた時、怒張した彼のモノを膣口からずぶりと推し入れられ、途端軽く飛んだ。

 
 「・・・ぅあ、すご。溢れすぎ・・・。」

 びちゅっと勢い良く磨られた粘度のある水の音がした。
 錫也が一旦大きなモノを抜いた時、同時にごぽりと確かに音がして、私の秘部は大量の液体を垂れ零した。

 錫也はそれを見逃さなかった。
 
 「あーあーお前・・・こんな体になっちゃって、まったく。俺以外で満足出来るって勘違いしない方がお前の為だよ。なぁ、正直に言ってみな。こ、れ。」

 「んはぁ!」

 錫也がクリップを軽く揺する。
 ビリビリと痺れが走って、目の前が染まる。頭の中まで染まる。

 「感じてんだろ。気持ちいいんだろ、俺に苛められて。・・・変態。」

 彼の言葉が、私の中のほとんどすべてを剥がしにかかる。ただただ、錫也に嬲られ啜り泣くしか出来なくなる。

 「ほぅら、正直に言ってみな。こうされて、気持ちいいんだろ?」

 錫也はまた私の中に自身を入れ込み、腰をゆるゆると動かし、クリップを指先でぴんっと弾いた。
 
 「ふぁ・・・気持ち、い。いい、いいのぉ!」

 今、何を口走ったのかと、それすら中に入った錫也の動きで消える。

 顔に張り付いた髪を、錫也が優しく梳いてくれた。頬にキスをしてくる。愛しいものを何かから守るような、祈るようなキス。

 「やっと素直になった・・・お利口だねえ・・・。」

 大切な壊れ物を扱うように、彼の手が私を抱き抱える。

 「お前をこんなに可愛がってやれるのは俺だけなのに、どうも解ってないんだよなあ、お前は。お前は俺だけ見てればいいんだよ。イイ子で、俺の言う事だけ聴いてれば、それでいいんだ。俺がお前をうんと可愛がってやるから。」

 私の唇を吸いながら囁く声に反応し、私のアソコは錫也をきゅうきゅうと締めつけた。
 さっきよりも強く出し入れされ始める。

 壊れていく理性に音は無くて、その代わり、私を占領した快楽が引き起こす淫靡な水音が大きく響く。ぐちゅり、ぐちゅりと、錫也のそれを滑り良くする為に溢れ出る蜜の波打つ音が、景色の見えない底無し沼へ誘う。

 「あっ、ああっ、イキそう、イカセてっ、錫也ぁっ・・・ああっ。」

 「いいよ、でも、まだお仕置きの途中立って忘れてないか・・? どうしような? そうだな、お前が俺の上で、自分で動いてイクんなら、イカせてやるよ。」

 理性を失くし素直に強請った私を、錫也は更に堕とそうとする。
 どこまで私を辱め、支配するつもりなのだろう。どうして私は逃げ出さないんだろう。

 器用な手つきで脚の固定を解かれ、仰向けになった彼の上に乗せられた。
 すぐには足が上手く動かせない私を軽々と持ち上げ、入口の位置へ誘う。

 「ほら、自分で俺のを持って入れないと、はいらないんじゃないか?」

 返事をする喉も失くした私は、言われるまま彼の猛りに指を添え、腰を浮かし、挿れた。

 「あ、あああああ。」

 あまりの滑りの良さに目眩がする。
 腰を落としこむとそれだけで大きな声を出してしまいそうで、体重をかけないよう腕を突っ張る。

 彼が下から手を伸ばし、胸を苛んでいたクリップを外してくれた。
 尋常ではない刺激を受け続けたソコは、そっと撫でられただけでも電流が走る。解っていて面白がっているらしく、手を止めずに、彼は意地悪く言った。

 「イキたいんなら、奥まで入れて動くんだ。イヤなら、このままやめようか。」

 錫也の勝ち誇った目に映った私は、きっと情けない顔をしていたに違いない。
 普段の彼からは考えられないような卑猥な命令。それに煽られ、イクことしか考えてない貪欲な腰を性急に沈めた。

 「んぁあああああああん!」

 イキたい。
 大好きな錫也の、太くて固い情欲でイカされたい。

 頭の中がそれで一杯になり、我を忘れて腰を振った。

 彼の視線が肌に痛いほど刺さる恥ずかしさすら、神経を麻痺させるモルヒネ。
 錫也に与えられる快楽をすぐに呑み込む私の体は、錫也が言うように男好きな淫乱で、そのくせ錫也じゃなきゃ満足できないに違いない。私を取り巻く世界のすべては、錫也1人でいいとさえ、思考思惑何もかも塗り込められる。

 「ああん、もうイっちゃう、錫也っ、すず、やぁ・・!」

 「いいよ。ちゃんと見ててやるから。可愛い。俺でイキな。」

 「ア・・・あ、ああああ――――――――。」




 

 よく覚えていない。
 イった後で、また散々彼が上に乗って、私を貪り続けた。

 「俺のが気持ちいいんだろ。だったら、イイ子で俺だけのモノでいるんだよ・・・。」

 何度も聴いたのが夢だったのかすら曖昧で、気付いたら外は暗かった。
 目が覚め、少し不安になって上半身を起こした。ベッドの半分は誰も居ない。

 錫也の不在を確認した時、部屋のドアが開いた。


 「あ、起きたのか。よく寝てたなあ。丁度良かった、喉、乾いたろ。お腹も空いたろ。サンドイッチ、ほら、一緒に食べよう。」

 ニコニコしながら、ベッド脇の小さなテーブルを手早く食卓へと整える。
 いつもの穏やかで、お料理が上手な優しい錫也。・・・あれは、夢?

 「・・・すず、や・・。」

 「はい紅茶。すぐに飲めるようにぬるめにしてあるから、ほら、・・ん、違う、お前はいいの。俺が飲ませてやるから、お前は動かなくていいんだよ。体、しんどいだろ。」

 きちんと服を着て食事の用意をしていた錫也が、乱れた髪で裸のままの私の横に座り、口元までカップを運んでくれる。その時初めて気付いた。足が、おかしい。

 「寝起きだから、紅茶は少し甘くしてあるよ。・・・ああ、それ、寝てる間につけたんだけど、痛くはないだろう? 大丈夫、お前に不自由はさせないよ。俺が何でも全部やってやるから。」

 紅茶のカップから口をはなして足元を見詰める私に気付いた彼が、何でもない事のように笑う。にっこりとあたたかな笑顔は、いつもと同じだった。

 くるぶしを見て固まる私を、目を細めて愛しげに見る錫也の瞳。愛情だけでつくられている眼差し。

 「え・・・これ・・・な、に・・・え?」

 
 目で見た物を、うまく言葉に出来ない。
 じゃらりと、音がする。知っているものなのに、今その名詞を口にする事が怖い。信じ難い映像を言葉にする事が怖い。

 「この部屋出てすぐ洗面とトイレはあるから。風呂は、俺の居る時に入ればいいから問題無いよ。その時は外してやるから。」

 「え。」

 
 空気は凍るのだ。凍って、血の流れまで止める。
 だってほら、私の体は今、手の指一本すら動かない。

 「お前は何度言っても判んないみたいだからさ・・・。もう、俺と一緒じゃ無い時は、外に出さない事にしたよ。」

 「・・・え?」

 「お前この前、ゼミの奴と2人で学校の外へ食事に行ったろ。知ってるんだよ、俺。知らないと思ってた? それとも、飯喰うくらい、なんでもないと思ってた?」

 錫也のいつも通りの口調が怖かった。
 日常にすっぽり収まっている、彼の狂気の末端。

 「お前に言い聞かせるだけじゃダメだって思ったんだ。幾ら俺でも、お前に寄ってくるヤツ全部排除するにも限界があるよ。だから、お前を何とかするしかないって。」

 穏やかに、まるで天気の話をしているかのように、私の隣で彼は続ける。まだ半分寝ぼけた頭がすうっと冷えた。

 「・・・冗談でしょ・・・?」

 笑えない。今まで生きてきて、こんなにも上手く笑えなかった日などない。右足につけられた足枷。カーペットの上でとぐろを巻く鎖。
 絞り出した言葉が精一杯の私に、彼はこたえない。ただ、頭を優しく撫でられた。

 恐る恐るくるぶしに触れる。どうやって外すのか無意識に探りながら気付いた。どういう仕組みで、これが自分の足についているのかわからないのだ。

 「これ。え・・・? どうなって・・・え・・・?」

 現実を上手く整理出来ない頭で尋ねた私の目を真っ直ぐ捉え、錫也は満面の笑顔で答えてくれた。

 「普通の足枷じゃないよ。俺が、俺にしか外せないように、ちょっと作り変えてあるからね。やっと手に入れたんだ。お前だけは、絶対に逃がさない。一生、お前だけは離さない。」

 彼のその笑顔と台詞が鈍く脳内に木魂して、まるでジャッジガベルだと私はその時連想し、そして、理解した。

 判決は、終身刑。
 死ぬことも許されず、愛という拷問に架けられて世界と遮断され、錫也に目を塞がれて生き続ける実刑。

 
 彼は狂っている。逃げなくちゃ、咄嗟にそう思った。

 でもそれが解ったのか、それともそんな事など想定していたのか、錫也は私を抱きよせてキスをし、耳朶を噛みながら囁いた。

 「どこへ行く気だ?」

 「ひ・・・。」

 「逃げようなんて思わない方がいい。大体、何処へも行けないよ。お前の親が、俺を信用し切って最初から合い鍵を持たせてたんだよ。お前の身元を保証する一切のもの、金、何もかも、今はもう俺が全部管理してる。・・・まぁ、お前に断らなかったのは多少、気が引けてる部分もあるけどね。」

 「!?」

 「ペーパードライバーのお前の免許証、最近病気してないから健康保険証。キャッシュカードしか使わないから通帳、印鑑。お前はほんっとに、俺が全部面倒みてやんないと、空き巣に入られても気付かないだろうよ。」

 「まさか・・・。」

 「そうそう、キャッシュカードもさ、1日の引き出し限度額が設定してあったんだよ。お前はお人好しだから、悪い男に騙されて金でも渡すんじゃないかって心配だったよ。ま、これからはクレカも俺が預かるからさ。お前が自分で金を云々する必要は無いし、そもそも、俺と一緒にずっといるんだから、お前は金のコトなんか考える必要は無い。」

 淡々と、淡々と流れる異常。

 「あ、携帯はロック掛けてあるから、誰かに連絡したい時は俺に言って。その時は解除するから。それと、お前の友達で俺が知ってる女の子以外のアドレスは、全部消去しておいたよ。まー一応、もしも親戚とかだったりしたら困るから、俺がデータを預かってるから、後でお前に確認してもらうよ。で、メールは全部俺の携帯に転送だから。俺がチェックしてから、お前が読めばいい。」

 説明が体を素通りしていく。
 彼の言葉には、迷いも決意も無かった。そこに見えるのは生活の色だ。何の変哲もない日常を喋っている。それがたまらなく怖い。

 「お前はココから逃げたとしても、ホテルに泊まる金も無ければ、実家に帰る交通費も無い。自分が誰なのかを証明する書類のひとつすら持ってない。学生証も抜いといた。学校も、俺と一緒に行けばいいんだから、平気だろ。」

 自分の心臓が動いているのが妙にわかる。
 競り上がってくる未知。背筋を走る既知。

 「はははっ、なんて顔してんだ?」

 何でもない事のように彼が言う。穏やかに笑い、私を見て窘めるように言う。私はきっと、蒼ざめていた。

 「大丈夫だよ。お前の面倒は俺が全部みる。心配要らない。学校だって買い物だって、行きたい所にはちゃんと連れてってやるから。ただ、お前を誰にも渡したくないだけなんだ。お前を危険な目に遭わせたくないだけなんだ・・・。」

 彼の目は真剣で、そして、純粋だった。

 「愛してるよ。お前を絶対、誰にも渡さない。お前を本当に大事にしてやれるのも、この世の全部から守ってやれるのも、俺だけだ。・・・俺だけなんだ・・・。」

 いつもと同じ彼が、ふんわりと熱いキスを降らせながら、優しく私を抱き締めた。



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 10日が過ぎた。

 変わりなく学校へ通い、自室へも行く。ただ、私の部屋にあるカメラのスイッチを切る事は許されない。何処へ行くにも隣には彼が居る。必然的に、彼の部屋で過ごす時間がほとんどになった。

 「さ、紅茶を淹れたよ。今日、高級な茶葉をゼミのヤツに貰ったんだ。そいつ紅茶に凝っててさ。俺の彼女も紅茶が好きだって言ったら、分けてくれたんだよ。アップルパイもりんご多め! お前の好みに作ったよ~!」

 明日は休校だから、少し夜更かしをして久し振りに天体観測をしようと、彼から提案された。
 部屋の窓越しに星を見ながらアップルパイを食べようと、錫也は嬉しそうに、楽しげに夕食の支度と同時にパイを焼いて用意してくれた。

 鼻歌を唄いながらテーブルセッティングを進める彼。
 いつだったか、2人で選んだランチョンマット。ティーポット。まだ温かいアップルパイ。

 「痛いか? そんなことないだろ?」

 私の足首に巻き付く皮をちらりと見て、彼は問う。

 「ちゃんと工夫してあるんだ。お前の綺麗な足が傷ついたり、擦れたりするのは俺がガマンできないからな。寝てる時にも不快感がないように、色々思考錯誤したんだぞ。この2週間近く、平気だったろ? あ、でも、少しでも痛かったりしたら直ぐに言うんだぞ。お前に不快な思いはさせたくないからさ、すぐ新しいの作ってやるか、直してやるから。」

 言いながらもお茶の支度を整え、おどけた口調で恭しく椅子を引く。

 「さぁ、どうぞ、お姫さま。お座り下さい。」

 彼が見立てたワンピースを着用し、彼がコテで整えてくれた髪を崩さないようにゆっくりと、私は椅子に腰掛けた。

 「ああ、可愛いよ・・・。本当にお前はかわいい・・・。」


 座った私の傍らに立ち尽くし、感嘆の溜息をつく彼の気持ちが降ってくるようだった。愛していると、お前が好きだと。空気も光もそれだけを伝えて来るような日々。今、この時も。



 彼は狂っている。

 彼は、近衛兵。小さい頃から見守り続けたお姫様のお守役。

 何年も積み上げた想いをお姫様にぶつけたら、姫はその手を取り求愛を受け入れた。
 身分違いの恋が始まり、彼は幸せながらも、他の国の王子から求婚される姫を見る度、恋人を失うのではないかという不安と恐怖に怯え続けた。

 近衛兵は宮仕えの立場を最大限に活用し、尤もらしい理由を並べ暗躍し、姫を小城に幽閉する事に成功した。彼以外、従者は誰も居ない。優秀な近衛兵である彼が何もかもこなしてくれる。何不自由の無い城の中で、ただ生きる姫。


 姫は、私だ。

 錫也は器用につくりあげた箱庭に真綿を敷き詰め、快楽のシーツに私を寝かせ下界と遮断し、生きる為に必要なものを洩れなく調達し差出し、私を愛しているという圧力で包み込む。

 

 私はいつ、それに疑問を持っただろう。持った事など無かった。

 それが、私の日常だった。例え組み込まれ罠に嵌められていた結果だったとしても、それが私の日常だったのだ。サイレンスな抵抗と批判は日の目を見ない。例え心の奥底で抗議する日があったとしても、それでは要は、納得し受け入れているのと同義なのだ。

 私は笑った。笑顔をつくり彼を見た。
 嘘も虚もなく私を愛してくれる彼を、不安にさせた罪で科せられる刑に服する宣誓の為に。

 「私は、錫也だけのお姫さまだね・・・・。」

 一瞬だけ揺れた彼の眼の奥の波のカタチを、私は一生忘れないだろう。
 錫也は少しはにかんで、私を強く抱き締めた。

 「・・・あ、ああ、お前、解ってくれたのか・・・! うん、うん・・・。お前なら、絶対わかってくれると思ってたよ・・・信じてた。そうだよ。お前は、俺の大事な大事なお姫さまだ。お姫さまは、余計なコトはしちゃいけないんだ。俺がちゃんと、お前が退屈しないように考えてやる。大丈夫、必要な事は俺が全部してやるんだから。お前は俺に甘えて、毎日お茶を飲んで、可愛い服を着て、俺のつくったご飯を食べて、笑顔で居てくれればいいんだよ。」

 ぎゅうっと私を抱き締め、頬ずりをする。

 「愛してる。一生お前だけを愛して、お前の為だけに生きるって誓うよ。俺だけ見てて。お前の為なら、俺、なんだってする。お前のよろこぶ事、一杯してやりたいんだ。大好きだよ。逃がさない。絶対逃がしたりしない。お前は一生、俺の傍に居るんだ・・・。」

 
 逃がさない。

 そう繰り返す一介の近衛兵の愛が狂気であっても、囚われた姫の歩く道は、最早その腕の中にしか存在しない。

 私の肉は、彼に喰らいつかれる度に爛れていくだろう。そうして私の視神経はいつしか、彼しか見えなくするのだろう。
 彼の愛に蝕まれ続ける私はきっと、腐り切る寸前の果物と同じ芳香を放っているのだ。彼の愛がその香りを生み出す。その香りが彼を狂わす。終わらない連鎖。喰うものと喰われるものの道理。私にとってすべての真実。なんという幸せ。

 業火が身を焼く地獄でまどろむ違和感に、遂に私が脳の髄まで膿み始めて来たと思うが、まだ正気なのだろう。狂人は、自分を狂人だと認めないというではないか。

 でも。
 きっと。

 私は壊れ始めている。壊され出している。
 狂い出している。今も、私の足元に跪いて脹脛に舌を這わす彼を受け入れている。淫靡な吐息を手で覆い隠すでも無く。

 狂い出している気がする。でも、自分で認めているから多分大丈夫。

 だけど頭の奥で、それを打ち消すような声もする。

 壊れている? 誰が? 彼は私を愛しているだけだ。
 狂っている? 誰が? 彼は私を離したくないだけだ。

 私は、その愛に応えたい。こたえなくてはならない。彼を選んでおきながら、彼を怯えさせていた贖罪をしなければならないから。これは、正しい選択だ。

 私は錫也にキスをすると、甘えた声で、紅茶を飲ませてほしいとせがんだ。

 彼が淹れてくれる紅茶は、いつも、美味しい。


 箱庭には、私たちしか居ない。








                           fin


 

 

 
プロフィール

みるくあずき2

Author:みるくあずき2
成人。
主婦。母。妻。嫁。娘。事務員。など。

本家ブログはアメブロ
http://ameblo.jp/milk15azuki
にて、乙女ゲームレビュー(感想・攻略? 雄叫び、乙女向けCDも愛聴)を書き綴っております。

乙女ゲ歴というかゲーム歴4年。
妻となり母となって大分経ってから見つけた趣味なので、遅咲きです。
遅咲きの狂い咲きってヤツですね。

本家ブログは只今リアル絶賛多忙中の為に気紛れゆるゆる更新です。コチラは元々気の向くままに進めています。

下のカテゴリからお好みのモノを選んで頂くと、連載は1話から読めます。

感想・お世辞は大歓迎ですが、苦情は受け付けられません。
鍵付きのコメントは、拍手コメントも含め一切の誤表示を防ぐ為、お返事は致しませんが、必ず読んでおります。励みになっております。有難うゴザイマス。
拍手とかコメントとか貰えると泣いちゃうくらい嬉しいですよ・・・。

鍵付きでは無いコメントは、拍手コメントも含め必ずお返事させて頂いております。
宜しくお願い致します。

只今うたプリだと トキ春 嶺春 蘭春 音春を筆頭にカミュ春や翔春、真春、レン春もございます。R18、オールNLとなりますので宜しくお願い致します。

だけど最近プリンスよりも先輩とかヘヴンズが好きだったり・・・。

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